表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/53

第36話 あらたな決意

 Dランク昇格試験を終え、王都から帰還した翌朝。

 一行は昇格報告のため、ギルドを訪れた。


 朝の光が差し込む中、扉を開けると、受付のカレンが顔を上げ、柔らかく微笑む。


「おかえりなさい、『キラキラ☆おひさま団』のみなさん。試験、本当にお疲れさまでした」


「……そのパーティ名、何度呼ばれても慣れる気がせんのう……」


 セイは肩をすくめ、小さくため息をつく。


「いえいえ、一度聞いたら忘れられない素敵なお名前ですっ!」


「そう言いながら、最初は“キラキラ☆”を省いておったではないか」


 セイの指摘に、カレンはわずかに視線を泳がせた。


「さて、王都支部からも連絡が入っています。姉のマリナも、『勇者様ご一行にお会いできて光栄でした』と喜んでいましたよ」


「まあええ。王都から連絡が入っとるということは、魔王四天王とやらの封印が解かれた件も、もう伝わっとるな?」


「はい。私の方では詳細までは聞いていませんが、報告は上がっています」


「となると、またギルドマスターのアルトと話す必要があるのか……?」


 少しげんなりと問いかけると、カレンは首を横に振る。


「いいえ。そのあたりはヴァイルさんからアルトさんへ直接伝わっています。ですので今回は、事情聴取のようなものはありません」


「……そうか。なら助かる」


 ほっと息をつくセイを見て、カレンは一枚の書類を取り出した。


「では、Dランクとして正式に登録を更新いたします。代表者の方、こちらにサインをお願いします」


「うむ。……ん? そういえば、Eランクのときはこんな書類、書いた覚えがないような……?」


 羽ペンを受け取りながら首をひねると、カレンがくすりと笑う。


「ふふ、Eランクまでは各ギルドの裁量で運用されていますので、こうした形式的な書類は省略されることが多いんです」


「なるほどのう。……まあ、いちいち書くのも手間じゃしな」


「ええ、正直なところ――面倒ですから」


 あっけらかんと言ってのけるカレンに、セイは思わず吹き出しそうになる。


「……カレン、意外と本音で言うんじゃのう」


 笑いながらさらさらとサインを書き終え、用紙を手渡す。


「ほれ、これでええかの?」


「はい、ありがとうございます。これでDランクへの更新は完了です」


 書類を受け取るカレンを見ながら、セイはふと首をかしげた。


「そういえば……今さらじゃが、この“ランク”はどういう基準で決まっとるんじゃ?」


「と、いいますと?」


「いやな、ダルセナが復活したときに逃げてきた試験官が『Aランクでも歯が立たん』と怯えておったが……」


「はい。その通りです。ギルドのランクは、冒険者個人またはパーティの総合的な能力――戦闘力、技能、協調性、実績などを基準に、FからSまでの七段階で評価されています」


 カレンは指を立てて説明する。


「Fから始まり、E、D、C、B、A、そして最上位がSです。一般的な討伐依頼ならCランクで十分ですが、魔王四天王クラスほどの脅威となれば、Aランクでも命がいくつあっても足りません」


