【あとがき】
今回も毎回恒例、『あとがき代わりに20の質問(http://akitaro.moo.jp/atogaki.htm)』をお借りしました。
1.この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。
⇒ふぅ……って感じですね(←雑だなオイ)
2.この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?
⇒晴菜と寺本のやりとりがわりと書きやすかったですかね。
3.この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?
⇒ゆり組園児たちの描写。子供ってあまり書き慣れていないし、私自身一人っ子なのでサンプルもなくて……結構難儀しましたね。
4.ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。
⇒初めパッと思いついたのは『梨の木が香る頃に』でした。木が香るってどうよ……と思ってボツにしましたが。
5.タイトルの由来(意味)は何ですか?
⇒まず宮沢賢治氏の『やまなし』という童話がわりと深く関わる作品なので、ちょっと関連した題名にしようと思いまして。んで『梨』。
次に梨もそうですけど、果実って熟すと結構香りがするでしょ。んで、熟す=香る。言い換えると『実=晴菜』が『香る(熟す)=成長する』。その『頃に』……何かあるよ、みたいな(笑)
それらを組み合わせて『梨の実が香る頃に』。今回は珍しくかなり考えたのですよ。……実は全部後付けだけどな(ボソッ←)
6.この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?
⇒まぁざっくり言っちゃえば、幼少期の淡い初恋が時を経て叶う話が書きたかったと、そういうわけでございます。
あと成長した主人公の前に突如想い人が参上して「どうして……」「言ったろ? 必ず迎えに来るって」みたいなシチュが個人的に萌えたので書きたかったんです←
7.この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?
⇒……ほぼ跡形もないですが、実はネットサーフィンの途中で見かけた、某作品の二次創作小説(しかもBL←)にちょっとだけ影響受けました。それに上記のシチュがあったのです。
8.これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。
⇒毎度お馴染みワード様と、あと保育園についていろいろ調べたのでグーグル先生にも大変お世話になりました。
9.ボツにしたストーリー展開を教えてください。
⇒ないですね……細かい部分は変わったところも多いですが、ほぼ流れは同じです。
10.プロット(思惑)どおりに進みましたか?
⇒上記の通りでございます。
11.これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?
⇒さっきも言いましたが、成長した主人公の前に突如想い人が参上して(以下略)というシチュ。反映されているのは言わずもがな、ラストシーンですね(笑)
12.一番こだわったところはどこですか?
⇒晴菜の心が寺本への恋愛感情ばっかりにならないように、ほどよく子供の話を入れていきました。恋愛ものではありますが、一応舞台は保育園なので。そこを無駄にはしたくないなと。
13.一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。
⇒うーん……どっちも、特に思い付きませんね。実はこんなに長くなる予定がなかったので(ぶっちゃけ短編の延長線上という感じなので)、何気キャラをうまく掘り下げられていないのです。
14.実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。
⇒上に同じ。
15.この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)。
⇒晴菜:「さよなら、お兄ちゃん」
寺本:「約束通り、あなたを迎えに来ました」
子供たち:「キスしちゃえよ先生」
長谷川さん:『いつも担当をしている私が、思わず嫉妬してしまうくらいに(笑)』(※セリフではなく手紙の内容です)
園長先生:「あなたみたいな保育士さんが、うちに来てくれると嬉しいのだけれど」
16.この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?
⇒今のところ考えていませんが、やるなら長谷川さんを主人公にしたスピンオフなどでしょうか。
17.この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。
⇒ラストかなぁとも思いましたが、やっぱりこのシーン。
最後の締めに当たる部分の、一行目にはこんなことが書いてあった。
『小さな谷川の底を映した、二枚の青い幻灯です』
「これは……」
思わず、小さく呟く。
これは、『やまなし』の初めにあたる言葉だ。これから物語が始まるということを表した、重要な文章。
確かわたしは彼への手紙に、終わりの言葉を綴ったはず。彼との思い出を、彼への恋心を、すべて終わりにするつもりでそう書いた。
それなのに返事が、始まりの文章とは……これは一体、どういうことなのだろう。彼は一体どういうつもりで、この言葉を引用してきたのだろう。
不思議に思いながらも、先の言葉を読み進めてみる。
次の文章は、こうだった。
『花が咲き、実が熟した頃に、私は必ずあなたを迎えに参ります』
……え?
思考がフリーズするわたしの目に、さらに不可解な言葉がもう一つ飛び込んでくる。
『それまで、お元気で』
寺本さんの手紙は、これで終わりだった。さらに文章を追ってみるものの、その後に書かれているのは日付と差出人――つまり寺本さん自身の名前、そして宛名としてのわたしの名前だけ。
どこかにヒントがないかともう一度すべて読み返してみるけれど、どこにもヒントになりそうなものはない。
わたしはこれを受けて、明るい方向へと勝手に解釈してしまってもいいのだろうか。期待してしまっても、いいのだろうか。
ねぇ、寺本さん――ううん、お兄ちゃん。
わたしは……あなたとの思い出を、まだ手放さなくてもいいのですか? まだ、あなたを諦めなくてもいいのですか?
何年でも何十年でも……あなたの言葉を信じて、待ち続ける権利がわたしにはあると、そうあなたは言うのですか?
心の中で幾度問いかけてみても、答えなど返ってくるはずはなく。
クラスメイトたちの視線を一身に受けながら、わたしはできるだけ動揺を外部へ漏らさないよう、静かに便箋と画用紙を元通り折りたたみ、封筒へと戻したのだった。
ちょっと長くなりましたが、こんな感じで。
18.この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?
⇒年の差はきっとまたやりますね。私、大好物なんです(笑)
保育園舞台の小説は、おそらくもう書かないかと。
19.何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)
⇒むしろ全体的に言い訳しか思いつかないです←
20.最後に一言どうぞ
⇒ちょっとした息抜き&リハビリという感じで書いた、ほんの短めの作品ですので、至らない点も多かったと思いますが……拙作に目を留め、お読みいただきまして誠にありがとうございました。
このお話はいったんここで完結としますが、今後番外編…が続くといいなぁ、と思ったり思わなかったり(←どっちだよ)してますので、もし掲載してたらそちらも引き続きお読みいただけたら嬉しく思います。