第3話 国王様はいい迷惑
ノヴァ様とエルザ様との挨拶が終わるとクリームの髪に翡翠の目の可愛い子が話しかけてきた。なんか言い方がナンパしてる奴っぽかったw
「え、えっと初めましてリリー=フォン=グレースです。よろしくお願いしますソフィアさん。」
「こちらこそよろしくお願いしますリリーさん。」
「ひとつ聞きたいんですけどソフィアさんが来ているドレスとても可愛くて綺麗ですわ。誰に作らせたんですか?」
あぁ!リリーちゃんそんなこと聞いちゃうんだ。聞いちゃうんだっ!言い方がウザッwww
ここでもし私が作りましたっつったら問題になるよね。どーしよっかー。よしアンジュに擦り付けちゃおう。
「このドレスは、私の侍女のアンジュに作らせました。」
別に嘘は言ってないよ?私がデザインしたけど作ったのはアンジュだから?嘘じゃないよ?
パッパラパーパッパッパッパッパラパー
突然、トランペットを使った盛大な音楽が流れる。
「国王陛下の御成りです。」
へ?いやなんでよ?公爵令嬢のための誕生日パーティーだけのために国王陛下呼んだの?マジで?
片膝をつき敬意と尊敬を表す姿勢を取りながらお父様と目で会話する。
”なんで国王陛下呼んだんですか?”
”いや呼んでないからなんで来たのかは知らない。”
国王陛下何しに来たんや!!( ゜д゜)クワッ
「皆の者、表をあげよ。」
低いのイケヴォが発せられた後、皆は頭を上げた。
思っていたより結構若かった。お父様と5歳差って聞いてたからもっと老けてるのかと思った。私の中の国王陛下って髭が長いイメージしかなかったから。ごめんなさい国王陛下ぁ!
「ガディウス=フォン=グリモワールよ。」
「はっ!」
「招待もされてないのに突然来てすまなかったな。」
「滅相もございません。しかし、国王陛下は最近お仕事が多いと逃げ出すから困っているとミロクがボヤいてましたが大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ?い、一応(私の目標の所まで)終わらせてきたからな。」
お父様がなんか色々言葉が省略されてると思い疑いの目で軽く睨む。
「後で怒られても知りませんよ。」
察しのいい皆ならわかったと思うが国王陛下とお父様は仲がいい。まるで兄弟のように育ってきたからお互いに心を許している。
「それはともかく重要な提案があって来た。」
「冗談を仰って。陛下の言う良いは全く良くありませんからね。」
わざとらしくコホンと咳払い1つし、自分の言う良いことを話し始める。
「ノヴァ、ソフィア嬢ここに来なさい。」
ふぇ?私?何故にぃ?なんか面倒くさいことに巻き込まれそう。
「あくまで提案だから断ってくれても構わない。うちのノヴァとお前の所のソフィア嬢、婚約しないか?」
ほら言ったぁ、婚約だなんてめんどくさい物極まりない。そのうちさノヴァ様もイクメソになってさファンクラブとかいうものが出来てさその会員の人に色々さされるんだよ?婚約だなんていい迷惑だよ。ほらお父様だって言わんこっちゃないみたいな顔してるよ?別に私じゃなくてもいいじゃん?なのになんで私なん?
「父上ホントに何考えてんですか?別にソフィア嬢じゃなくてもいいんじゃないんですか?まず第一さっき知り合ったばっかりで顔見知り程度ぐらいにしかなっておりません。」
ほんとだよねもんの凄い正論だよ。なんか一言物言いたい。
「国王陛下発言をお許しください。」
「ソフィア嬢か、許そう。」
「ありがとうございます。ではまず、私の家は公爵家でそれに加え上位にいます。そこに王族と婚約したとなると王国のパワーバランスが崩れかねません。婚約するなら他の所の令嬢がよろしいかと思われます。」
そうそうヒロインと婚約するんだよ。私のアンジュに匹敵するかそれ以上の可愛さを持つ子じゃないと私は認めないかんね。認めないかんねっ!!
「ソフィアと婚約しようと思ったのも私の影響でしょう?せめて学園に入る直前か直後にしては?学園に入るのは10歳ですしまだまだ時間はあります。」
恥ずかしいけどアレやるか。
「そうですよ。私はお父様とお母様とお兄様と結婚するんです!!」
「ソフィア嬢それは無理があるぞ。」
「でもこの前マリンお姉様に教えて貰ったんですけど結婚は大好きな人とやることだと聞きました。後今となってはやる人はあまりいませんが一夫多妻制だとも。私はお父様もお母様もお兄様も大好きなのでいいじゃないですか!!」
言ったあと思ったんだけど結構恥ずい。そんなこと思うならしなきゃいいって話なんだけどねwこんな事言っても引かれないというロリの特権。
「ということで私はノヴァ王子殿下とは婚約しません。」
「もし婚約するとしてどうやったらお前は俺を認める?」
え?なんかノヴァ様ノってきてるんだけど(困惑)
「そうですねぇ~。お父様とお兄様よりカッコよくなるかお母様より綺麗になるかですね。」
まぁ無理難題と分かってて言ってるんだけどねwだって無理くね?だってお父様とお兄様だぞ?勝てるわけないやん。
「それは結構な試練だな。喜べ、お前今日から俺のお気に入りにしてやる。」
「ノヴァ様それになると私は何ができるようになるのでしょうか?」
少し考える仕草をすると……
「王宮の中を自由に動けるぞ。」
「例えば?」
「国宝貯蔵室とか?」
「図書館は?」
「いいだろう。」
「では今日から私はあなたのお気に入りになりましょう。」
「なんで上から目線なんだ?」
「なんとなくです。っていうかお気に入りが面倒臭いんですよ。後でほかの令嬢に恨まれても図書館に入るためっていう理由付けが出来ますからね。あ、あと禁書庫に入れますか?」
「それはさすがに無理だな。ってかなんで知ってるんだ?」
あっこれ機密情報だった系?ま、だいじょぶか。
「マリンお姉様に教えて貰いました。」
「そのお前の言うマリンお姉様というのはマリン=フォン=グリモワールの事か?」
「ええそうですが、何か問題でも?」
「いや何でもない。」
こうして図書館に釣られた私はノヴァ様のお気に入りとなったのでした。