7.1 びしょ濡れ
翌日朝。
小月さんと相談して、俺が朝起きる時間は決めてあった。昨日はきちんと目覚ましをセットして、約束通り6時に起きる俺。
さすがに3日目ともなると目新しさもない。朝起きると小月さんが勃ってる。そんな、どこにでもある平凡な日常。……そこまではいいんだけど。
「おはよう、池辻くん。ごめん、なんか拭くものあるかな」
「小月さん!? なんでびしょ濡れ!?」
小月さんはやっぱり来てくれていた。でも今日の小月さんは制服のままプールに飛び込んだかのようにびしょびしょだった。
手の届く範囲でなにかないか探して、タオルを小月さんに渡す。
悲しそうな顔のまま身体を拭く小月さん。朝一番だというのにおだんご髪は面影すらない。綺麗にセットした後だったら切なすぎる。今日は始めからストレートだったと思いたい。
「ごめん、びしゃびしゃにしちゃった」
小月さんが着たままのシャツの裾をぎゅっとひっぱって、絞る。
「いいよ。でもなんでそんな」
「池辻くんとおしゃべりしながらくつろぐつもりでさ」
「うん」
「麦茶用意しといたんだよね。そしたらこっち来るときこぼれちゃったみたいで」
「そっか……」
昨日も思ったけど小月さん、どんどん順応してるな。ちっちゃくなったあとのお茶の用意までしてたんだ。
でもってこう、びしょびしょのシャツをおへそ出しながら絞ってる姿はあまりに扇情的なんですが。もう身体のラインが思いっきり出ちゃってるんですが。
「撮っていい?」
思わずつぶやいてしまう。いかん、俺まで日向さんに毒されている。
「……撮るのはだめだよ」
「見るのは?」
「池辻くんこういうの好き?」
「……小月さんが嫌なら大丈夫、見ないから」
小月さんも対応に困ったのかしばらく無言になったあと、こちらをちらっと目だけで見てつぶやく。
「……だめ」
やっぱり小月さん可愛すぎる。だからだめ、って言われた後も見ちゃうのは俺のせいじゃない。小月さんが悪い。いや、悪くないんだけど。
色々考えると、多分時間がたてば自然と戻るんじゃないかって二人で話してたんだ。予想通り、程なく小月さんが帰って、『千穂ちゃん』が戻ってくる。
小月さんとは駅でまたすぐ会える。支度を済ませよう。
……ベッドびしゃびしゃだな。まあそのうち乾くか。




