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二度目の4月10日

「え……」


 僕は理解が追いついてなく、目が点になった。


百識眼(ハンドレッド・アイ)ってあのaランク魔術の?」

「あたりめぇじゃん!なに驚いてんだよ!」


 こいつなに言ってるんだか、と思ってそな笑い方をする前の机の男子。


「(百識眼(ハンドレッド・アイ)、それはaランク以上の魔術。魔術にはd→D→c→C→b→B→a→A→sというランクで強さが分かれている。その中で高校生でbランクの魔術が使えればエリートと言われてる。その中でもaランク以上の魔術が中学生の頃から使えるとはどうなってるんだ……)」


 蓮が固まっていると前の男子は質問してくる。


「お前、今日の魔術測定どうすんの?」


 前回の魔術測定で結果が出てる人は、今回の測定は選択制だ。なのでやらなくてもいい。

 だが蓮は自分に本当に魔術が使えるのかを確かめなくていいわけがない。なぜなら今まで魔術というものは夢の中の夢であったからだ。


「受けるに決まってんだろ!」

「そうだよな!」


 ここで一つ疑問が生まれる。


「そういえば、君って僕の知り合い?」

「……」


 突然キョトンとした目で蓮を見つめてくる。

 冗談だと思ったのか、笑顔になり質問に対して答えてきた。


「ひどいなー。俺だよ?お前と中学同級生の榊原海斗だよ!」

「(いや、まじで誰だ。榊原……。同じ地区の中学で聞いたことがあるようなないような……)」


 ここは話を合わせたほうがいいと思った蓮はとっさに嘘をつく。


「嘘に決まってんだろ!お前のこと忘れるかよー!」

「だろうな!俺たちは親友だもんな!」

「(あー、親友設定なんだ……)」




 ◇四時間目終了前

 僕は測定を終え、診断室という結果を個人個人に伝える教室にいた。

 測定の内容は魔術を使うものでは無いので、何で測定してるのか疑問にも思う。

 本当に魔術が目覚めているのか心配になっていると、前にいた調査員の人が結果を教えてくれた。


「いやー。君すごい才能だよ!まさか百識眼(ハンドレッド・アイ)のAランクとは。最近の高校生の式眼魔術師の中でもトップクラスだよ。」


 高校生でAランク……その事実だけに突っかかる。


「本当ですか!ありがとうございます!」


 僕は素直に喜んでるようにしていた。

 しかしこの結果は、この世界が僕がいた世界ではないということが確定するのと同じ意味を持つ。

 そのようなことを考えながら、「失礼します。」と部屋を後にした瞬間、さっきまで笑顔で驚いていた調査員の声が聞こえた。


「司令官……Aランクが出ました。即急に『税所蓮』という人物の調査をお願いします。あの人物の百識眼(ハンドレッド・アイ)には、不思議な力が宿っています。」

 

 調査員は続けて誰かに話しかけた。


「あの人物が学校を出てから尾行してください。何か、真実を知られそうな予感がするので……」

 

 その言葉を聞き、背中に寒気が走った。


「(この世界、一体どうなっているんだ……)」





 ◇測定終了後の昼休み

 僕は親友(?)の榊原海斗とご飯を食べている。

 とても高校生らしい他愛のない会話だ。会話は嫌いではないが、状況が状況なのであまり頭の中に内容が入ってこない。


「それでさ!あいつはさ、何してたと……蓮?聞いてるか?」

「あーー!ごめんごめん。聞いてるよ、続けて。」


 海斗との関係を悪化させたくないので、話をちゃんと聞こうとした時にスマホの振動が伝わった。

 櫻だ。


(ちょっと、今すぐ屋上来てくれない。)

「食事中」

 (とにかく来なさい。)

「分かったよ。」


 何か僕に伝えたいことでもあるみたいだ。

 エリートさんからの指令は断ったらめんどくさそうだと、思った僕はすぐに行動に移すことにした。


「海斗、悪い。ちょっと用事を思い出したから行ってくる!」


 席を立つと海斗から一言。


「残った弁当どうするんだよ?」

「あーー、いいよ、食ってくれ!」

「お、おーー!分かった!」


 さすが陽キャの榊原だ。快く承諾してくれた。


「(やべー急がないと殺されそう……)」


 少し恐れながら、屋上への扉を開けると、広い屋上の真ん中にポツンと一人の美少女がいた。


「なんだよ……急に呼び出して。」

「ちょっと考え事があってね……」


 悩み顔をしている櫻はいつもとは少し違った。


「(この櫻も、この世界の櫻なんだろう。)」


 僕はそう思っていたが、櫻からの一言で体に衝撃が走った。


「今日さ……本当は6月……22日だったはずだよね?」

「……」


 僕はてっきり僕だけがこの世界にきたと思っていた。

 だが本当は僕以外にもこの謎の世界に来ている人はいることが分かった。


「(つまり、この世界は幻の世界ではないのか。)」


 僕はそう結論づけた。


「櫻も、そう思うよな。」

「ええ。てっきり私だけかと思ってたけど、あんたもこの世界に入り込んでしまったのね……。あともう一つ気になることが……」

「何が気になったんだ?」

「それは……ってかそんなことよりも!」


 質問してきた。


「何か、あなたに変わったことはあった?」

「それが……僕に能力があるんだ。」

 

 櫻は「なんですって!」と驚きながら僕の話に耳を傾けた。


「能力は百識眼(ハンドレッド・アイ)で、それに、レベルはA。現実の世界でもかなり強い魔術だよ。」

「それはかなり強いわね。」


 櫻は一時的に驚愕してしまうが、本題に入ろうと口を開く。


「で、あんたはこの世界から抜け出したいと思ってるの?」


 僕の答えは決まっていた。


「うん。抜け出したいに決まってじゃんか。」


 僕は続けて理由を説明する。


「確かに、魔術が使えるのは嬉しい……だけど、本能的にこの世界を拒んでいるんだ。自分でも思う。この世界は違うって……。だからこの世界は抜け出さないといけないんだ。」


 櫻はそう答えると思っていたかのように納得した顔で僕に伝える。


「じゃあ、今からこの世界を抜け出す方法を探しに行くわよ。」

「うん!絶対にこの世界を抜け出そう!」


 僕と櫻は目をしっかり合わせて、意志を合致させた。

 そうして僕と櫻は行動を開始しようとしたが、僕はここで調査員の言葉を思い出す。


「櫻……僕たぶん今、連合の都市支部の人に目つけられてるから、今行動は少し危険かも……」


 櫻は呆れながら自信満々に返答した。


「大丈夫よ。だって私がいるじゃない。頑張れば周囲の人を一瞬で気絶させれるんだから。心配しないでいいんだから。あと、今のあなたには魔術があるんだから。」


 その言葉は長年一緒にいた櫻だからこそ信用できた。


「そうだな!よし!絶対に現実に戻ってやるぞー!」

「そうね。絶対に戻ってやりましょう!」


 僕と櫻はもう一度しっかりと目を合わせ、決意した。

 そして僕たちが行くところはもう決まっている。

 そこに真実が隠されていることも、僕たちは確信している。

 この時までは……

流れで2話も書いてしまいました。

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