第一異世界
蓮と櫻は知ってしまった……
この世界の真実を。
「これって……」
「うん……僕たちは違う世界線に移ってしまったんだ。」
蓮は恐怖を感じていたが、ふと一つの疑問が浮かんできた。
「抹消された魔術と性格の処理って……一体どういうことなんだ」
「そうね……私もよくわからないけどなんらかの魔術が影響してるんだと思うわ。」
「じゃあ、なんで僕たちはこうやって現実世界の記憶を保ってるんだ?」
「わからないわ……」
蓮と櫻は顔を顰めた。
二人が悩んでいると突然後ろのモニターが起動した。
「なんだ!!!」
「っっ!」
起動したモニターにはフードを被った黒ずくめの男がただ一人映っていた。
微かに見えるのは口元だけ。
そして男は少し微笑みながら僕らに向けて話し始めた。
「こんばんは蓮くん、櫻くん。」
「なぜ名前を!」
「まぁまぁそう焦るな、蓮くん。今からこの世界について説明してあげるんだから。」
「本当のことよね……」
櫻がモニター越しの男を睨みながら確認する。
「本当だよ。」と笑いながら返してきた男は話を続ける。
「この世界は、捨てられた可能性の世界というものだよ。」
「捨てられた可能性……?」
「捨てられた可能性というものはね、現実世界で個人が持っていた魔術や性格を強制的に連合が抹消させちゃったことを言うんだ。」
「なぜそんなことが可能なんだ!!!!」
蓮は拳を強く握り歯を食いしばりながら男に聞く。
男は笑いながら返してきた。
「ははは、いつもは冷静なのに今はなぜそんなにもカッとなってるんだ?」
「っっ!」
「図星かな。まぁここからは少し教えられないこともあるからね。」
「国家秘密的なものか……」
「そうなるね。まぁヒントをあげるよ。」
「ヒント?」
男はさらに強く笑いフードの影で見えなかった右目が見えた。
「ヒントは、禁忌の魔術だ。」
「っっ!」
その瞬間、蓮と櫻は衝撃を受けた。
それを聞いて櫻が質問する。
「なぜ禁忌の魔術が使えるのよ。」
禁忌の魔術というのは表向きには封印されていると公言されているからだ。
「さぁ、なぜだろうな。聞きたかったら直接こっちに来ないとね、櫻くん。」
「チッ。舐めやがって。」
蓮と櫻が黙っていると男がフードを外した。
男の顔は40代ほどの少々老けている肌で、鼻にはピアス、髪は赤髪のツーブロック。
「さて、お話はここまでだ。ここで待ってるからねー。」
「おい待て!ここってどこなんだよ!!!」
蓮が声を荒くして問う。
モニターが徐々に暗くなっていく中で男は一言……
「第一異世界監視庁……。」
「そんな場所……現実にはないだろ……。っちょっ!待て!」
慌てて蓮が声を上げた時にはモニターは暗くなっていた。
蓮は静かに拳を握りしめながら歯を食いしばっていた。
「なんだよ……あいつは……。」
「そうね……。でもやるしかないわ。」
「……」
蓮は黙った。
「蓮どうしたのよ?」
「だって、何が起こるかわからないんだよ!死ぬかもしれないんだよ!そんなことにむやみに行けるわけないよ……」
「蓮……」
蓮は櫻の顔を見た途端、顔を背けた。
それを見て櫻は蓮に問いかけた。
「蓮、本当にそれでいいの?」
「……」
「蓮はもう一度友達であったり先生に会いたいとは思わないの?」
櫻の質問を聞いた時、蓮は榊原海斗のことを思い出す。
榊原はこの世界では蓮の親友だ。元気で細かいことは気にしないような男だが、現実では控えめな男だ。
「(榊原もこの世界だけの……いや違う。本当なら榊原は僕と同じの中学で親友で元気なやつなんだ。この世界の謎を解明して、現実に戻ればもしかしたら……)」
「待ってろよ榊原」
蓮は小さな声で呟いた。
「今なんて?」
「あ、あー気にしなくていい。」
「そ、そう。」
「でも、やる気になったよ。ありがとう。」
「お礼は現実に戻ってから。分かったわね。」
「うん。」
蓮は自動ドアの方に向かって歩き始めながら右手の拳を握りながら後ろにいる櫻に向かって伸ばした。
「櫻行くぞ。」
櫻も右手の拳を握り前から伸びる蓮の右手と少し強めのグータッチを交わした。
「えぇ。やってろうじゃないの。」
そして僕と櫻は連合との戦いに足を踏み入れた。
そしてこの後に起こる出来事は今の僕に大きな影響を与えることとなる……
最近投稿できなくてすいません。




