21話 再会
20話の後半に数行加筆しています。そちらを先に読んでいただけると幸いです。
「……は?」
そんな声が無意識に漏れた。それほどまでに、何が起こったのかが理解できない。
もし、ジュジュが動くなと言ってくれていなければ、俺は間違いなく氷漬けになっていただろう。
何なら、今にも凍りついてしまいそうなほどだ。呼吸するたびに冷気が体内を侵しているのがわかる。
このままだと内側から凍りついていくかもしれない。
「……もしかして、俺を殺そうとしてる?」
でなければ、あんな大規模な魔法を無意味に使用するはずがないし、仮に無意識なら頭がおかしい。
いや、頭がおかしいじゃ足りないか。もはや、狂ってるとしか思えない。
……が。
「大丈夫ですわ、ノロアさん」
ジュジュが心配しなくてもいいと言っている。……それなら、まあ大丈夫かな。
本当に殺すつもりだったなら、氷漬けにならない場所を用意するはずがないし。
まぁ、信用するかどうかは別だけど。
「なぁジュジュ。もしかして、お前の知り合いか?」
「知り合いと言いますか、知り合いの知り合いですわ」
「それって他人じゃね?」
「そうとも言うかもしれませんわ」
……ふむ。この感じだと、警戒レベルを最高の5から4ぐらいに下げてもいいかもしれない。
あまりジュジュからは警戒心とかそういうものを感じられない。
もし嫌だったら、ジュジュは顔に出るからな。
そう思っていると、
「おいおい! 1500年振りだと言うのに、寂しいことを言うじゃねぇか! なぁ、ジュジュ!」
という声が聞こえてきて、氷が砕け散った。……かと思いきや、空から女が降ってきて――。
「……離れてくださいまし」
ジュジュは抱きしめられていた。……これ、知り合いの知り合いっていう関係性じゃなくね。
なんでジュジュは他人みたいな言い方をしたんだろう? 1500年も前からの友達みたいに見えるけど……。
……1500年? つまり、初代勇者が活躍していた時代から生きててもおかしくないってこと?
ジュジュは呪具だから寿命はないだろうけど、この女の人はもしかして魔族?
いや、魔族だったら頭に角が生えているはずだけど……見当たらないな。
「……何ジロジロ見ていやがる!?」
うわ怖っ。やっぱこいつは警戒レベル5だな。いつぶん殴ってくるかわからないし。
というか、ジロジロ見てないし。自意識過剰なんだろうな、この女。やらしい体つきしてるくせに。
それに、なんだその服の着方は。デカい胸を見せつけたいからシャツのボタンは外してるってか?
謝れ。貧乳に謝れ。俺の妹に謝れ! そして、ありがとう! 思春期の男の子の味方!
でも、
「……惜しいなぁ」
なんでズボンなんて履いてるんだろう? いや、別にそこは本人の自由なんだけどさ。
でも俺個人としては、健康的なむっちりとした足が見えるスカートの方が嬉しかったなぁ。
流石に口には出せないけど。出したら殺されかねないし。だって、今でさえ……。
「オレ様を無視するとは……。いい度胸してんなぁ!?」
怒ってるもん。
「なぁジュジュ。この人怖いんだけど」
「我慢してくださいまし。彼女はこういう人ですわ」
「なら仕方ないかぁ。……それで? この人は何者? 魔族?」
「えぇ。彼女はかつて魔王の最高幹部を務め、『氷結の魔女』という異名で恐れられていた魔族ですわ」
「『氷結の魔女』……。か、カッケェ……!」
やっぱり、男のロマンだよなぁ!
俺も頑張ったらいつか異名とか二つ名をつけてもらえたりするんだろうか?
『災禍の魔人』とか『黒炎の龍王』とかさぁ!
そんな一人で盛り上がってる俺を放って、ジュジュと『氷結の魔女』は何やら話している様子だ。
しかも、俺をチラチラ見ながら……。
「お前と一緒にいるってことは、コイツが今の所有者か?」
「えぇ、そうですわ。ワタクシを孤独から救ってくれた二人目の……」
「よかったじゃねぇか。しかも、よく見たらアイツと少し似ているところもあるみてぇだ」
「そうでしょう! 特に死んだ魚の目をしているところがそっくりなんですの!」
……おぉ、なんか楽しげだな。見てたらわかるけど、やっぱり友達じゃん、この二人。
それに、ジュジュを所有者が二人しかいないってことがわかった。
ということは、『あの方』が一人目ってことか……。それで、そいつも目が死んでると……。
「お前、名前は?」
「……俺? ノロアだけど」
「オレ様はアイギス。元・魔王幹部だが、お前らを襲ったりはしねぇから安心してくれ」
「名前もカッケェ……」
……流石は魔王幹部だ。魔王幹部は異名があるだけでなく、名前すらもかっこいいのか。
まあ、魔王幹部でオレ様とか言ってる人の名前が『タマ』とかだったら嫌だけどな。
もしかして、魔王幹部には名前選考とかある?
「オレ様の話聞けよ……。そういや、そろそろお前の妹も来る頃じゃねぇか?」
「え? アリスが?」
「オレ様、こう見えて魔法学園の担任やってっからな」
そうアイギスが言って数秒後のことだった。
「アイギス先生、相変わらず速いですね……って、げぇ。なんでここにマザコンのおにぃがいんの?」
本当に妹が空を飛んでやってきた。……相変わらず、くそ生意気な奴だな。
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