伝えきれない"ありがとう"を君に
―君に伝えたいことがある
いつもにこやかな君が、今日に限って泣きそうな顔をしている。
原因は俺。
君との約束をすっぽかしたから。
「ごめん…」
謝って済むことじゃないことは分かってる。
いつもなら許してくれる君も、今日ばかりはそう簡単に許せないだろう。
何しろ、俺がすっぽかしたのは俺達の結婚記念日なんだから。
「仕事が忙しいのは分かってるの…」
懸命に涙を堪える君。
俺が悪いのに、詰ることはしないで我慢しようと、納得しようとしてる優しい俺の奥さん。
「…寂しいんだもん」
ついに零れた涙が君の頬を濡らした。
そうだよね。君は我慢していてくれたんだ。
忙しい、と仕事ばかりの俺にいつも"大丈夫"だと笑って。
けど、本当は大丈夫なんかじゃないんだよね。
「ごめん…いつもありがとうな」
震えて嗚咽を堪える君を抱き締めて。
俺は言い尽くせない"ありがとう"を繰り返した。
【End】
ありがとうの言葉、第2弾的な…
女の子って記念日とかに敏感ですよね。
まぁ作者は記念日とか忘れちゃうタイプ…女の子失格ですね。
ちょっと切ない感じの話ですが、この二人はラブラブなので大丈夫ですよ☆
…たぶん