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1話 南砂華島

「で、真夏と直人の関係は何なのよ?」

「そっちこそ何? 私の次期、夫に手を出さないでくださる?」

「あたしは直人に助けて貰ったんだ。だからお礼がしたいのさ。直人もこの島に行く予定だったみたいだしさ。て言うか次期、夫って何よ? 婚約でもしてるワケ?」

「そうよ。初めて会った時に私はわかったの。あぁ、彼が私の夫に相応しいのねって」

「へぇ嘘くさい。真夏の事だから、どーせ勝手な思い込みでしょ?」

「失礼ね。彼だってそう思っているに違いないわ。ねぇ、〝マグナ〟」

「それよ!! その〝マグナ〟って呼んでる時点でアカの他人なワケじゃん!! ちゃんとした〝高木直人〟って言う名前があるの。ねぇ~直人?」

「あの……二人って知り合いなの……?」

「いいじゃない名前なんてどうでも。マグナは私にそう名乗ったのよ。直人? 知らないわそんな名前」

「あたしこそマグナなんて名前知らないよ!!」

「あの~……」

「「外野は黙ってて!!」」

「……」


 フェリーを下りて美穂についていこうと思った矢先、昨日別れた真夏と再会した。

 真夏は僕を迎えに来たと言っていたが、この島の住人なのだろうか?

 美穂はこの島の住人で民宿をやっていると言ってた。

 ここで人目も気にせず喧嘩をしている美穂と真夏、二人を見ていると知り合いであると思えてくる。

 あんまり中が良さそうには思えないが……。


「さぁマグナ。さぞお疲れでしょう? 車にお乗りになって、別荘に向かいましょう。お食事にご招待するわ」

「勝手に話進めてるんじゃないわよ!! 直人はあたしと一緒に行くんだ!!」


 別荘。

 別荘とは国語辞書で『本家とは別の土地に建てた家』である。

 と言うことは真夏は本来この島に住んでいると言う訳ではなさそうだ。

 だが、この二人の様子から見て長い間こちらに住んでいるんじゃないかと思う。

 でなきゃ、顔を合わせてすぐに喧嘩なんてしないだろう。


「まぁまぁ二人とも。少し落ち着いてください」

「どういう事なのよ佐田さん!! しっかり説明して!! コレと話してても意味がわかんない!!」

「話す必要はないわ。マグナ、早く行きましょ。野蛮な女といると腐るわよ」

「なにぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「はぁ……。まっこうなるのは薄々気付いてたんですがねぇ」

「……佐田さんの入れ知恵ですか?」

「ふふん。ささ二人とも、いつまでもここで騒いでいても仕方ありません。一度、美穂さんのお宅にお邪魔してもよろしいですか? 買出しの帰りでしょう? いつまでも〝結子(ゆいこ)さん〟を待たせる訳にはいきませんし、そこで積もる話でも致しましょう。買い物袋はこちらへ。重たい物は車で運びますよ」


 ……。



「ただいまー……」

「あらお帰り。アレ、お客さん? 真夏ちゃんに佐田君まで。そちらは見掛けない顔ね? お友達?」

「ううん。今日買出しに行った時にちょっとトラブっちゃって、彼に助けて貰ったんだ。この島に来るって言う事だから、うちに泊めてあげようと思って」

「始めまして。高木直人と申します。お世話になります」


 フェリー乗り場から移動して、美穂が言っていた民宿にやって来た。

 先頭を美穂が、その後ろをロールス・ロイス。そして更に後ろに僕。

 よく、こんな場所であんな車を運転できるな……。


「まぁ、それはそれは。どうもありがとうございます。そして、いらっしゃいませ直人さん。咲沢結子です」


 美穂のお姉さんだろうか?

 これまた随分と若い印象を受ける美人な人だ。


「結子、喉が渇いたわ。冷たいものをちょうだい」

「はいはい。そこに座って。佐田君もゆっくりしていって。直人さんも」

「あっはい」

「では、ご遠慮なく失礼して」


 僕と真夏と佐田さんが案内された席に座り、結子さんが麦茶を持ってきてくれた。

 真夏はさも当然の様に出された麦茶をすぐに飲んでいた。


「お母さん、これどうするー?」

「あー、それはこっち」


 え?

 今、お母さんって美穂が呼んだら結子さんが返事したよな?


