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スーパーヒーロー、異世界へ行く ~正義の味方は超能力で無双する~  作者: はらくろ


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第三十九話 厩舎っていうくらいだから。





 僕は、側溝掃除の報酬をもらうときに、シファリアさんからこの国での通貨基準を教えてもらった。

 この国では、銅貨、銀貨、金貨の三種類の通貨があるそうだ。

 銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚とのこと。


 なんと、シファリアさんは道標亭を知っていた。

 何度も弟さんと一緒に、もしくはここの職員さんと一緒に食事をしたことがあるらしい。

 道標亭の宿代は、素泊まりで銅貨十枚とのこと。

 ちなみに、今回の報酬は銀貨一枚に銅貨が五枚。


 銀貨一枚は銅貨に直すと百枚、道標亭の宿代十日分だった。

 なぜここまで高額な依頼になったかというと、さもありなんな状態。

 その理由は、依頼を受けてくれる人がいないからか、少しずつ報酬が増えたそうだ。

 となると元の報酬はきっと、銀貨一枚以下。

 せいぜい銅貨五十枚くらいだったのだろう。


 銅貨と銀貨の扱いは、円じゃなくドルとセントのようだった。

 だが、銅貨一枚は一セントどころの価値ではない。

 銅貨十枚で素泊まりできるのだから、おそらく銅貨一枚は数百円の価値はあるのだろう。

 ということは、銅貨一枚あれば、軽い食事くらいはできると思われる。


 僕は明日受ける依頼はもう決めてあった。

 『塩漬け依頼』を受けて、稼ごうと思っていたから。


「それでは明日なんですが、僕、『白猪厩舎の掃除の手伝い』を受けようと思っているんですが」


「本当ですか? とても助かります」


 なんという身のこなしだろう?

 体術か何かを体得しているのだろうか?

 僕が油断していたわけではないと思う。

 だが、笑顔と同時にまた、シファリアさんに手を握られてしまった。


(――あぁきたきたきた。痒い、とにかく痒い痒い痒い)


 袖から少し上辺りの皮膚に、ぷつぷつと蕁麻疹が現れては再生によって消えていくのがわかる。

 シファリアさんに手を握られているうちはその繰り返し。

 痒いからといって、手を振りほどくわけにもいかない。

 ひとつは、正義の味方(ヒーロー)は人の好意を無下にできないということがその理由。


 それと、僕より身長の低いシファリアさんが、僕を見るこの優しげな目。

 まるで僕が小学校に通っていたときに、千鶴姉さんが褒めて頭を撫でてくれたときの目に似ていた。

 見た目は全然違うのに、瞳の色も違うのに、感じが何か似ている。

 だからそれが、僕から彼女の手を振りほどくことができないもうひとつの理由だった。


 家族以外の女性には必ずと言っていいほど症状が起きるこの『女性アレルギー』。

 こんな漫画のようなアレルギーを持っているが、僕はけっして女性が苦手というわけではない。

 ただ、この蕁麻疹が出ている状態は、再生の力ですぐに治りはするが、痒くてたまらない。

 だから、早く抜け出したいと思ってしまうのは仕方のないことだろう。


 この『女性アレルギー』の蕁麻疹が出てから、運悪くというかなんというか。

 学校で、同級生、先輩、下級生の女の子から交際して欲しいと告白を受けた。

 皆、可愛らしい、綺麗な子ばかりだったのだが、結果は『ごめんなさい』。

 千鶴姉さんのマネージャーの様なことをしていて、放課後はあまり時間がなかったのが要因のひとつではあった。

 だが、一番の理由は、説明してもわかってもらえないこのアレルギー症状。

 絶対出てしまうだろうと思っていたから、断らざるを得ないのである。


 とはいえ、痒さから解放されたいからといって、『ごめんなさい』とシファリアさんの手を振りほどけないのは辛いところだった。


 塩漬け依頼となった『白猪厩舎の掃除の手伝い』の依頼主は、国営の農場とのこと。

 国営ならば専門の職員がいるだろうから、定期的に依頼が入るのかもしれない。


 この依頼は、仕事の始まりが午前だから、今日受けるわけにはいかない。

 そういうこともあって、この後はやることがなくなってしまった。



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