1.3 最高のチームメイト
父さん達と話をした次の日の放課後、俺は両親と一緒に学校の職員室に行き、事情を伝えた。
「そうですか... 手続きはしておくので大丈夫です。海斗くんはクラスメイトやチームメイトにきちんと別れを伝えておいてください。日本に行っても頑張ってくださいね。」
「はい...」
まだ昨日からのショックを引きずってるせいで、俺はぎこちない返事をしてしまった。
「とりあえず、あいつらの所いくか...」
俺はそう小さい声で独り言を呟き、体育館に向かった。
「What'up 海斗! 昨日のお前すごかったな!! 今週の試合も頼むぜ!」
「海斗、1on1 しようぜ! 今日は負けないぞ!」
体育館に入ると、チームメイトが声をかけてきた。いつもならこれから練習がある。みんなやる気満々だ。 しかし…
「そのことなんだけど、みんなに話がある。俺、一週間後に急遽日本に帰ることになったんだ。
いろいろ準備が必要で練習に出られるのも今週の金曜日までだ。だから週末の試合には出れない。 本当にごめん…」
ちなみに、試合は毎週日曜日にある。だから今日は月曜日だ。
「嘘だろ…? お前らしくないぜ、そんな冗談。」
「そうだよ! 早く練習しようぜ。 ほら、1 on 1...」
「マジなのか?」
俺の顔を見たみんなは、すぐに冗談じゃないときずいた。
「ああ。俺もみんなともっとバスケしていたかっよ... とりあえず練習しよう。あと5回しかできないからさ」
「お、おう」
こんな感じで練習がはじまったが、正直いってみんなやる気がなくなっていた。
練習の後に言えばよかった... と俺は後悔した
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翌日の放課後、俺は残り少ない練習にむかっていが、正直練習にいきずらかった。 昨日の話をしてから、チームの雰囲気が悪い
「はぁ… なんでこうなっちゃったかな。」
そんなことを思いつつも練習に出ないわけにはいかないので、俺は目の前にある体育館の扉を思い切ってあける。
「海斗、待ってたぜ!昨日の続きだ。1on1しようぜ!」
「お、おう…」
俺は咄嗟に返事をした。正直驚いたが、みんないつもどおり練習している。
「そうだそうだ!せっかくあと4日しかないんだ、俺とも勝負だ!」
「そうだな…!」
俺は気持ちを切り替えて1on1に挑む。
俺は最高のチームメイトをもったなぁ… と思いながらもこの後も一週間楽しく、そして激しく、充実した練習を送ることができた。
1章は日本に帰るまでの話です。あと一話で終わります。




