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なんだかシリアス風味になってきました…
次からはコメディになるよう頑張ります(涙)
なんだか頭が痛い。
目を開けると、さきほどと変わらない教室の床が見えた。
「いてて…」
何故か体中が筋肉痛みたいに疼いたが、なんとか起き上がるとあたしはあたりを見回した。もしかしたら寝てしまったのかも!と慌てて時計を見たが、まだそんなに時間は経っていないようだ。どうやら気を失っていただけみたいだ。
「とにかく、帰らないと」
立ち上がってランドセルを背負い教室のドアを開けると、廊下に戸を引く音が響く。
廊下に出てから、しばらくして気付いた。
なんだか妙だ。
雰囲気がおかしいというか、異常に静かすぎる。
確かに放課後になって随分たったから、ほとんどの人が下校しただろう。けれど校舎に誰も居ないってことはないだろうし、今日は部活がある日だから、その声も聞こえるはずだ。
こんな、何も聞こえないはずがない。
不安になってきて、思わず廊下の窓からグラウンドを見下ろした。
そこには誰も居なかった。
おかしい。
あたしは、いつも人で溢れている校舎に誰もいない、独りぼっちだと思うと急に怖くなった。
急いで階段を駆け降りて、昇降口に向かって走りだした。
「学校の外には、絶対誰かいるはず…!」
しばらくして下駄箱が見えると、少しほっとした。
あたしは早く靴を履き替えようと、下履きに手をかけた。
その時。
「誰?」
高い女の子の声が聞こえて、あたしはそっちへ振り返った。
そこには水色のマントのようなもので全身を覆った、マントと同じ色の髪の長い少女が立っていた。
まるでアニメの中から出てきたような女の子だった。
「ここに入ってこれるのは魔女見習いだけ。あなた、どこから入ってきたの?」
女の子は黒い目をきつく吊り上げながら少しずつあたしのほうへ歩いてくる。
「えっ、あのあたし…」
しどろもどろになりながら思わず後ずさると、女の子はマントの中から手を出した。その手には、まるで魔法少女が使うステッキが握られていた。
「しかもよく見たら双黒なのね。ちょうどいいわ。どちらにしても、試験はもう始まってるのだから」
そう言うと、彼女はステッキを振りかぶった。
「邪魔者は消すわ」