「マグナ君」

「えっあ、はい?」

「結子さん、若いよねぇ。あぁ見えても一児の母だよ」

「……はぁ!?」

「あら、どうにかしました直人さん?」

「えっ、いやっえぇと、失礼ですが、美穂さんのお母様なんですか……?」

「えぇ、そうです。それがなにか?」

「……いや、随分とお若く見えたので、てっきり美穂さんのお姉さんかと……」

「あらヤダ。こう見えても○○代ですよ?」


 世の中って不公平だな。

 僕の母親と同年代じゃないか。明らかに僕の母親は老けてるぞ。

 こんな美人で若く見える母親なんかいたら、幸せだろうに……。


「それで、うちでご飯食べてくの? それなら準備するけど」

「いや、真夏は部外者だからそのうち帰るよ」

「そうなの? せっかくだから食べていけばいいのに」

「いいから!! ってかさっさと帰りなさいよ!!」

「イヤよ。マグナを連れていかないといけないんですもの」

「だから直人はここに泊まるって言ってんじゃん!!」

「? なにか訳ありなの?」


 まぁこの流れをすぐには理解できないだろうな。

 結子さんは頭の上にハテナマークを浮かべている。


「おほん。ふむ、ではわたしが説明しよう」


 佐田さんが麦茶を飲み終えて、姿勢を正した。


「マグナ君。実は真夏様とわたしはこの島で生活しているんだよ。さっきお嬢様が言ってた別荘でね。実家は都会なんだけど、こちらの方が環境が良いだろうと思ってね」

「……はぁ」

「それで君をここに誘導した訳さ。旅人君だからね」

「そのネタはもういいです……。マグナ君も辞めてくださって結構です。僕の名前は直人です。謝ります」

「で、美穂ちゃんを使ったわけだ」

「あたし?」

「そう。君が買出しに行く前にバイクで行くといいよって言ったの覚えてるかい?」

「はい」

「その時、大き目のシルバーのバイクを見かけたら隣に停めるといいよって言ったのも覚えてる?」

「はい……」

「で、君と直人君が出会った。直人君は色々な所に旅してたみたいなんだけど、行き先不安定みたいだったから、ここに誘導する様に仕向けたんだ。わたしもお嬢様も、直人君の事が気に入ってるからね」

「でも、あたしと直人がそれで出会う確立なんて低かったじゃないですか? たまたまですよ?」

「いや、そうでもないんだなぁ。あの辺一体で立ち寄るところと言ったら、あのショッピングセンターぐらいだ。雨が降り出す時間帯に合わせて直人君がそこに向かうのを知ってたからね。後は、成り行きだ。直人君の性格からして困っている人を見過ごす様なヒドイ人じゃないからね」

「……後をつけてたんですか?」

「んーー。発信機でね。すまない」

「そうですか……」

「後で回収しておくよ。それより、よく無事にこの島に来てくれた。ようこそ」

「はぁ……」


 どっと疲れが押し寄せてきたような気がする。

 あの時別れてから、結局佐田さんに踊らされていたのか。

 この島に来た達成感がなんとなく失われていく……。


「マグナ、そろそろ行くわよ? 私お腹が空いたわ」

「僕は直人って呼んでいいよ真夏。ごめんね、変な名前を教えちゃって」

「そう。なら直人。改めて行くわよ、今日は豪勢なディナーを用意してるんだから」

「直人、真夏とどういう関係なのよ? 随分と親しいじゃない?」


 少し目付きが怖い美穂に真夏との関係を話す。


「あの時の直人君はカッコよかったなぁ。一瞬で男を気絶させちゃうんだから」

「また真夏のせいじゃん!! いい加減に大人になったら?」

「うるさいわね!! こう見えても立派なレディーよ!?」

「身長低いのに?」

「うぐっ!?」

「ペッタンなのに?」

「うぐぐっ!?」

「どう見えても○○生にしかみえないのに?」

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「まぁまぁ二人ともよしなよ。ダメだよ喧嘩は」

「直人が言うなら……」

「けど……美穂と真夏って随分と仲がいいね?」

「まぁ腐れ縁ってヤツよ。ガキの頃からね」


 ん? 真夏っていくつなんだ?

 腐れ縁と言うことはほぼ同年代って言う解釈でいいんでよな?

