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私、魔王じゃありません?

私、魔王じゃありません?

作者: 神宮寺そら
掲載日:2026/05/28

──「私、魔王じゃありません?」商人編

気づけば、あなたはまたしても“誤解の中心”にいた。

しかも今回は、剣でも魔法でもない。

帳簿と値札で世界が震えている。

最初のきっかけは、ただの偶然だった。

「この薬草、安すぎませんか?」

そう言っただけ。

だが相手は魔界随一の商会長だった。

「……価格操作で市場を支配する気か、魔王候補め」

「ちがいます」

その一言は、誰にも届かなかった。

翌日──

あなたは“黒衣の市場支配者”としてギルド掲示板に掲載されていた。

■商人ルート開幕

あなたは戦わない。

ただし、世界経済が戦場になる。

・薬草をまとめ買いして相場崩壊

・武具を原価で流して軍需産業を破壊

・魔石の流通経路を最適化して闇市場を合法的に壊滅

結果──

「魔王軍より被害出てるんだけど」

勇者が頭を抱えた。

■誤解の拡大

「やはり魔王だろう」 「いや、経済神では?」 「国家転覆型商人では?」

誰も“ただの商売上手”とは思わない。

なぜならあなたがやると、必ずこうなるからだ:

物価が安定しすぎて王国が税収不足

魔族が人間市場に依存し始める

勇者パーティが生活費で破産しかける

■ついに会議召喚

魔王軍・人間王国・商会連合の三者会談。

円卓の中央に、あなた。

「えっと……私、魔王じゃありません」

沈黙。

そして即答。

「ならこの世界経済の再設計案は何だ?」

渡されたのは200ページの契約書。

■あなたの答え

あなたは少し考えて、こう言った。

「全員が損しない取引、です」

その瞬間──

帳簿が光った。

契約書が再編され、世界市場のルールが書き換わる。

魔法でも呪いでもない。

“合理性”そのものが、現実を上書きした。

■エピローグ

後日。

商人ギルドの看板にはこう書かれた。

「魔王ではありません。安心してご相談ください」

その下に小さく追記。

※世界経済が変わる場合があります

そして誰かがつぶやく。

「……やっぱ魔王よりタチ悪いのでは?」

終わり

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