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リトルバード

日本は平和な国だと思っていた


戦争がないから


戦争を嫌っていたから




平和な国は好きだ




だけど







そうでもなかった




日本という国は


外から見ると平和な国だが




内側から見ると経済戦争で荒れている



非核3原則とか言っているが



核を使う原発を稼働している





だから平和な国は



外側から見ると平和だが



内側から見るとそうでもないのである











世界は今



北アメリカ大陸はアメリカが占領しており




南アメリカ大陸は紛争地域で昔から戦争が絶えない



オーストラリア大陸は戦争はないが



巨大な軍事施設を持ち




ユーラシア大陸でロシアと呼ばれていた国は再びソ連になり



中国は物質が豊富で量産型ZXで保っていた



残りの国はドイツと共和国を作り



イギリスはイタリア フランス


主に西ヨーロッパの端を共和国としていた




アフリカ大陸は紛争が続いた結果アフリカという1つの大きな国になった






そして日本は




誰からも侵略されず



今でも経済国家なため



平和国という理由で世界の戦争には参加しなかった





そして7月13日の夏




蝉がうるさい真昼の中




芳人は親友のテレビを直していた





茶色の髪に全てを見透かしたような目



目が悪い為にメガネを付けていて



制服姿でテレビを直していた



世界は変わってしまった



2014年アメリカが作った作業用ロボット



ZX



このロボットは最初は作業用



つまり工事や 解体作業 様々な場所で役に立つロボットというコンセプトとして生まれた



低コストでなおかつ便利であることから 色々な国がそれを買い求めた



そこから世界は変わっていったのかもしれない



2015年 アメリカはZXを軍用兵器として運用していた



それを知ったロシアはアメリカに講義をした



なぜ、兵器を作る必要がある……と



アメリカは答えた



身を守るためだと




身を守るために作った兵器



明らかに他国が侵攻してくると疑って作られた兵器




ロシアは思った



自分たちが作ってもなにも問題ないと



こうして 作業用ロボットとして開発されていったZXは軍用兵器として開発されていった



ロシアに続き 中国 イギリス ドイツ ベトナム アフリカ オーストラリア 南アメリカ大陸周辺の国などがZXを兵器として扱った




軍用ZXには様々な種類がある


一般的な普通のZXが中量型




装甲を厚くし防御力を上げたのが重量型



装甲を薄くし機動力を上げたのが軽量型





そしてZXの足にも種類がある


一般的なのが二脚 人型だ



四脚 バランスが良く 動いている間でも射撃能力は高い




多脚 クモのような数の足を持ち様々な動きでも最高の射撃能力を持つ



そしてタンク型 足の代わりにキャタピラを付け戦車のようにしたZX




こうして ZXはどんどん戦場に適した身体を持つようになった



ZXと呼べる定義は



上半身が人型であること



4メートル以上あること



何らかのコンセプトを持って作られたこと




この3つだ



ZXの高さは現在4~58メートルまである



最高58メートルのZXはソ連が所有している


ボルテックというZX






世界の国々はみんな不安だった



いつか自分たちの国が支配されるのではないかと



いつか自分たちが持っているZXで戦わなければならないのかと




2015年



世界の国々は常に冷戦状態にあった




ただただ 世界を疑っていた



信用出来るのは自分たちのくにだけ




なにも動かず なにもしなかったら 相手の国もなにもしてこないと思っていた




しかし



そんな世界の行動をぶち壊した国がいた



アメリカだ




アメリカはまずカナダに侵攻した



カナダはアメリカとは仲が良かったはずなのに侵攻されてしまった



理由は不明



しかし その時に侵攻してきたZXを見ていた人は



黒いZXがいきなりキャノン砲を発砲したのだという



カナダに住んでいた人は半分殺された



カナダは降伏した



北アメリカ大陸は



全てアメリカの領土になってしまった




そしてこれがきっかけとなり



世界の国は戦争を始めた




2016年



第三次世界大戦が始まった






それでも日本は



のんきに経済戦争をしていた




俺は世界が嫌いだ



自分勝手な世界が



けど、この日本は違う



争いはない



俺は相変わらずハッカーとか修復屋とかそういう職業をやっている



今日は特に暑い


このままアイスみたいに溶けそうだ


