表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/41

1話 呪いのペンを拾った

「なんだ、これ?」


 俺の名前はノロア。今年で15歳になるが、その誕生日を迎える前に両親が死んだ。

 今は両親の遺品を整理している途中だったんだが、タンスの中に変なペンがあった。


 紙に文字を書こうにもインクが切れているらしい。


「ゴミじゃん」


 勝手にそう決めつけて、ゴミ箱に投げ入れようとするが……なんとか思いとどまる。

 父さんはともかく、母さんは不必要なモノはすぐに捨てる性格で、ゴミを大事に取っておく人じゃない。


 もしかしたらこのペンは普通のペンではなく、別の使い道があるのかもしれない。


 とはいえ、


「使い道がわからん」


 インクを取り替えようにも分解できそうにないし。たまたま捨て忘れてるだけの可能性が出てきたな。


 ……う〜ん、母さんに限ってそれはないと思うけど。


「まぁいいや、捨てても。当の本人はもういないし」


 それに、このペンに気を取られ続けていると、遺品整理が一向に終わらない。

 そう思った俺はゴミ箱にポイっと投げ捨てて、タンスの整理に取りかかった。


 のだが、


「……っ、マジか」


 なんと、捨てたはずのペンがあろうことかタンスの……しかも元々あった場所に戻っていた。


「あー、なるほど……」


 合点がいった。母さんも俺と同じように捨てようとしたけど、戻ってきてしまったんだ。

 それで、タンスの中に保管していた。俺がこのペンに触らないように……。


 つまり、これは……


「呪いの道具――呪具ってやつか」


 一度触れたら手放すことが許されず、所有者を呪い殺すと言われる魔道具だったか。


 どうしてそんなモノがここに……? 


 なんて疑問は抱かない。母さんと父さんは冒険者だったから、持っていてもなにも不思議じゃない。


 それに、


「母さんと父さんが急死したのにも納得がいくな」


 おかしいなと思っていた。元気だった二人が急に、なんの予兆もなく死んでしまったから。


 まさか、呪具のせいだったなんて……。


「……死んだな、俺」


 俺も母さんと父さんと同じように、呪い殺される。そういう運命を無意識に選んでしまった。

 あぁごめんよ、我が妹よ。俺も寿命をまっとうせずに死んでしまうらしい。


 まだ両親二人の訃報すら伝えていないのに……。


「……なんてな。落ち込むのはまだ早い。俺にはまだ時間がある! いつ死ぬかわからないなら、いつ死んでもいいように好き勝手生きてやる……!」


 これはその――第一歩だ!


 俺は呪われた魔道具を手にして、空中にペンを走らせる――!

最後までお読みいただきありがとうございます!

少しでも面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンはモチベーションアップにも繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