「ふむ……。しかし、この村でSランクなど見たこともないぞ?」


「当然です。Sランクは極めて希少ですから。過去に数名の記録はありますが……現在、ルキア村にSランクパーティの常駐はありません」


「そうなんか。では、この村で一番はAランクということか」


「はい。現在、このルキア村で最上位なのは、Aランクパーティが二組、Bランクパーティが三組、個人のBランク冒険者が二名です。

 あっ、ドルクさんにはお会いになりましたよね?」


「ああ、あの熊みたいな大男じゃろ? たしかギルドの顔と言っておったかのう」


「ええ。見た目はああですが人当たりも良くて……そのギャップに当てられた隠れファンクラブもあるらしいですよ」


「うそじゃろ?」


「……冗談です」


 軽く笑ってから、カレンは表情を引き締める。


「とはいえ、本部や王都などの大規模支部には、現在もSランクパーティが存在します。

 本部にはSランクパーティが二組と、Sランク冒険者が一名。

 王都支部にはSランク冒険者はいませんが、Sランクパーティが一組――ヴァイルさんの所属するパーティがその一組です」


「なんと……あやつ、ただ者ではないと思っておったが、本当にすごいやつだったか」


 セイは目を見開き、感心したようにうなずく。


「Dランクのワシらとは、まだまだ大きな差があるようじゃのう」


「いえいえ、何をおっしゃいますか!」


 カレンがいつになく強い口調で続ける。


「今回のみなさんの活躍も、決して劣るものではありません。魔王四天王の一人と対峙し、無傷で帰還されたのですよ? 本当にすごいことです、セイさん」


「いや、それには……いろいろと事情があってのう」


 照れくさそうに頭をかくセイに、カレンは「それでも、です」ときっぱり言って、ふいに表情を引き締めた。


「――ダルセナが復活したということは、他の四天王も既に活動を始めていると見て間違いありません。アルトさんが、セイさんにそう伝えてほしいと」


 その言葉に、場の空気が張り詰める。


「魔王の復活も、もはや時間の問題かもしれません。セイさん。これからも、どうかお願いします」


 まっすぐな視線を受け、セイは気まずそうに肩をすくめた。


「おいおい……ワシにそんな期待されても、荷が重いぞ」


 すると、隣のミミがセイの袖をきゅっとつまむ。


「でもでも、セイなら大丈夫だよ。わたしが信じてる、いちばん頼れる勇者さまなんだから」


「ふふっ、確かにね」


 リアナが肩をすくめて笑う。


「なんだかんだ言って、やるときはちゃんとやってくれるんだもの。だから――私も信じてるわよ、セイ」


 エリシアも柔らかく言葉を添える。


「私も……信じております、セイさん。どんな困難でも、私たちならきっと乗り越えられます」


 三人に囲まれ、セイはぽりぽりと頬をかいた。


「まったく……気軽にプレッシャーをかけおって」


 そう言いながらも、表情はどこか柔らかい。


 仲間たちの顔を順に見渡し、少しだけ真面目な声になる。


「とはいえ、今のワシらではダルセナどころか、レオナードにも太刀打ちできん。

 これからはレベルアップを目指し、積極的に依頼を受けていくぞ」


 その決意に、ミミ、リアナ、エリシアの声が揃う。


「うんっ!」

「了解よ!」

「はい!」


 こうして、“キラキラ☆おひさま団(Dランク)”の新たな冒険が、また一歩、動き始めたのだった。



────────────────

▼ステータス情報


【名前】セイ

【年齢】25(肉体年齢)

【職業】テンプレ詰め込み勇者

【レベル】21

【スキル】生活知識大全/魔法知識大全/発想展開/世界法則書き換え/時間停止/運命介入/魅了体質/加齢無効/無限成長/強制ハーレム誘導/おじいちゃんの優しさ(ヒロイン全員好感度+100)/威圧/加速支援/魔法適性鑑定/精霊感応/状態異常回復


【同行者】

 ・ミミ(記憶喪失の少女/推定15歳)

 - 好感度:かなり高(セイは頼れる勇者様)

 - 能力傾向:回復系(第一段階覚醒済)/ヒーラー適性あり

 - 状態:旅人風の白いワンピースを装備。ひと晩しっかり寝て体力回復

 - 補足:ドルクさんって誰だったっけ?と、ちょっと記憶があやふや


 ・リアナ(元騎士団の見習い/19歳)

 - 好感度:高(しっかりと信頼を表明)

 - 能力傾向:攻撃系(雷・風属性)/貫通・麻痺・加速タイプ

 - 状態:結構高そうな銀の胸当てを装備。ひと晩しっかり寝て体力回復

 - 補足:ヴァイルさん、そんなにすごい人だったんだ……と今さらながら少し驚いてる


 ・エリシア(元聖女様/24歳)

 - 好感度:かなり高(しっかりと信頼を表明)

 - 能力傾向:支援・結界・祈祷(神聖属性)

 - 状態:青と白のシスターっぽい洋服を装備。ひと晩しっかり寝て体力回復

 - 補足:王都でセイとお酒を一緒にできなかったことだけが、少し心残り


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら、

ブックマークや感想で応援していただけると嬉しいです。泣いて喜びます。


もちろん「面白くなかった」などのご意見も大歓迎です!

しっかり次につなげるべく、泣きながら執筆します。


それと、本作とは少し雰囲気の違う シリアス寄りのファンタジー作品

『暁のアストラニア』( https://ncode.syosetu.com/n2326kx/ )もぜひぜひ!


気分転換に「じっくり読める作品が欲しいな」と思ったときにでも、

ふらっと覗いていただけたら、すごく嬉しいです。


皆さまの感想が、何よりのモチベーションです。

それでは、次回もぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