日本は相変わらず何も起こらない



起こる出来事は税を無駄にする出来事ばかりだ



この前テレビで中国が領土を広げる為、侵攻するらしい



もっとも、こんなことテレビで放送するのは稀になった


最近では総理大臣を取り上げているニュースややバラエティ番組、国の経済のことしか流れていない



だから日本に住んでいる日本人は世界のことはあまり知らない



テレビはバグを修復するだけの簡単な仕事だった




「まだ、終わらないか芳人?」


お茶を飲んでいるだけで何もしていない辰巳が言った



「まだだよ、ちょっと待てって………よし、出来た」


俺はテレビの配線を全て繋いで机に置いた




辰巳は俺の親友だ



いつも一緒だし、仲が良い



とても信頼してる大切な友達だ



「サンキュー芳人♪これでまたテレビ見れるよ」


「今度は壊すなよ?」


「わかってるって♪さて、何見ようかな?」



辰巳がリモコンのボタンを押しながらテレビを見ていると、とあるニュースが目に止ま った



ニュースの内容は




『今日、中国が日本に向けて宣戦布告しました。』


ニュースキャスターは相変わらず冷めた顔でニュースの内容を伝える



ニュースの内容を……伝える



ニュース……の内容……を……



芳人「中国が宣戦布告!?」


『政府はこの件に対し、なにも答えません、中国の……い……う…は…』


ニュースキャスターの顔が歪み始めた


そしてついに


ザーッ



テレビが砂あらしになった



「消えちまったな」



「あぁ、日本はこれからどうなるんだろうな……」



不安だけが頭でいっぱいだった


何をすれば良いか分からなかった



ウーッウーッ



騒がしい街の中に



更に騒がしい音を鳴らしながらサイレンが鳴り出した



「芳人!見ろあれ!!!」


辰巳が指をさした窓に平和な日本では見慣れないものがあった




目に飛び込んだのは中国のロボット……ZXだった


宣言してから


たった3分後のことだった


「逃げるぞ辰巳!!」


「あぁ!」


俺達は玄関から飛び出した



電車に乗り込もうとしたが動かない


この町から出ようとしたが周りが火の海だ


最悪でメチャクチャ暑い夏休み


平和なんて



どこにもない



クソッタレな世界が周りに広がっていた



「芳人!こっちだ!」


辰巳は人混みの中、俺に分かるように手を振ってくれた


「わかった!!」


俺は辰巳に付いて行こうとしたが……


ドンッ


芳人「うわっ!?」


たくさんの人に押されこけてしまい



ドドドドド



踏まれていった




ようやく体をあげると、誰もいなかった


身体中が痛かったがそんなことは構ってなく


俺はこの都会から逃げる方法を探した



「出口はどこだ?」


俺は歩き出した


生きるために



地下鉄だからほとんど出口が封鎖されている



「クソ、このまま死んでたまるか!!」


死ぬのが怖かった


だって死にたくないから



その時


「こっち……」


金色の髪がサイドテールの髪型


長さは肩のところまであり


身長は見た感じでは小さい


中学生くらいだろうか


何も感じていない目に口はずっと閉じたまま


長いキャミソールを着ていた


1人の少女が道を教えてくれた


「そうか!ありがとう」


この時どれだけ生を実感しただろうか


しかし、これは俺にとっての絶望の始まりでもあった


「付いてきて」


少女は地下鉄の階段に指を向けながら俺を手招きした



俺は少女に付いていった



地下鉄の奥へ奥へと進んで


隠し扉を見つけた


少女がそこへ入っていき、俺も入った



そこには…………



「まだ完成しないのかRBは?」

「ダメです、コンピューターがバグって起動しない


こりゃシステム自体に問題があるな~


電子回路プログラムに入ってある余分なデータを消さないとダメだな」


「早くしないと占領されますよ!!」


作業員が三人、パソコンを打ちながら何かをしていた



そこには、ロボットが作られていた


「ヤチル~誰だそいつは~?」


「……適合者」


ヤチルってのはこの少女の名前らしい


俺には適合者の言葉がなんのことか分からなかった


「適合者を連れてきたのか、ちょうど良い」ガシッ

抵抗したが、その作業員は手を離さず力が強かった



そのまま俺は引っ張られるように



俺はコックピットに入れられた……




「これからお前にはその機体、名称リトルバード略してRBに乗って、中国勢力を倒してもらう、出来るな?」



「はぁ?出来ないよそんなこと!?」




「発射」


作業員は芳人の言うことに耳を貸さなかった



作業員の合図と共に、ハッチの外に放り出された



「むちゃくちゃだ!畜生……やってやる!!」



芳人はコンピューターパネルを開いた



「なんだこれ?

