【漫才】スマホ依存5
二人「はい、どうも~」
ボケ「今の時代、みんなスマホって持ってると思うんだけど、僕スマホが手放せなくってねぇ」
ツッコミ「手放せないなぁ。今じゃスマホなしの生活なんて考えらんないからね。ほら、今は買い物とかバス地下鉄とか全部スマホで済むじゃん」
ボケ「そんな次元の低い話じゃないんです。僕をそんじょそこらの一般人と一緒にしないでいただきたい、レベルが違うんです」
ツッコミ「なにがどう違うんだよ。買い物とか以外でもスマホ使ってるってこと?」
ボケ「僕くらいになると四六時中スマホ使ってますから」
ツッコミ「四六時中ってなんだよ。常に使ってるってこと? 何に使ってんだよ、じゃあ」
ボケ「自撮りですよ」
ツッコミ「自撮り!? どういうことだよ、常に使ってるって。えっ、常に自撮りしてるってこと?」
ボケ「はい」
ツッコミ「はい、じゃないんだって。説明しろっつーの」
ボケ「まず、朝起きたら自撮りしますから」
ツッコミ「なんでだよ! なんのためにそんなことしてんの? 誰が見たいの? こんなおっさんの寝起きの顔なんて」
ボケ「僕は生きてきた証として残しておきたいの、動画として全部」
ツッコミ「あぁ、そうなの。もっと別のことして残したほうがいいと思うけどね」
ボケ「だからトイレしてるときも自撮りしてるし」
ツッコミ「汚ねぇな! 誰が見たいんだよ、お前がふんばってるとこ! 音も聞きたくねぇし」
ボケ「僕は生きてきた証として全部残しておきたいんだって言ってんじゃん!」
ツッコミ「そこは残すなって! カットしろ、カット!」
ボケ「だから出したものも全部そのまま残しますよ」
ツッコミ「汚ねぇな! 流せって! そんなもん残してどうすんだよ。自分家ならいいけど、よそでは流せよ」
ボケ「蓋閉まんないですからね、うちのトイレ」
ツッコミ「そりゃそうなるよ、汚ねぇなぁ。っていうかお前のトイレシーンとかいらないんだって」
ボケ「100年後、何百年か後に僕のこと調べる学者が困るじゃん。動画残しておかないと」
ツッコミ「困るか! ていうかお前を調べる学者とかいねぇよ。もしいたとして、お前聞いたことあるか? 歴史学者が『トイレふんばってる顔がわかんねぇなぁ』なんて困ってる話」
ボケ「あるかもしれないから、全部残しておきたいの僕は」
ツッコミ「ないと思うけどなぁ」
ボケ「だから僕と付き合ってた彼女との別れ話のときも自撮りしてたからね」
ツッコミ「なんでだよ! そんな大事なときに自撮りなんかしてんじゃねぇよ!」
ボケ「なんで別れなきゃいけなかったのか、とんと分かんないんですけど」
ツッコミ「当たりめぇだろ。そんな常に自撮りしてる奴と付き合えるわけねぇだろ。トイレ行っても流さずに帰ってくんだろ? 無理だろ」
ボケ「トイレから戻ってくるときも自撮りしてるし、お会計のときも自撮りしてるし」
ツッコミ「だから無理だって! よく付き合ったなその子も、お前と」
ボケ「自撮りしながらスマホでお会計するの難しいんですよ? どうしてもスマホを上に向けることが多いから、顔をそのスマホの上に持っていかなきゃいけないですから」
ツッコミ「気持ち悪りぃな! 見たことねぇよ、スマホかざすときに顔も一緒にかざす奴。そりゃ別れるだろ」
ボケ「まぁここまで自撮りする僕ですから、もし僕が殺人現場を目撃しちゃったときも自撮りしてるだろうね」
ツッコミ「犯人写せ! なに犯人写さずに自分撮ってんだよ! そんなことしてる場合か!」
ボケ「だから生きてきた証を残しておきたいって言ってんじゃん!」
ツッコミ「証拠を残せ! なに犯人目撃しといて自分撮ってんの? おかしいだろ。警察も困るわ、そんな動画見せられても。お前の顔が写ってるだけで」
ボケ「そこは僕の表情とかで犯人が誰かとか察せるよ。こう見えてもリアクションに定評のある芸人ですから」
ツッコミ「どうやってリアクションで犯人当てろっていうんだよ、無理だろ。わかった、じゃあやってみせろ。その定評あるリアクションってのをちょっとやってみせろ。はい、犯人が被害者のお腹にナイフを刺した! はい!」
ボケ(笑顔で自撮りするジェスチャー)
ツッコミ「普通に自撮りすんな! 何殺人が起きてる横で笑顔で自撮りしてんの。定評のあるリアクションを見せろって言ってんの。はい、刺された! はい!」
ボケ「はっ! ……はあああぁぁぁ! …………」
ツッコミ「普通じゃねぇか! 何をどう察せるんだよそれから。わかるわけねぇんだっつーのリアクションなんかで。一瞬でもいいから犯人写せって」
ボケ「僕は一分一秒でも無駄にしたくないんだって! 常に自撮りしてたいの!」
ツッコミ「一瞬でいいから写せっつってんの! TPO考えろTPO」
ボケ「だからもし僕が殺人の被害者になっちゃったときも自撮りしてるから」
ツッコミ「犯人写せ! 何ナイフ腹に刺されて死にそうってときに自撮りなんかしてんの。無理だろ。じゃあほら、ちょっとやってみせてくれ。はい、刺された!」
ボケ(笑顔で自撮りするジェスチャー)
ツッコミ「だから普通に自撮りすんなって! 刺されたっつってんの!」
ボケ「ぐっ! ううううっ……ほら、見てください。今僕のお腹にナイフが刺されてしまって、これ、見えますかね? あ~ぁ、お気に入りのシャツが切れちゃって……血もついてる!」
ツッコミ「実況すんな! 何死にそうになってんのにシャツなんか気にしてんの」
ボケ「お母さんに買ってもらったシャツなんだよ」
ツッコミ「知らねぇよ! 自分の体気にしろ。っていうかそもそも殺されかけてんのに自撮りしてんのがまずおかしいんだって」
ボケ「そんなことない。だって犯人も自撮りしてますから」
ツッコミ「余計おかしいだろ! 自撮りしながら殺人すんな。いや合ってんのか。サイコパス感あって逆に合ってんのか。その場面想像するとすごいバカっぽいけどね、二人して自撮りしながら刺したり刺されたりしてんの。あっ、わかった。じゃあ自撮りすんのはいいけど、こう、後ろ向いてさ、犯人が写りこむように自撮りすりゃいいじゃん」
ボケ「えぇ~? 別にいいけど顔わかんないと思うよ?」
ツッコミ「なんでだよ」
ボケ「犯人も後ろ向いてますから」
ツッコミ「仲良しか! いいかげんにしろ」
二人「どうも、ありがとうございました~」




