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霊感体質な僕と束縛気質な彼女  作者: 節トキ
【大学一年生 九月】
64/87

走れ、軟弱者!(六)


 次の障害物競争には、ハルカが参戦。


 いやぁ〜、麻袋に下半身入れてピョンピョン飛び跳ねる美少女とか、梯子の隙間をちょこちょこ走る美少女とか、網に捕われたように藻掻く美少女とか、惜しげもなく綺麗な足を開いて飛び箱を飛び越える美少女とかって最高っすね!


 結城ゆうきリョウ、変な性癖に目覚めちゃいそうであります!!


 ハルカは見事一位だったけれど、残念ながらこの競技も徒競走と同じく、入賞人数が多かった赤組の方が高得点となった。



 でも、勝負はまだまだこれから。



 続く大縄跳びも、ハルカにお任せした。だって僕じゃ、一回も跳べないまま終わるに違いないから。


 これがもう、壮観だった。


 ジャージの上着を脱いでたから、Tシャツごとファビュラスオパーイがプルーンプルーンって上下に揺れるのがよくわかるの!

 彼女が着てるレイさん作の『WE♡RYO』Tシャツが妬まし羨ましいくらいプルーンプルーンなの!


 何ならこの競技が永遠に続けと願うほどにプルーンプルーンなの!


 だが、彼女の艶姿に見惚れてたのは僕だけじゃなかった。鶴野つるのさんに加え、副団長の林田はやしださんまでエールを送るのも忘れて、涎垂らしそうな勢いでハルカのプルーンに熱視線を送っている。


 んもー! あのオパーイは僕のなのにーー!!


 オパプルーン……じゃなくて大縄跳びは、ハルカが善戦した甲斐あって白組の勝利。


 頑張った彼女に不器用ながらも労いの言葉をかけ、僕は激動のプルーンで魅せてくれたオパーイにも感謝の気持ちを込めて、サンクスウィンクを送らせていただいた。



 近隣の小中学校のブラスバンド部による合同マーチングの後は、昼食休憩。


 思ったより時間が経つのを早く感じたのは、楽しかったからかもしれない。



 トイレで会ったあの子には、まだお礼を言えていない。赤組にそれらしきヤンチャっぽい感じの三人組の男の子グループがいたんだけど、声をかけにくくて。僕が極度の人見知りで、相手が小学生でも気後れしてしまうというのもある。



 しかし、それ以上に。



「サンドイッチぃぃぃ? ハッ、運動会にはおにぎりが鉄板だろうが」


「これだから頭の固いジジイは。少しはハイカラなオラを見習ったらどうじゃ、ん?」


「ワシの方がナウくてイマいに決まっとる。おやつは施設の方に差し入れでいただいたマカロンだぞ? 時代遅れのお前は、食うたことも見たこともないだろう?」


「作り物の菓子で偉そうにするでない! おやつは天然素材で勝負じゃろうが。オラのおやつは自宅の庭の栗を使った甘栗、スウィートマロンじゃ!」



 こんな感じで、鶴野さんと亀山かめやまさんはランチタイムまでいがみ合っている。


 おかげで不本意にも『白組期待のホープ』にされてしまった僕は二人に厳しく牽制され、赤組陣営に近付くどころか赤組メンバーと話すこともままならなかったのだ。


 トイレと手洗いを済ませて剛真さん達の元に向かう途中、ぎゃあぎゃあ口喧嘩しながらも一つのレジャーシートで隣り合っている二人を見て、一緒にいたハルカがふふっと小さく笑いを零した。



「喧嘩するほど仲が良いってことかな? 何だかんだ一緒にご飯食べてるってことは、顔も見たくないほど嫌いってわけじゃなさそうだよね」



 確かに。嫌いな人と食事するくらいなら、一人の方がマシだもんね。



「リョウくーん、ハルカちゃーん、こっちこっち!」


「二人共、お疲れ様! お昼ご飯、準備できてるわよー!」



 お揃いの『WE♡RYO』Tシャツを着て、ぶんぶんと手を振るのは、筋骨隆々たる毘沙門天びしゃもんてん様と仙姿玉質せんしぎょくしつなる弁財天べんざいてん様。もとい、剛真ごうしんさんとレイさんだ。


 てっきりレジャーシートにお弁当を広げて食べるものだと思っていたけれど、彼らは折り畳み式の椅子とテーブル、日除けのパラソルに加え、充電式の扇風機まで設置していた。


 そういえば、芳埜よしの家はアウトドア派なんだっけ。



「うわぁ……!」



 テーブルに並べられた料理の数々を見て、僕は思わず歓声を放った。唐揚げ、卵焼き、タコさんウインナー、アスパラベーコン巻、ハンバーグ、ブロッコリーとカリフラワーのマヨ和え、ポテトサラダ、人参のグラッセ、きのこのミニグラタン……サンドイッチにプチおにぎりも種類豊富だ。


 お弁当の域を超えてるよ! このままバイキングできそうだよ!



「ウフフ、ボクとハルカちゃんで頑張ったんだ〜。定番のおかずこそ、腕の振るいどころだもんね。遠慮せず、たくさん食べて。デザートもあるからね。午後のためにも力付けなくちゃ!」



 剛真さんが笑顔で皿を取り分ける。


 うーん、お言葉に甘えたいのは山々だけど、これ全部平らげたら逆に動けなくなりそう……。



「ダメよ、ゴウちゃん。腹八分目にしとかないと、後でお腹が痛くなっちゃうわ。ぽんぽんペインに悩ましく身悶えるリョウくん……いいな、いいぞ、いい! やっぱりたくさん食べて! 食べるのよ! 食べなさい!!」



 箸を配っていたレイさんの目が怪しく輝く。


 いや、それはダメですって! ウ○コ我慢してる僕に萌え要素を見出さないでください!



「もーママってば! 萌えのためとはいえ、リョウくん苦しめるようなことしちゃダメでしょ! リョウくん、大丈夫。あたしがあーんして食べる量を調整してあげるから。リョウくんは何も心配しなくていいからね」



 料理を皿に盛りながら、ハルカが笑う。



 え……ご、ご両親の前であーんやっちゃうの!? それは流石に引かれるんじゃ……。



「あーん、見せてくれるの!? やったー! じゃあボク、撮影しちゃうーー!!」


「私もスケッチしちゃうー! オラァ、ペンを取れー! スケブを持てーー!!」


「もう、二人してお行儀悪いよ〜。でもたまには羽目を外すのもいいかもねっ! 」



 そして三人は顔を見合わせて笑い合い、右手の拳を突き上げると声を揃えて叫んだ。



「イエス! 本日は無礼講!」



 …………どうやら娘が彼氏とイチャつくのは、ご両親も大歓迎のようです。うん、知ってた。


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