バグがヒドイ……急いで修正しないとやられる、敵との接触は後、五分……

その間にやれるか?

…………いや………やってやる!!!

死んでたまるか!!!!!」


ウィーン


芳人はタッチパネル式のパソコンを起動しプログラムを更正していった



カタカタカタカタカタカタカタカタ



「起動プログラム修正モニターオープン運動機能インストール敵との接触予測時間計測」


芳人は1つ1つのデータを読み上げバグを修正していった


「敵との接触まで後、三分」


あらかじめ機体に搭載されていたAIが予測時間を計測した



「標準誤差修正

エネルギー供給

リンク

バグ修正

システムオールグリーン」


芳人の目は右往左往に動いていた


「後、一分」



「間に合えぇぇぇぇ!!!!」


芳人は最後にエンターキーを押した


カチッ


キュイィィン


モニターがディスプレイに写し出され

周囲の様子が画面に現れていた


「動いた」




「なんだありゃ?

日本の兵器か?

だったらここで静める!」


中国のZXの兵士は動かない紅いZXを発見した



バババババ



中国のZXはマシンガンを撃った



ダダダダ


マシンガンの弾が着弾し芳人のコックピットに振動が伝わった



「くっ!!ブースターシステム……起動!!」




「ブースターシステム作動」



キイィィン


ブースターが点火された


「なんだあいつ?

ブースターから物凄い火が……」


゛バッ


RBはかなり速い動きでZXをバーニアで焼き切った


「凄い………これがリトルバード………」



芳人は初めてのZXの操縦に興奮を感じた 「武器は?……何か武器ないのか?」


芳人は説明書を見ながら武器を探した


芳人は自然とこの機体の動かし方をわかっていた



「凄いねぇ


本当に動かしやがった」



芳人のZXに通信が入りさっきの作業員の声がした




「武器はそこのトラックの中にある


残念だけど武器はそれだけしかないね」



俺はトラックを探した



足元の近くに置いてあり積み荷の中の武器を取った



中にあったのはこの機体に合わせたハンドガンのようなものだった




――――――――――――



鐙子(とうし)様!!我々ZXの一機の信号が途切れました!!」


敵の兵士が味方信号の消滅を知った


「なんだと!?まさか日本は兵器を残していたというのか!!」


鐙子は予測外の問題に焦りを感じた


「はい!この地域で形式不明のZXを目撃との報告です!!」




「日本め……わかった


私が出る」


鐙子は機体の向きを敵信号がある方向に向けた



「鐙子様がですか!?」



「付いてこい」



「ははっ!」


兵士は敬意を込めて鐙子の命令に従った


―――――――――――



芳人「くそっ


まだ居る」



芳人はハンドガンを撃ち出来るだけ相手を殺さないよう




足や武器を持つ腕を破壊した


倒しても倒しても出てくるZX

敵も戦力 が無いのだろうか


だんだん数も少なくなってきた

しかし


遠くからもう一機ZXが現れた


「ふん、日

本の兵器だか何だか知らないが破壊してみせる」


そのZXは足の間接が違っており


量産タイプとは違う


オリジナルの逆接タイプだった 「どんなZXかと思えば、他のと何が違うのだ?


