表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄の結末と真相  作者: 東 万里央
?????サイド
18/28

現在(9)

 王家の使者は意気消沈したフィリップと、「放してよ~」と喚くちょいブスを馬車に押し込め、戻って来たアディと俺に深々と頭を下げた。


「ジェラール様、アデライード様、ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした」


 俺はちらりと馬車の中に目を向ける。


「あいつらはこれからどうなるんだ?」


 使者は帽子を直しつつこう答えた。


「は。まず、アネットの実家である男爵家は、西の地に領地替えとなります」


 西の地と言えばど田舎の代名詞だ。これと言った産業もない。ちょっと男爵に同情するな。見る目がなかった自分を恨んでもらおう。


「また、フィリップ様とアネット嬢は婚約をしていたため、予定通りに結婚していただき、フィリップ様には男爵家の婿となっていただきます」


 この辺もだいたい予想通りだった。こうしてフィリップとアネットを、田舎に封じ込めるつもりなんだろう。


 これからバカップルは娯楽も、イケメンも、美味いものもない辺境で、一生を終えることになる。だが、何といっても真実の愛があるのだから、不満なんてないはずだよな?


 使者は説明を終えると「それでは」と告げ、バカップルと馬車とともに場を去った。


 あとには俺とアディが残される。


「アディ」


 俺が名前を呼んで手を差し伸べると、アディも微笑みながらその手を取った。お互いにしっかりと握り締める。


 これからも二人で頑張って行こう。二人ならきっと頑張れるはずだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