 ○○生とは真夏に失礼だが、どう見ても歳が離れている様にしか見えないのだが。


「お嬢様は美穂さんと同い年ですよ直人君。引っ越してきて以来から」

「こんなの友達じゃないわ!!」

「あたしだってこんなのと友達なんてお断りよ!!」

「こら美穂、真夏ちゃんにそんな事言わない。謝りなさい」

「……」

「真夏ちゃんもよ? 二人とも仲がいいんだから喧嘩しない」

「……」

「ごめんなさいは?」

「「ごめんなさい」」


 結子さんには二人とも逆らえないんだな。


「さぁさ、ご飯にしましょ。今準備をするから」

「結子、私達は……」

「いいから、皆で食べましょ?」

「あ、うん……」

「では、わたしは今晩のディナーはいらないと伝えておきます」

「佐田君も食べてってー? まだ宿泊客いないから暇なのー」

「いいんですかー? ではお言葉に甘えて」

「あぁそれから美穂、直人さんを部屋に連れてってあげて。二階一番端のあそこ」

「はーい。いこっ」


 美穂に連れられて、階段を上がる。

 客室はこの廊下から見て全部で6部屋。

 掃除もかなり行き届いている。


「ここよ」


 扉の鍵を開けて美穂が先に部屋に入り、後に続く。


「布団とかは押入れに入ってるから。ちっと狭いと思うけど我慢して」

「いいのかな、こんな簡単に泊めさせてもらって」

「いーのいーの。助けてもらったのはこっちなんだから。ゆっくりして行ってよ。いつまでここにいるとか決めてる?」

「いや、全然。だけど迷惑だろうからそんなに長くはいないと思うよ」

「ぜーんぜん迷惑じゃないよ。むしろシーズン中ずっといれば?」


 多分、それはないだろう。

 僕はあくまで通過点としてここに来たつもりだ。

 これから先、僕はどこに行くかわからないし、この先に何があるかわからない。

 まだ終着点(ゴール)を作る訳にはいかないんだ。


「さ、ご飯に行こう」


 案内された部屋を後にし、僕達は結子さんの作った食事を頂いた。

 随分と量が多かったが、久々に食べた手料理の味は格別だった。

 民宿を経営しているだけあって、結子さんは料理が上手なんだなと思う。

 まぁ、そうでもなきゃ客に食事を提供する事は出来ないか。

 それからしばらくして、皿に盛られた物を全て平らげた頃には、皆満足した様に麦茶を飲んでいた。


「お粗末さまでした」

「久々に結子の手料理を食べたわね」

「あら、昨日も食べてたじゃない」

「うぐっ!?」

「毎日ここに来てもいいのよー?」

「ふんっ。庶民の食べ物なんて私には合わないわ。今日はたまたま直人がいたから、ここにいたまでよ」

「じゃあ昨日は何でいたのさ?」

「それは!? えぇっと、佐田が立ち寄っていくって言うからよ!!」

「はい。わたしは結子さんの手料理が大好きですからね」

「結子さん、ごちそうさまでした。おいしかったです」

「お口に合いましたかしら?」

「はい。久々にしっかりとした食事を取った気分です」

「直人さんは、どちらからいらしたんですか?」


 まぁ妥当な質問だろうな。

 ある程度は個人情報も話さないといけないだろう。お世話になる身としては。


「都会からなんだってー。旅してるみたいよ、夏休みを使って」

「そうなんですか。学生なのかしら?」

「えぇ、大学生です」

「随分としっかりしてるんですね。ご両親にはしばらく家を空ける事、話してある?」

「……。はい、もちろんです」


 ここばっかりは嘘だ。

 当然、僕は親にそんな事を話していない。

 きっと、今頃は警察にでも相談してるんじゃないのか?

 連絡手段が携帯電話に依存する現代、一日以上も連絡が取れなければ普通の親だったら心配するはずだ。


「さて、我々はそろそろ御暇(おいとま)しましょう。お嬢様、行きましょう」

「私もここに泊まっていくわ」

「はぁ!? 何言ってんの真夏!?」

「だって、美穂といると直人の身に何かあるかもしれないじゃない。だから私もここに泊まって様子を見ないと」

「邪魔よ!! アンタはさっさと家に帰って寝ろ!!」

「お嬢様、今日のところは諦めましょう。直人君だってお疲れでしょうし、結子さん達にも迷惑がかかります」

「別に結子は構わないわよ。泊まっていっても別に苦労ないしー」


 おっとりとした口調で真夏を受け入れる結子さん。

 優しい人なんだな。


「と言う事で佐田、私はここにいるわ」

「いけません」

「なんでよ?!」

「お嬢様、いくら何でも度が過ぎます。今日の所はわたしと一緒に屋敷に戻りましょう。(あるじ)のいない時間が多すぎます。使用人の事も考えてください」

「真夏ちゃん、結子は全然構わないけど佐田君がそう言うなら言う事を聞いた方がいいわ。真夏ちゃんだって、もう大人なんだから。その代わり、また明日遊びに来て。待ってるから」