武装もハンドガンだけとは


こんなZXに俺達は手こずっているのか?」




鐙子は日本のZXのあまりの非力さに哀れを感じた



「こんなやつ私1人で十分だ


お前達は中国に撤退しろ」


「しかし!?」



「聞こえなかったのか!!」


「ははっ!!」


鐙子には絶対的な自信があった


自分がプロのエースパイロットだったからだ



エースに成り立てのパイロットは自分を自信過剰に見てしまうのだ


「なんだ?撤退していく?」


芳人は敵のZXの撤退に疑問を感じた


「お前は、この鐙子が破壊させてもらおう!!」


鐙子は高い機動力を使って芳人を翻弄した



「くそっ!!逆接なのに早い!」


芳人は敵が撤退するのを確認した後、動き出したZXに反応した


芳人の操縦では 避けるのが精一杯だった


「どうだ!私用に開発された白虎の力は!!」


ズガァン


敵のライフルの弾が被弾した


「このままじゃやられる


どうにかして弱点を見つけないと」


芳人は敵の攻撃を必死に避けながら


戦略を練った


「相手は地面を逆接で蹴るようにして機動力を上げている


それだ!!」


避けながら敵との距離を縮め一気に!!」


芳人はアクセルを踏み込み


芳人は自分の機体を全速力 にし


跳躍力で飛ぼうとしていた鐙子の白虎の逆接逆にハンドガンを挟み込んだ


「なにぃ!?」




白虎の動きが止まった






「どういうことだ


何故動かん!?」


鐙子は必死に操縦系を動かしているが


動かない


無理もない



何故なら 跳ぶ瞬間に足の間接と間接にハンドガンを挟まれたのだから


そして片足だけが跳び上がり

白虎の重心が完全に傾いた


「ぬわああぁっ!!!?」



自分に起こった出来事がコックピットから見えないため



鐙子にとっては何が起こったのか分からなかった



「やった!」



芳人は敵エース機を倒したことに安心が溢れた



「こんなはずじゃ……」



「鐙子様!!ここは一旦撤退しましょう!」



敵ZXが傍に駆け寄り 白虎の肩を持つ



「しかしだなぁ!!


今、目の前に日本のZXが居るんだぞ」


「プライドと命、どっちが大切何ですかあなたは!!?」


鐙子の部下が叱るように怒鳴る


「うぅむ……仕方あるまい、撤退だ」



鐙子はいやいやながらも声を漏らした



敵ZXがブースターを吹かし白虎と共に逃げていく


「待てよ!!


お前は、お前らは!!!」


芳人にとっては、この街で暴れた相手を逃がしたくはなかった


芳人のRBが追いかけたが


敵ZXは腰からスタングレネードを外した


ピカッ



「うっ……眩しっ……」



眩しい閃光がコックピットのモニターを真っ白にした



そして、数分後 ようやく 芳人の目が慣れた頃には


Xの姿はなかった


「敵は逃がしちまったみたいだけど



上出来だ


早く戻ってきな」



さっきの作業員が通信で答えた


芳人は街の変わりように 出る言葉もなく



ただただモニターの画面をじっと見ていた


「おい、聞こえているんだろ?


