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紅皇神鬼  作者: Anires
第一章
2/2

異色の六つ子

亀更新になると思います。


まだまだ初心者ですが、楽しんでもらえれば嬉しいです。

早朝、太陽がまだ昇り切らない時刻、一人の少女が目を覚ます



寝台から起き上がるその姿は、中性的な顔立ちに腰までの漆黒の髪、真紅の瞳と美しく、ようやく昇り始めた朝日に照らされ幻想的な姿を醸し出している



「ん.....朝か.....」



目を擦り座る彼女の寝台は広く、その周りには五つの膨らみがあるそこには、彼女と同じ顔が眠っていた



そう、彼女等こそがあの予言の日に産まれた六つ子である



少女は他の兄弟たちを起こさぬように寝台からおり、洗顔をすべく部屋を静かに出た



洗顔を済ませた彼女が部屋に戻ると、眠っていた五人のうち二人が起きていた



「「あ、おはよう(ございます)刹那」」



彼女…刹那は自分と同じ顔の妹と弟に挨拶を返し微笑む



「おはよう、聖羅、敬。早いな」



彼女等が会話を始めて直ぐ、未だ眠っていた三人も目を覚ます




「「んぅ〜、おはよう」」



「………はよ」



「「「おはよう(ございます)誠、烙、扇華」」」




彼女達は男女の六つ子で有りながら、瓜二つの顔をしている

しかし、瞳の色だけはそれぞれ異なっていた



刹那は真紅、誠は蒼、聖羅は金、烙は漆黒、扇華は浅葱、敬は翡翠の瞳を持つ


そして、刹那が一番上で、次に誠、聖羅、烙、扇華、敬の順だ




「珍しいな、お前等がこの時間に起きるなんて」



「まだ5時ですよ?」



「今日は雨かな」



「んだよ、悪りぃかよ」



「え、まだ5時?スゴくない?

!あたし!こんな時間に起きたの、久しぶり!」



「………煩い」



彼女達は、顔は同じでもその性格は瞳同様全く異なっていた



一通り巫山戯合った6人は、朝食を取るべく居間に向かった



居間に着くと、まだ5時だというのに従家の者たちがせっせと働いていた



彼等は刹那たちに気がつくと、作業を止め、頭を下げ挨拶をする



『おはようございます。お嬢様、お坊っちゃま方』



『おはよう(ございます。)』



「珍しいですね。お三人がこの時間にお目覚めになるなんて、、、」



その中の、若い男が刹那たちの側に寄る



「何だよ桐一、お前までンな事言うのかよ」



彼は神夜家の分家である天夜家の若頭で、刹那達が生まれる前からこの家に使えている



「偉いでしょ〜?」



元々寝起きが悪い誠は、先ほどの事も有り、だいぶ不機嫌な様子



それに比べ、扇華は褒めてと桐一の元へ駆けて行く



一方、はさっさと食卓に着く

それに続き、刹那達も食卓につく



桐一は扇華の頭を撫で、席につくよう正すと、朝食の献立の説明を始めた



「さぁ、本日もしっかりお食べになって下さいね」



『いただきます』



桐一の言葉を合図に、食事を始める



「そうだ、父さん達はまだ起きてないのか?」



空いている席をみて刹那が疑問を口にする

それにも桐一が答えるかと思っていたが、扉の方から来た女性が答えた



「旦那様は既に御出社なさいました。奥様は本日は授業は午後からだそうです」



『雛』



雛と呼ばれた彼女は、桐一の妹である



「おはようございます。

それと、炙那様はお休みだそうです。真守様と飛鳥様は先程起こして参りました。芹弥様は既にお目覚めでしたので、間も無くいらっしゃるかと。英梨花様は私ではやはりお目覚めになられませんでした」