「うぅぅぅぅ!! わかったわよ!! 行けばいいんでしょ行けば!!」


 勢い欲く席を立ち、ドスドスと足音をたてながら外に続く玄関へと向かって行く。

 それを見て佐田さんがゆっくりと席を立ち、真夏の後に続いてく。


「いい美穂!! 直人に手を出したら承知しないわよ!!」

「しないわよ!!」

「ふん。結子、また来るわ」

「気を付けてねー。おやすみなさいー」

「それでは失礼します。ごちそうさまでした。では」


 真夏と佐田さんが宿から出て行った後、妙な静けさだけが残る。

 会話のほとんどが真夏によって生まれていたからだ。


「真夏ちゃんは直人君にゾッコンなのね」

「えぇ!?」

「若いっていいわねー♪」


 結子さんも随分と若いです。本当に。


「色々とさ、直人の事聞かせてよ」

「え?」

「何で旅に出ようと思ったの?」

「えっと……」

「美穂」

「なにお母さん?」

「今日はもう休ませてあげなさい。直人さんだって疲れてるでしょうし、仲が良いなら明日話せばいいでしょ?」

「んーまぁね」

「ねぇ直人さん。明日もゆっくりして行ってください」

「え、あ、はい」

「それとも、すぐに出て行くんですか?」

「いえ、別にそういう訳では」


 まぁ、別にいいか。

 二泊ぐらいなら、お世話になっても。その分の料金もしっかりと払えばいいのだから。

 そしたら、ここを出て、更に先を進もう。

 たまには休息も必要だからな。

 僕は挨拶をして、その場から後にする。

 階段を上り、一番奥の客室へと入る。

 扉の鍵を閉め、部屋の電気を付けた時、不意に寒気が襲ってきた。


「……?」


 寒い。

 すごく寒い。夏なのに。

 部屋の窓は閉まっていて、空気が篭っていて暑いはずなのに。

 体が震えている。

 全身から物凄い量の汗をかいている。

 冷や汗、と言うべきなのだろう。


 ―――そうか。


 始めはわからなかったこの寒気も、すぐに理解できた。

 僕は、怖かったのだ。

 久々に、大勢の人たちと会話をしていたのが。

 人前ではそれを隠そうとして、隠し通した結果がこれなのだ。

 僕は、人とのコミュニケーションを極力回避しようとしている。

 回避できない時は、別の自分を作り出す。

 そうやって、今まで生きてきた。

 一瞬での関係なら別に構わないが、最近は特に人と関わっている時間が長かった。

 あの時、バイク集団のおじさん達と別れてからもそうだった。真夏達と初めて別れた時もそうだった。

 今日も含めて、全部震えていたんだ。

 気付かなかった……。

 人と仲良くしようとすればするほど、僕は恐怖に脅える。

 また明日も、僕は人前で自分を偽らないといけない。


「あは、あはははは……」


 笑っていた。

 笑うしかなかった。

 それが、罪滅ぼしになると信じて。

 ……。



「高木直人、か」


 わたしは、お嬢様を別荘―――いや、お屋敷に連れ戻してから与えられた部屋でパソコンを弄っていた。

 画面に映るのは、高木直人の個人データ一式だ。

 彼は本当に興味深い人間だ。

 とてもじゃないが、一般人とは思えない。

 あの時、男二人に絡まれていたお嬢様を一瞬で助け出してしまう実力を持ち合わせているのだから。

 マウスホイールを転がし、ページを下に送る。

 今の時代は情報社会だ。何でも調べ上げる事が出来る。

 それと同時にプライバシー社会でもある。と言うことは何でもかんでも個人情報をデータ化し他人に晒せないようになっている。

 そこを突くのさ。

 本来、こう言った個人情報は他人が観覧する事は出来ない。

 出来るとすれば犯罪に関わった人物の担当をする警察関係者ぐらい。

 ではなぜ、わたしは個人情報を観覧出来るのか。

 国民の個人データが全て保存されているサーバーに不正アクセスしているからだ。


「なるほど。あの時の言っていた事はあながち嘘ではないみたいだな」


 道場系は色々とやってた経歴があると本人が言っていたが、これは面白い。

 所持資格一覧項目に剣道、柔道、空手、合気道があり、全て初段持ち。その他には、水泳一級、普通自動車免許に普通自動二輪免許。

 全てを短期間で取得したようだ。

 表現が良くて好奇心旺盛。悪くすると飽き性。

 更にページを下に送る。

 犯罪履歴の項目だ。


「たくさんあるなぁ……」


 なんとなく何かあると思っていたが、まさかここまでとは。

 酒、タバコでの補導はまぁ普通として見送ろう。

 だがここが妙に気になる。


「正当防衛による殺人未遂、か」


 随分と面白い内容じゃないか。

 彼も結構波乱な人生を送っているようだ。


「えーと、何々?」


 事件の詳細を追っていく。

 簡単に説明するとなると、要はケンカが原因。


「ふぅん。こう言う子は嫌いじゃない」


 ウィンドウを全て閉じ、パソコンの電源を切る。

 今日はこれぐらいにしておこう。

 窓から外を見る。


「あそこに彼が寝ているのか。襲ってみるか?」


 冗談。

 結子さんに迷惑が掛かるし、彼女、怒ると怖いからなぁ。

 今日も良い天気だ、満月が真っ暗な島を照らしている。

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