早く戻ってこい」


通信の声は耳に入らず



自然と涙が流れた



日本の三大都市 名古屋は

ZXで動いていただけなのに



建物は半壊し



その中に人の腕や






それぞれの身体の部位が所々に落ちていた


さっきまで避難出来ずに逃げていた一般人の死体が芳人のモニターに映った



このことを政府は中国のZXが起こした事故だと公表した



芳人が帰ってきたのは


その十分後だった


「ごくろうさん


とりあえず、自己紹介させてもらうか」


「俺は、近藤東矢


お前使っているRBの整備をしている」



近藤東矢は肌が少し黒い、顎に短い髭を生やしており


筋肉質な図体のデカイおっさんだった



「次はワシだな


ワシは、寺野藤則じゃ


RBの武器を主に開発している」


寺野藤則は70歳位の年老いたおじいさんだが、老眼鏡を掛けている元気そうな老人だ



「最後にあたしだね


あたしは寺野美紀


名前通り、そこのじじいの娘よ

あたしが、そのRBを作ったの」



寺野美紀 見た目通りアラフォーだろうか


髪を金髪に染めた明るい女性だった



「……このZX…RBって言うんですか……


日本はいつ、この兵器を作ったんですか


何故、中国が攻めて来たんですか


どうして、俺が乗ったんですか!?」


芳人は自分が思ったことを吐いた



芳人は訳が分からないまま、街で暴れて

たくさんの人を殺し


頭が狂いそうだった


そんな芳人は、美紀のその言葉でさらにおかしくなりそうになった


「うるさいねぇ」



芳人の思いを全て一蹴するかのように美紀が答えた



「どのみち、あんたはそれに乗った


そのZXのバグを修正したその時点 で


あんたはもう日常にもどれないんだ


それに、今日本が対抗出来る

戦力がそのZXと戦艦一隻だけだ


あんたは戦ってもらわなきゃならない


日本のために


あたし達のために」



「そんな………いやだ……戦いたくない……


死にたくない……」



芳人は受け止め切れない責任を


負わされた


「さて、最後にこの子の紹介だけど」


その少女は芳人をこの場に連れてきた少女だった


美紀は芳人を連れてきた少女を芳人の目の前に立たせて名前を言った


「この子はヤチル、名字は無いんだ


日本のある研究機関で研究対象になっててね


どういう研究かわからないけど、超能力とかどうとか


お偉いさんは言ってたけど


あまり普通の女の子だから仲良くしてあげてね

ほら、ヤチル

挨拶!挨拶!」



美紀がヤチルの背中をポンっと叩き



挨拶させるように急かした


「……よろしく」


凄く聞こえにくい位、それこそヤチルの前にガラスが置いてあるんじゃないかって位にボソッと挨拶した


「よろ……しく…」


芳人はいつ挨拶されたのか分からなかったが、朧気な挨拶で返した


「日本の政府は何故かは知らんが、その女の子をワシらが預かるようにと命令されたんじゃ」



「しかも、そのヤチルが選んだ人をRBのパイロットにしろだと」


藤則は腰を拳でトントンと叩きながら説明した



「なんでそんなこと引き受けたんですか!?」


意味不明な話に


芳人は納得出来なかった



「知るかよ


上の考えてることなんざ俺達が知るべきじゃねえんだよ」


冷たく近藤が答えた



「そもそも……このZXはな んですか……RBってなんですか」


美紀「Rittle Bird

略称してRBだ


日本が初めて開発し

たZXであり

日本の技術力を結集した機体

様々な戦闘を用意出来るように武器は全てに対応し


空中戦や水中戦、市内、高速戦闘にも対応出来るよう


様々な武装バリエーションがある


日本の主力だ


普通littleはLという字たが日本の紅を主張してredのRと掛け合わしlittleのLはRになっている」


「いつから…作ってたんですか……」


訴えかけるように芳人が言う



「そうだね~

1940~50年、第二次世界大戦が終わって直ぐってところかね」



美紀は指を折りながら数えて答えた


「戦後、日本は屈辱を味わったよ

『何で負けたんだ』ってね


君、何で負けたかわかるかい?」


芳人は頭を抱え 思ったことを答えた


「日本に技術がなかったから」


「そう!それよ!!」



いかにも重要なところなんだろう


芳人に美紀が人差し指を向けた


美紀「それを理解した日本は、ある兵器の設計図を書いた


名前は『鳩』

平和を象徴している

しかし、その時代にその兵器は開発出来なかった


どうしてかな?」


この質問を答えろと言わんばかりに


芳人に再び人差し指を向けた


「えっと……物資がなかったから」


「おしい!」



美紀は指を擦り合わせてパチンと鳴らした


「そもそも日本はその当時、その『物資』を持ってなかったのよ」


「……その『物資』って何ですか?」


「そうねぇ……主に、ダイヤモンド、鉄、鉛とかの金属かな」



「ダイヤモンド!?


そんなもの、あのZXにありましたっけ?」


「コックピットの周りを鉄でダイヤモンドを挟み塗装が塗ってあるわ


登乗者が死んだら元も子もないからね


後は追加武装の盾も鉄でダイヤモンドを挟んでいるわ」



美紀は図式を書いて説明する

「名前の由来は『鳩』


英訳するとRittle Bird


頭文字をとってRBってことよ」


美紀は同じ説明 を繰り返し説明するように分かりやすくホワイトボードに書いた


「そんなことを聞いてるんじゃない……


俺はこれからどうしたら……」


芳人の頭の中には不安しか残っていなかった


「私達は移動用の戦艦『朧月』に乗ることになるわ


そして中国に進攻 和平交渉をするわ


いくらRBが他のZXと違って強いとはいえ


この戦力じゃ すぐに日本は落ちる


この戦争の勝利の鍵は」



美紀がどうやって勝つか書いた

そしてホワイトボードを思い切りバンっと叩いた



「国と国が協力すること!!これが決定打になる!!」





「そんなこと出来るんですか?」


「出来るさ」



美紀がホワイトボードに世界地図を書き説明していく


「まず、私達は中国に進攻

和平交渉をする」


「そんなに上手くいきますか?」



「いいかい?


