等価交換
なろうを初めて触るからテスト。
「何かを得るには、何か代価が必要だ。」
私の友人は何時もそう言っていた。彼の親友は昔、とある方法で不死に成った。それはおめでたい事だ。だが、その代価として精神状態が著しく不安定になってしまった。彼は人間として生きる事に疲れ、そのまま他の宇宙へ旅立ってしまった。その後は分からない。他の友人も、何か大きな物を得ては、何か重大なものを失っている者を今までに何人か見てきた。
つい最近、「虚無」の根源が討伐されたらしい。討伐したのは、とある男女二人組らしい。彼らは一体、「虚無」の討伐に一体どれだけの代価を支払ったのだろうか。命か、故郷か、星か、もしくはそれ以上の何かなのか。もしかしたら、その代価はこの銀河に甚大な被害をもたらすかもしれない。
その事をひとまず、私の一番信用信頼できる親友、楓花に話した。彼女は、
「今が大丈夫なら、これからも大丈夫なんじゃない?」
と、随分お気楽な様子だった。
彼女は数ある私の友人の中では頭は回る方なのだが、彼女に聞いたのは間違いだったのかもしれない。
こんな調子では、彼女のその壮大な目標は達成出来ないのではないかと思った。
『零承楽園』
それは類稀なる、選ばれし者のみが到達できる神秘の楽園。この世界の宇宙航海士の殆どは、この楽園を目指す為に宇宙を放浪している。楓花もその一人だ。
だが、その楽園に到達する方法は確立されていない。航海士の間の噂では、何か凄いことを成し遂げたら道が開かれるだとか、この宇宙の何処かに楽園へのゲートがあるだとか。一番有力視されているのは、先程述べた2つの両方ともだ。
そんな都市伝説の様な楽園だが、到達方法は未だ不明だというのに、存在は既に証明されているのだ。
それは何故かは公表されていないが、既にその楽園に到達した者が居るというのは事実らしい。
宇宙探査グループ/一番隊と、旧六番隊。彼らが現在判明してる中、唯一の零承楽園到達者である。つい最近、またもう一人、突如として失踪した航海士が居た。彼の生命反応は途絶えているが、GPSにより、位置移動が確認できている為、もしかしたら生存している可能性がある。彼についてはまた話そう。
一番隊と旧六番隊の航路データを確認してみると、二隊の消失した場所は約35光年も離れていたのだ。本部が何人か派遣し、その消失地点へ調査に行かせたが、そこには何も無かった。これにより、零承楽園への入り口は、存在しない。または移動している可能性が示唆された。
彼らの位置情報は突如として、なんの前触れの無く消滅した。機体の破壊もされていない様だし、乗員全員もまだ生存している。
他の場所に転移された訳でも無いらしい。生命反応や、体調等のデータは未だにデータベースが受信しており、時折変化が見られる。だが、位置情報だけが完全に遮断されているのだ。これは、この宇宙の表面上に存在しない空間に居る可能性が極めて高い。
勿論、これらには不可解な点が幾つもある。彼らが他の空間に居るのなら、生命反応等のデータが送信できる筈が無いし、電波の送受信が出来るなら、彼らから何かしらメッセージを送ることも、こちらから送る事もできる。実際に、本部が彼らにメッセージを送信したらしいが、既読すら付かなかった。
それは、零承楽園に到達した彼らに課せられた代価の影響。まだ断定は出来ないが、可能性はある。
話を戻そうか。そんな楽園を目指すからには、楓花にはそれなりの代価が課される。できるなら、彼女の命の為に止めておきたい。その危険を承知で彼女は楽園を目指すのか、それを彼女に聞いてみたが──。
「代価?そんなの関係ないよ!あたしは零承楽園に行ければそれで良いからさ〜。凛修も応援してくれるよね?」
と答えた。
彼女がそれを望むなら。と、私は楽園を目指す事をもう止められなかった。
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結局の所、彼女が零承楽園に到達する事は無かった。彼女は其処に行く前に、第四銀河フゥドラの辺境にて、命を落とした。
とある特殊天体『イクスロン』という伝説上の、幻の天体を発見し、歴史的発見をした代価としてだ。あまりにも不釣り合いだと思った。たった一つの星如きで、彼女の命が支払われるだなんて。だが、そう思っているのは私だけだろう。
彼女の訃報を聞き、やはりなんとしてでも止めておくべきだったと、私は後悔と罪悪感に襲われた。
もし、時が巻き戻せたら…。と何度も考えた。それは現代科学ではまだ未完成だが、可能。だが危険な行為である事に変わりなく、下手すれば時間軸に多大な影響をもたらし、崩壊する可能性がある。それでは時を巻き戻すなんて、そう簡単には出来ない。
なら、私が完成させてみせよう。
それからというもの、私は寝る間も惜しんで、研究に没頭している…。
さぁ、私はそれを完全させた代価として、何を失うのだろうか。
To Be Continued…?
どうなんだろうか。
一応この短編はとある長編小説のとある章前日談なんだが、それを書くのは多分数年後の話である()




