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初めての目覚め


(!……なるほど。こういう機能か)

 ハルキは昨日設定した目覚ましの時間になると、突然目が覚めた。


 (頭の中で音が鳴るもんだと持っていたが強制的に目が覚めるのか、あんまりいい目覚めとは言えないな)


 ハルキは少々不快に思いつつも身支度を済ませると部屋を出て昨夜食事した食堂まで降りて行った。

 降りるとハルキ以外の全員が揃っていた。  

 「おはよう。なんだみんな起きるのが早いな」

 「おはよー。目覚まし機能のせいだよ。まどろむ時間もなく起こされるのは人生初めてだ」

 「いいことじゃねえか。合宿でもなかなか起きないお前にはいい機能だろ」

 少し不機嫌そうなヒロを見てクスクスとハルキは笑う。


 そんなハルキを見てヒロは大きくため息をつく。

 「はあ。まあご飯でも食べながら今後の予定を立てようか」

 「すいません、その前に少しお時間良いでしょうか」

 ヒロの話をフユミが遮る。


 その表情は固く、これから何か重要なことを言うのだなとハルキに思わせた。

 「どうしたの?」

 ヒロが何かに気づいたように笑顔で優しく問いかけると、フユミは深呼吸して話し始めた。


 「ユミエさん、ナツトと一緒にいてくれてありがとうございました」

 「いいのよ私も楽しかったしね」


 そういうとユミエはにこりと笑った。

 フユミは頷くと今度はハルキ達の方に向き直す。

 「ヒロさん、ハルキさん、お二人が探してくれたおかげで私たちは再会できました。本当に感謝しています。」


 「そんな気にしないでよ。困ったときはお互い様さ」

 ヒロがそういうとハルキも同調して頷いた。

 「本当に皆さんありがとうございました。それと昨日の夜ナツトと今後について話し合いました」

ハルキは最初に自分の部屋に行ったので今まで知らなかったのだが、二人は昨日の夜ヒロからの勧めで二人部屋にしていたのだった。


神妙な顔をしてフユミはヒロに話し始める。

 「お二人にお願いがあります」

 「なんだい?」

 「私たち二人をお仲間に入れてはもらえないでしょうか!? お荷物にならないように精一杯頑張りますので!」

 「お願いします!」

 そういうと二人は頭を下げた。

 ハルキは昨日会ったばかりの付き合いではあるがフユミが大声を出すなんて思ってもいなかったので驚いた。

 

 ヒロは二人の話を聞くとハルキの方へと目配せをする。

 (どうする?) 

 (どうせ最初からそのつもりだったろうが)

 (あれ、ばれてら)

 二人がアイコンタクトを終えるとヒロはフユミ達に話しかける。


 「もとから二人が仲間になりたいって言ったら断るつもりなんてなったさ」

 (やっぱりな……)

 ヒロの隣でハルキはため息をつく。


 ヒロの言葉を聞くとナツトは花が咲いたように笑った。

 「それじゃあ!」

 「これからよろしくフユミちゃん、ナツト君」

 「よろしくな」

 『はいっ!』

 二人が声を揃えて返事をするとナツトはユミエの方を向いた。


 「お姉さんは一緒じゃないの?」

 「私は……」

 ナツトに言われユミエは思わず言葉に詰まる。

 そしてなぜかハルキの方へと目線が移る。


 (この男とナツトくんを一緒に……。ダメだわ、何かしないか私が監視しないと……)

 ハルキを一瞥すると顔を下にして小声でぼそぼそとつぶやいている。

 

 「聞こえてるんだよクソショタコン女」

 ハルキにユミエの話は丸聞こえだったようで眉間にしわを寄せ、笑いながら怒っている。

 「ヒロさん、少しの間ご一緒してよろしいですか?」

 ユミエはハルキの言葉などどこ吹く風といったようにヒロに話しかけた。

 「い、いいんじゃない……かな?」

 「それじゃあよろしくお願いします。ナツト君私も一緒にいるわ」

 「やったー!」

 ヒロは少し戸惑っているようであったが、ユミエが入ることのデメリットも特に思い浮かばず、了承した。

 (……まあナツトも喜んでいるしいいか)

 ユミエが一緒に行動することに反論しようとしたが、そうすることさえ面倒臭くなりやめた。

 「それじゃあ色々決まったところでこれからのことを話そうか。この中で何かしたいことがある人いる? 僕は街の中で情報収集しようと思っているんだけど」


 「それなら私はヒロさんについていきます」

 「やりたいことあるならいっていいんだよ?」

 「これが私のしたいことなんです」

 「? まあそういうことなら一緒に街を回ろうか」

 フユミは物静かな彼女らしく静かにほほ笑んだ。


 (割とぐいぐいいく子なんだな)

 思いがけないフユミの積極性に感動しつつ、親友の鈍感さに対して呆れる。

 「私はしたいことがあるから別行動するわ」


 「わかりました」

 「俺はもう少し街の外を探索する、ゴブリン以外にも敵が出るか確認したい」

 「わかったけど無理しないでね」


 「ナツトはどうするの?」

 「うーん、俺もヒロさんについていこうかな」

 「! それはちょっと……」

 フユミは慌ててそれとなく反論しようとしたが。

 「そうだね。じゃあ三人で回ろうか」

 「えっ!」


 (憐れなりフユミちゃん。デートも弟同伴じゃあな)

 ハルキはフユミちゃんに合掌した。

 

 その後、朝ごはんを食べたハルキ達は各々のしたいことをなすべく宿を出た。






貴重な時間を使って読んでいくださっている読者様の期待を裏切らないように努力していきたいと思います。感想評価ブックマークお待ちしております。

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