今、世界はZXによって、支えられてるようなもんだよ


中国を支えてるのは四天王と呼ばれる


『青龍』『白虎』『玄武』『朱雀』によって中国を防衛している」


「それを、どうしろと?」


芳人はこの後来る答えをなんとなく予想出来た


「決まっている


あんたがこの四天王を破壊するその後に和平交渉をする

中国を防衛するという条件付きで


流石に中国も了承するだろ」


「無理ですよ、僕にはその四天王を倒すことは出来ません」


芳人はきっぱりと否定した


自信が無いからだ


「やらなきゃ、やられる


それだけさ」



「やらなきゃ……死ぬと…?」



「似たようなもんだね

続き行くよ」


美紀は説明を続けた


「中国と戦力を組んだ後、ドイツに向かう

ドイツは今、国を広げたイギリスと戦闘していて

助力で私達が加われば力になってくれるさ」



「でも、ドイツは戦争を始めた国でしょ」


「ドイツは私達、日本と同じだよ


戦争の辛さや

平和を望んでいる

だからドイツは国を広げても、占領した国人々の命は保証した


だからドイツには信用しても大丈夫」



「どっにしろ

戦争して良い訳がない」


芳人は否定した、戦うことを否定したかった


「あんたはアマアマちゃんだね

イギリスはドイツと協力して和平交渉に移る

そして、アフリカと協力し


ソ連とアメリカの戦闘に各5ヶ国の戦力をもって介入する


その戦闘に勝てば

この戦争は終わり」



「そんなに上手くいくわけない


絶対に」


美紀は芳人の言葉を聞いて1つの言葉言って 拳銃を向けた



「じゃあ、ここで死ぬか?


クソガキ」



拳銃を向けられた


ここは軍の研究機関なのだ

しかもあんな物を作っているのを世間に知られないよう


拳銃を手にしたのだ


「そんな……不公平だよこんなの

ふざけんなよ!!」


バン!!!!



芳人の耳は銃声で壊れそうだった

耳が銃声を聞いた時には


芳人の数センチ横の鉄の床に穴が空いていた


「本当に死にたい?

分かってるよねクソガキも

今は………戦争をやってるんだよ」


芳人は急に恐怖が心の底から沸き上がった


戦争をやらなければ今死ぬ

戦争をやれば いずれ死ぬかもしれない


どっちも嫌だ

どっちを選べば良い


恐らく

平穏に暮らしている人間には全く無いであろう


死の選択を強いられていた


「や、やります……

やらせて

下さい」


芳人の声は震えていた


死ぬのが怖い


人は恐怖に負けるととにかく生きる選択をする


「ほう

なら文句言わずにZXに乗りな中国に行くのは明日だ

明日に戦艦を動かす」


芳人の身体は緊張が解れたのか

地面にうつ伏せになった


「生きる……生きてやる

絶対に」



生きたい


人間の心の象徴を


芳人が決心した



芳人には親が居ない

高校に入ったころ 他の家に預けられた

それが辰巳の家だった


「言っておくが

あんたは今は監禁中だ

家に帰すことも出来ないね」



「まぁ、ゆっくりしていけ

お前は大事な操縦者だから


体調管理をしっかりしてほしいからのぅ」


藤則は腰を叩きながら作業場に戻っていった



芳人は無性に腹が立った


こいつら大人は俺のことなんざ考えてもいない


芳人はゆっくりと立ち上がり その場を離れた



ガン!


倉庫のような場所で芳人は思い切り壁を蹴った

激痛が足に来たが


芳人の怒りは収まらなかった


「どうして

俺が

なんで俺なんだよ!!!」


ガン ガン ガン ガン



芳人は壁を蹴り続けた


今の現状を否定したい気持ちでいっぱいだった


「逃げないで」


後ろから声を掛けられた

振り返ればヤチルが居た


「戦って

芳人は強い

負けないから」



芳人はまだ怒りが収まらない


今 目の前に自分をこんな状況に追い込んだ主犯が居るからだ


「お前に俺の何が分かるんだよ!!

