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32話 どうか、あの子の前で死なないでください

某ウイルスから復活&合計PV1万突破&ブクマ30件&130ポイントありがとうございます更新です!

今回で1章は完結のつもりでしたが、次回の更新で完結となりました!

「――いつまで抱きしめるつもり? 汗臭いから早く離れてくんない?」


 初めて弱みを見せてくれたアリスに、初めて兄らしいことをしてあげられた俺。

 これで少しは見直してくれると思ったのだが……うん。これまでと何も変わんねぇや。


 でもまぁこれでよかったんだろう。下手にしおらしくなられてもこっちが困っちゃうし。

 とはいえ、あれだなぁ。泣きじゃくるアリス……可愛かったなぁ。


 変な性癖に目覚めちゃいそうだぜ。


「……っ! ちょっと、離れてって言ってるでしょ!」


「っ、痛ぁ!」


 何も身構えていないときにやられる頭突きは効く。しかも、『身体強化魔法』で威力が増している。

 ……が、もちろんそれは頭突きをした側のアリスも同じようで……。


「う、うぅ……」


 額を抑えて蹲っていた。……アホすぎる。


 しかし、これでわかったんだけど……アリス丸くなったな。あ、太ったとかじゃないからね?

 丸くなったって言うのは性格的な意味で、今までのアリスなら至近距離で魔法を撃ってきてもおかしくなかった。


 それが今では頭突き。しかも自分もダメージを食らっている。……バカにもなったな、コイツ。


「……さてと、アリスのおかげで動けるようになったし、オリビアたちのところへ戻ろう」


 俺たちは魔王幹部を退けたことで難を逃れたが、オリビアたちはまだ戦っているかもしれない。

 あれだけの数だ。流石のアイギスでも掃討は厳しいだろう。


 ……まぁ、今の俺が行っても足手まといだけど。


 でも、行かないことには何も変わらないし、これでオリビアがやられていたら本末転倒だ。

 だから、今すぐにでも駆けつけたいのだが……。


「主人様。どうやらここまでのようです」


 と、何やら言いたいことがあるみたいだ。


「ここまで? どういうことだ、ジュジュ」


「それが……あの子が体を返してくださいましと言っていまして」


「ん? いや、本当にどういうこと?」


「私と主人様がずっといたあの子はまったくの別物。……言うなれば二重人格なんです」


「マジ?」


 という俺の疑問に対して、自分を二重人格者だというジュジュは頭を縦に振って肯定した。


 ……確かにいま思ったら、大人ジュジュと幼女ジュジュは性格がまるで違うかった。

 どちらかが演技しているのではないかとも思っていたが、どうやらそれは違うみたいだな。


 それに、信頼度だって違う。


 大人ジュジュは俺のことを主人様と呼んでいる辺り、俺を所有者だと認めてくれている。

 呪印だって大人ジュジュに変貌を遂げた途端、発現したわけだしな。たまたまそうなっただけかもしれないけど。


 その反面、幼女ジュジュはまだ俺のことを……。


「もう一人のお前は、まだ先代を所有者だと思っているのか……?」


「……? 何を言っているのかわかりませんけど、あの子は主人様が所有者になる前から所有者だと認識していましたよ。……イリスさんがそう言っていたからというのもありますけど」


「母さんが?」


「はい。次の所有者になるのは主人様だと確信していました。そのときにあの子はイリスさんに色々なモノを託されて、だからこそ一歩引いているように見えていたのかもしれません」


「そうだったのか……」


 それは知らなかった。俺はてっきり、まだ所有者だと認められていないんだとばかり……。

 でも、実際は負のエネルギーを逆流させない――つまりは危険な目に遭わせないようにしていたんだろうな。あくまでも推測だけど。


 それに、さっきの言い方だと母さんは無残な殺され方をされなかったみたいだ。

 ……いや、ジュジュが残忍な殺し方をするとはハナから思っていなかったけども。


 でも、それが事実だとわかって……よかった。


「……主人様、これも覚えていてください。さっきは主人様のために一歩引いていたと言いましたけど、実際は……あの子自身のためにも主人様を遠ざけていたと思います。……もう大事な人を失って傷つきたくなんてありませんから」


「…………」


「……いいですか、主人様。私としてもあの子のすべてを受け入れてくれるのはとても嬉しく思います。ですが、そうしたいのなら――どうか、あの子の前で死なないでください」


「……わかった」


「主人様の方から土足で心の中に踏み込んできたのですから、その責任は取ってくださいね。……それでは、副人格の私は消えますね。あの子が早く変われ早く変われってうるさいですから……」


 その瞬間、大人ジュジュの姿が見る見るうちに縮んでいって――見慣れた幼女ジュジュの姿に戻った。

 ……ふむ。大人ジュジュの方が好みだけど、ジュジュと言ったらこっちだな。


 しかし、気になることが一つ。


 大人ジュジュと幼女ジュジュが別人格なのはわかったけど、体の大きさが変わる意味は……?

 ……確かに大人ジュジュの方が性格的にも大人びているような気もしないでもないけど。


 ジュジュってどっちが正しい姿なんだ?


「……まだ1時間も経っていないはずなのに、随分と久しぶりのような気がしますわね、ノロアさん」


 おおっ! これだよこれ! こうでなくっちゃ! この喋り方こそジュジュだよな……!

 でも、なんなんだろう……。この喪失感は……。


「……そうだな。……と、こんなことをしている場合じゃないな。早くオリビアたちのところへ行かないと!」


「そうですわね。……ところで、ノロアさん。随分あの子の胸を凝視していましたけど、目の保養にはなりました?」


「…………」


「どうですの? ノロアさん。目の保養にはなりましたかって聞いていますの」


 ……今まで感じたことのない圧を感じる。もしかしなくても怒ってる?

 あぁ、そうだった。ジュジュは――いや、呪いの魔道具は嫉妬深いヤンデレなんだったな……。


「あ、あー。早く行かないとなー」


「ノロアさん? どうして逃げますの? 何かやましいことがあるんですの? ワタクシにもわかるように教えてくださいまし」


「ちょ、ちょっと! 待ちなさいよ!」


 ――こうして、捲し立ててくるジュジュから逃げるようにオリビアたちの元へ向かうのだった……。


 ……怖い。

最後までお読みいただきありがとうございます!

少しでも面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


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次回の更新は8月24日です!

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