最後は苦笑気味に言い終えると、誠たちを見て僅かに驚いた顔をした



「あら、お珍しいですね。お三人がもうお目覚めだなんて、、、」



流石兄妹と言ったところか、誠達を見て、雛も桐一と同じことを言う



「お前もかよ…。ンだよ、んなに可笑しいかよ」



「偉いでしょ〜!」



それにより、ますます不機嫌になる誠

一方、扇華は桐一の時と同様褒めてと雛を見る

烙は変わらず黙々と食べている



そんな三人に呆れる刹那

ニコニコ微笑んでいる聖羅

苦笑する敬



「?」



状況をわかっていない彼女は、扇華の頭を撫でながら首を傾げる

そこで、刹那が説明する



「さっき、桐一も同じことを言ったんだよ」



「そういうことでしたか」



刹那の暗に拗ねているだけだという説明を聞き、納得したように笑う雛



他の使用人達は、そんな彼女等のやり取りを微笑ましげに見ている



彼等は桐一達とは違い、普通に雇われている者達だ



しかし桐一等同様、彼女達、いや、この家族を心から慕い、使えている事に誇りすら感じている



そこへ、刹那達に良く似た桃色の瞳の一人の少女が居間に入って来た



「おはよ〜。……ん?どうしたんだ?」


可笑しな居間の光景に、不思議そうな顔をする少女


『おはようございます、芹弥お嬢様』


「あぁ、おはよう、芹弥」


「おはよう、姉さん。何かあったのか?」


「早起きしことを皆に珍しがられて誠が拗ねてるだけだよ」



刹那の隣にある自席に着き、首を傾げる芹弥に敬が答える



それを聞き、成る程、と納得した顔をする芹弥



「あれ?そういや、父さん達は?」



ふと周りを見渡し、両親や兄達、妹がいない事に気づく



「父様はもう、お仕事に行かれたそうです」


「ママは、午後からだって。だから起こしてないみたいよ」


「炙那兄さんは休みだって」


「兄貴達はさっき起こしたらしいから、もう直ぐ来んだろ」


「英梨花はまた起きなかったらしい」


「………お前が起こせ」



芹弥の質問に姉達が一人ずつ答える

一部例外を除いて



それに反発する芹弥



「何で俺が行かなきゃ何ないんだよ。兄さんが行けばいいだろ?」


「断る」



それを一刀両断で即答する烙



「ごめんな芹弥。行って来てくれないか?此奴だと泣かせるだろうからな」



今にも喧嘩が始まりそうな所で、刹那が優しく芹弥に言う



基本、低血圧なこの兄妹は、朝は気が立ちやすい

それを抑えるのは専ら刹那の仕事だ



勿論、例に外れず刹那も低血圧だが、他に適役が居ないのだ



「わかった。姉さんがそう言うなら…」



こういった時、芹弥は刹那を心底慕っている、俗に言うシスコンな為、直ぐにいう事を聞くが、同じく、寧ろ一番のシスコンでは有るが気の強い誠だと、反発し、強制的に黙らせられる事がある



「相変わらず、刹那様のいう事には素直ですね。芹弥様は」



それを見ていた桐一が、感心した様な、呆れた様な顔で言う

それに苦笑しながら他の者達も同意する


そうとも気付かず、芹弥は言われたとおり妹を起こしに行った



食事を再開した刹那達は他愛ない会話を交わしていた



暫くして芹弥が戻り、また談笑し食事を終えた時、二人の青年が入ってきた



「おはよう」


「ふぁ〜、はよ」


『おはよう(ございます)兄さん(兄様/お兄ちゃん)達』


『おはようございます真守様。飛鳥様』



神夜家次男の真守と三男の飛鳥だ



やっとのお目覚めの兄達に揃って挨拶する



二人は一度刹那達を見回し不思議そうな顔をする



「あ〜、そう言や今日父さん早いんだっけか」


「母さんは午後からだっけ?」



普段ならばいる筈の人物が見当たらない事に一度首をかしげた二人だったが、直ぐにその理由を思い出し、納得した様に言う。



「え?兄さん達は知ってたの?」



それを聞いて姉弟達が疑問に思ったことを敬が代表して聞く。



「ああ、昨日寝る前に聞いたんだ」


「お前達はもう寝てたから起こすこともないかってことでな」


「そうだったの」


「へえー」


「なる〜」



兄たちの説明を聞いて納得したように呟く。



「つか、英梨花はまだ起きてないのか?あいつ学校あんだろ」


「そういえば居ないな。いいのか?時間」


「そうですね。もうすぐ7時半になりますよ」


『あ…』



そこで、足りない妹の存在に真守達が思ったことを口にすると、忘れていたようで、刹那達は揃って間の抜けた声を発した。



それから急いで英梨花を起こし、支度をさせ、刹那達は家を出て行った。かかった時間は15分。



「騒がしい奴らだな…」


「ま、あいつ等らしいか」


「「そうですね」」


『微笑ましい限りです』



彼女らが去った後にこんな会話が交わされていたことは知らないだろう。

ありがとうございました。

どうでしたか?


誤字、脱字、意見等あれば是非教えてください。

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