大体、お前のせい……!?」


柔らかい感触が唇に触れた


「大丈夫

分かるよ芳人のこと

私が一緒にいてあげる


ずっと


約束する」



芳人はしばらくボーッとしていた




初めての感情だった



「部屋を案内するから……」



「おいちょっと待てよ!?」


ヤチルは芳人の手を握って部屋に連れて行った



「ここだよ」


施設内を半周した所に部屋があった


扉には指紋認証の鍵がかかっている



「これ……俺が開けるのか?」



「登録して」


どうやら指紋認証を行う前に指紋認証の指紋を登録しないといけないらしい



「こ、こうか」


芳人は恐る恐る指紋認証機器の指を通す穴に指を入れた



『指紋の登録を行います

しばらくお待ち下さい』


指紋登録と共に芳人の指紋が映像化されていく



「っつ……!!?」


登録中に芳人は指に何か鋭い棘で刺された感触がした



『登録完了しました

中へとお入り下さい』


芳人が指紋認証機器から指を抜くと 指先から血が出ていた



「いったいな……」


血を確認すると改めて痛みが指に走った



「入ろう?」


ヤチルが芳人に問いかける



「分かってるよ」


芳人が一歩前に進むと部屋の扉が自動ドアのように開いた


部屋の感じは


フカフカのベッドがあり

観賞用の植物が部屋の隅に置いてあり

大画面テレビが部屋の壁に貼り付いていて

テーブルが真ん中にある


その周りに椅子も置いてあり

テレビの前にはソファがある



「すげ~、本当にこれが俺の部屋かよ?」



「みんなこんな感じだよ

疲れたらいけないし

十分に休めるように、こんな感じの部屋になっているの」


芳人はヤチルの言葉に耳を貸さずソファに飛び込んだ


ヤチルは芳人が子供のようにはしゃいでる様子をみて笑みをこぼした



「ヤチルはどこの部屋に居るんだ?」


しばらく部屋を堪能していた芳人が、ふと気付いたようにヤチルに聞いた



「ここだよ」



「へ?」


ヤチルの不意討ちな答えに芳人は理解が出来なかった


いや、理解をしたくなかった



「この部屋」


ヤチルははっきりと

分かりやすく言った



芳人「いやいやいやいや

どういうことだよ?」


芳人は首を横に振り 説明を求めた



「芳人と私はこの部屋で生活するの」



「なんで!?」


芳人はこの現状を受け止めたくなかった



「だって空き部屋がなかったから

美紀は男なんか入れたくないって言うし

男同士とおんなじ部屋で生活したら操縦者に支障が出るからだって」


ヤチルは分かりやすく段々と説明をした



「そんなぁ~

これなら男と居た方が増しな気がする……」


現実は酷だった



「私、先にお風呂に入ってくるね」


ヤチルはそう言うと部屋の中にあるバスルームに入った


芳人は止めようとしたが

すでに服を降ろす音が聞こえたので止めた



「女と一緒に寝るなんて聞いてないぞ…

いや、大丈夫だ

相手は多分、年下だ

妹と一緒に居る感じでやれば良いんだ」


ヤチルは風呂場でリラックスしてる


芳人は気にしないよう自分に言い聞かせていた



しばらくするとヤチルがパジャマ姿で出てきた


芳人はその格好のヤチルを見たとき頬を赤くそめたが目を反らして誤魔化した



「次、芳人が入って良いよ」



「あ、あぁ」


芳人はそそくさと風呂場に向かった


風呂場の中にはトイレがあり防水のカーテンの中に浴槽とシャワーがあった

トイレの前には洗面所がある


ホテルによくある感じの風呂場だった


芳人はシャンプーを使って頭を爪を立て 洗いながらこれからのことを考えた


友達はどうなったのだろうか


RBを乗りこなせるのか


これからの戦いをどうやって生きるのか



様々な不安が再び芳人に襲いかかった


芳人は不安を忘れる為にシャワーの蛇口をひねり 少し呆けていた



―――――――――



しばらく 呆けていた芳人がハッと我に帰り


体を洗って 浴槽を出て

体を拭いて着替えた


部屋に戻るとヤチルが片方のベッドで寝ていた


芳人はさっきまで考えていたことを、また思い出した



「仕方ないよな……」


芳人の口から1つの答えが出た

どっちにしろ生きるには乗らなきゃいけない


゛仕方がない゛ことだった


芳人は溜め息をつきベッドに寝転がった


そして色々考えているうちに



睡魔が襲ってきて眠ってしまった

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