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第5章強行突破

久々の復活です。

一応今のところ就職活動が安定して進んでいるので・・・。

これからどうなるかはわかりませんが。

12月28日午前6時アドルリア共和国ブリトーレ砂漠第2オアシス基地

「警報!警報!反政府軍機2機が当基地に接近中。至急要撃せよ!」

基地のスピーカーががなりたてる中、待機中だったノースロップ・グラマンF-5Eタイガー2が一斉に飛び立った。だが、彼らは目的を達成できなかった。

「隊長、あの高さまでは上がれません!」

「くそ、性能が違いすぎる、こいつでは無理だ!」

彼らが必死に追いすがる中、高高度を2機のMig23は逃げて行った。


同日午前8時アドルリア共和国北部主要都市アブロン郊外エビアン空軍基地

12月ともなるとアドルリア北方は雪に覆われる。ここエビアン空軍基地も除雪作業中であった。

基地には広大なバックヤードがあり、各国から購入した中古機が並べられ、再生作業を待っていた。

だがしかし、中にはパーツの供給問題だけではなく、元から機械的トラブルを抱えている機体もあり、なかなか再生作業が進まなかった。


アルダー・シュテッツ大尉が自機のチェックを行っていると突然基地中に警報が鳴り響いた。整備員がこちらに向かって走ってくると、彼に驚くべきことを告げた。

「大尉、敵機がきます!反政府軍の機です!」

「なんだと!?なぜこんな辺境に・・・空軍は何をやってるんだ?」

「新型だそうですよ?Mig23らしいです。基地司令は機体を失うのを恐れ、全機空中に退避せよ、とのことです。」

「敵機はどうする?」

「今のところ迎撃には成功してません。F-4ファントムは運用が始まったばかりで数がいませんし、F-5では高度を上げる前に戦闘空域から離脱されてしまってます。」

「なら俺が上がる、武装は付いたままだ。」

「危険です!命令に従ってください!」

「どうせ空中に上がるんだ、実戦データもとれるぞ?」

その言葉に整備員は食い下がった。

「機体は必ず持ち帰ってくださいよ!」

「わかってる!出撃するぞ!」

そう言うと、アルダーは誘導路から一気に離陸して行った。


空中は空襲から退避する機体で混雑していた。アルダーは出来るだけ迎撃機をそろえようと、空域にいたBacライトニングに協力を要請したが、パイロットは実弾を携行していないという理由で退避する方向に行ってしまった。海上には大型機が退避しておりトランスポンダーによるとC-141スターリフターやP-2ネプチューンが飛行していた。


同日午前8時30分

アルダーは焦っていた。

敵機が南から進入すると情報があったため、かなり南に機を展開させてしまったのだ。が、実際には敵機は北西から東に抜けようとしていた。幸いにもアルダーの乗っている機体は、空軍で標準的なF-5ではなく、サーブJ35Fドラケンであった。そのため、今エンジンを全開にして追撃を行っていた。

相手が経済巡航速度より少し早い速度で飛んでいるため、海に出るころには追いつけるはずだった。しかし、追いつく寸前に思いもかけない事態が発生した。レーダー上で敵機がスターリフターを示す光点に急激接近したのだ。無線機から輸送機のパイロットの悲鳴が漏れる。

「敵機がこっちに!うわ!」

そしてレーダーから双方の光点が消滅してしまった。アルダーは舌打ちすると無線機を基地管制につなげた。

「エビアン管制、敵機はうちの輸送機にぶち当たった模様。これより遭難捜索に任務を変更して海上を捜索する。」

「こちらエビアン管制、アルダー・シュテッツ大尉直ちに帰投せよ。基地司令がお怒りだ。捜索は基地のヘリ部隊が行う。」

「・・・・了解した。」

仕方がなく、アルダーは機体を反転させると空中退避から帰ってくるグループへと機首を向けた。


同日8時50分

キタラ空軍空中給油機は機体下にMig23を隠したままゆっくりと機首を上げ始めた。そう、アルダーがトランスポンダーでC-141スターリフターだと思っていたのは実は偽装したキタラ空軍のイリューシンIL-78マイダス空中給油機だったのだ。シマードがつぶやいた。

「まさか、敵輸送機から呼びかけがあるとは思わなかった。」

「びっくりだろう?俺たちはいつ見つかるんじゃないかとヒヤヒヤしてたがな、途中のレーダーサイトの連中は飛行プランに載ってなくても、口八丁でだまされた上に、確認もしようとしない。実際のところ、これは成功する作戦なのさ。」

空中給油機のオペレーターが応じる。

この空中給油機について燃料補給を受けながらキタラ本土まで飛ぶというのが今回の作戦だった。アルファドルから渡された紙に書かれていた内容に絶句した二人だったが、この状況を見ると、実は成功率が高かったのではと思うようになっていた。



12月29日午前8時クラスノグラード空軍基地

「亡命機?」

「そうです。」

「それがうちの基地に来て・・・?」

「ええ、滑走路をオーバーランして・・・」

「A滑走路が閉鎖中、並行して走るB滑走路も現在清掃中?」

「そうです。」

「なんてこった。」

「お気づきにならなかったので?サイレン音とかけっこうしてましたが・・・。」

「いちいちジェットの轟音やサイレンでは起きてられん!スクランブルのサイレンはわかるがね。」

ライザは朝食を食堂で取りながら頭を抱えた。うちの隊長は結構図太い神経をしているらしい。

「それで、その亡命機はどこの機体だったんって?」

「アドルリア共和国西方のブリトーレ砂漠を根拠地にしてるアドルリアの反政府組織”アッラーの栄光”です。」

「アドルリア西部から?とんでもなく遠いじゃないか。一体何を考えてるんだ・・・。」

「Mig23で36時間、途中空中給油を3回。まったくたいしたもんです。」

「で、力尽きてうちの滑走路を壊したと・・・・新手のテロなんじゃないのか?」

「どうもキタラと共同戦線張るために来たみたいですが・・・。」

その時食堂の入口に戸田の副官の浜田中尉が姿を見せた。

「大尉!司令がお呼びです!至急司令官室へ!」

戸田は飲みかけのコーヒーを飲み干すと、残ったコンビーフのサンドイッチを口に押し込むと、トレーをライザの方に押しやった。

「ももむーめめ!」

ライザはため息をついた。

「”片づけとけ”ですか、わかりました。」

戸田は意味が伝わったことが分かると、食堂を飛び出していった。

次回更新未定です。

出来るだけ早くはしたいと思います。

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