あいつら魔法使ってやがる!
これってそもそも見られてない!?誰かぁ!お願いします!
「はぁ〜盗賊に会いたい………」
それか手頃な魔物に会いたい…。側から見たら戦闘狂と思われるだろうセリフだろうが、決して俺が戦闘狂だとか盗賊に憧れてるからなどという気持ちで言っている訳ではない!…まぁ少しはあるかもしれないがコレは俺の固有スキルが理由だ。
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調理と翻訳以外のスキルを試していたところ気配察知や偽造もLVUP出来た。
気配察知は漁船レーダーのようなものが視界の隅に映り赤い点が動いていた。
気配の持ち主が人か、魔物かは判別出来ないようだがここら辺にいるのは魔物だけだと思う。
奇襲されにくくなったので素直に嬉しい。
奇襲で一撃でやられるとかシャレにならないからな。
次に偽造だ。これはステータスの偽造が出来るだけだ。
だが、人に遭遇した時には役に立つと思った。
…まだ人にあったことないけど。使えるよね?
スキルポイント5ポイント使ったけど使えるよね!?これフラグじゃないよな!?!?
「ごほん、まぁ気を取り直して。」
最後のメインディッシュとも言える固有スキル。
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黒翼の盗賊団:このスキルはこのスキル所有者が盗賊団のTOPになった時に発動する。スキルが発動すると、対象とこのスキルが真の盗賊として認めた者の人数の多さによって少ない経験値でLVUP出来る。また、LVUPに得られるスキルポイントがスキルポイ ントx認められた者の人数。になる。このスキルの所有者と許可した者はスキルのLVUP条件が低くなる。
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やたら長いけど理解できた。
「強!チートかこれ?」
思わず叫びたくなる程の出鱈目さ。だけど人にすらあえてないのに自分の盗賊団に入ってくれる奴いるか?盗賊なら入ってくれるか?いいや答えは否だ。
仮に入ってくれたとしても街や村々を本気で襲うような盗賊には入ってほしくない。
「という事は、最後の所しかつかえない。」
自分の盗賊団は作りたいけどなぁー
「むしろバッチこーい。」
まあ盗賊団は創設するかしないかは後にしてどちらにせよLVを上げないとなぁ。盗賊団のトップは強くないといけないから。
そうと決まれば早速。
「えーと近場の気配はあっちか。」
俺は気配のある方へ走る。
余談だが身体強化のお陰でめちゃくちゃ身体能力が上がっている。LV2でも走る速度は車並みだと思う。ジャンプすると木の枝に乗れるけど、そっちは怖いからやりたくない。一回試したら着地が力が有り余ってそのまま枝が折れて落下したからな。
ノーダメージだったけどこの世界の人ってどんだけ人間離れしてるんだ?と疑問に思うほどだった。そんな事を思っていたら目の前には2匹の兎が果実を食べているのを見つけた。
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土兎LV6
通常スキル
土魔法LV1 縮地LV1
土兎LV8
通常スキル
土魔法LV2 縮地LV2
聴き耳LV1
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どちらも似たようなステータスだ。しかし、ま、土魔法!?魔法が使えるのか。
俺には使えないのに狡いぞ!
まあ、正々堂々と戦う訳じゃないから狡いのかもしれない。
「では早速。」
俺は隠密を発動させ、短剣を構えて土兎に飛びかかった。短剣はそのまま1匹の土兎に突き刺ささる。
『個体名土兎を討伐を確認しました。ーLVが1UPしました。』
しかし、もう1匹の土兎はいつの間にかその場から消えており、俺の短剣は空を切った。
「何処行ったんだ?そもそも隠密で俺の場所は認識されないは…あぶねっ!」
前方から突然土塊が飛来してきたので俺は瞬時に避ける。
「あいつ、あんな所に…」
土塊が飛来してきた方向を見ると先程の土兎が耳をピコピコと動かしていた。
「そうか。聴き耳のスキル!」
音で俺の居場所を認識出来るのか。
「それにしても魔法ってあんな感じなんだな。」
淡い光を纏って土塊を飛ばしてくる土兎。
無駄に神々しくて無性に腹が立つ。
しかし、どう倒したらいいものか。
土塊が一度も当たってないから完全に俺の居場所が分かっている訳ではないだろうが、足音で俺の居場所を特定しているのか?なら、止まればいい?いや止まったら流石に土塊が当たって結局バレるか。
それに空気の揺らぎで特定しているのかもしれない。
耳、聞こえすぎだ。ん?耳が良すぎる?なら、
「俺にも魔法つかわせろやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
耳が良すぎるなら大声を出し、
ジグザグに動けば音が乱れ土兎に隙ができる!(一応いっておくが叫んでいるのは中身は断じて本音ではない)もちろんすぐ逃げられるが、焦りながら逃げている者に追いつくのは簡単だ。
『個体名土兎の討伐を確認しました。ーLVが2UPしました。』
そして俺は土兎の命を狩った。
「よっしゃ!LV上がった。」
さてスキルは何がLVUP出来るかな。
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ルナイク・ユーシア 16歳 男
HP340/340 人間 盗賊
LV8 スキルポイント30
固有スキル
黒翼の盗賊団
通常スキル
隠密LV2→LVUP可能
気配察知LV2 偽造LV2
パッシブスキル
短剣術LV2:技能『弱点必殺』
身体強化LV2 鑑定LV2
調理LV4 翻訳LV2
魔法
土魔法→取得スキルポイント50
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「魔法⁉︎て、スキルポイント高っ!」
「ぼったくりかよ‼︎」
これなら隠密が上げられるし魔法より隠密にしよう。魔法はやっぱり使いたいけど今、必要無いんだよな。
「で、こっちの隠密のスキルポイントは20か。」
ゲームみたいにLVが高いスキルをLVUPさせるときに使うスキルポイントが多くなるタイプか。
『スキル隠密がLV2からLV3になりました。スキル隠密がLV3になったことにより、スキル消音LV1が習得可能になりました。』
習得可能?短剣術みたいに習得しないのか。
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消音:自身の音を消す事が出来る。但し『スキル聴き耳LV2』を獲得しているものには効果がない。スキルポイント消費10
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「こ、これは土兎を狩る為にあるようなスキルじゃないか‼︎。丁度残りスキルポイント10あるから獲得するか!」
これで土兎は楽に倒せるんだし魔法の代わりだと思えばいいスキルだ。
『スキル消音を獲得しました。』
「…ふふ、あっ、いけないいけない。」
土魔法がまだつかえないからこのスキルと隠密で腹いせに土兎蹂躙してやるぜ!とつい俺の口角があがっていた。
少し前まで切羽詰まっていたのが夢のようだ。
魔法も頑張れば後で使えるようになるからモチベーションが上がっているだけかも知れないけど。
正直言って、魔法は浪漫で出来ていると俺は思っているし、スキル発動やステータスオープンみたいにならないと信じている。
「早く盗賊団作りたいなぁ」
だけどこの世界の人の強さをまだ知らないし他にも色々あるから道のりは長い。
「こうなったら土兎蹂躙してやる『グギュルル‼︎』ぜー」
……その前に食事だな。あ、土兎が食べていた果実たべられる。
誰かーお願いしますよー誰かぁ