第55話:航空技術者は潜水艦と航空戦艦について意見を求められる
「遅くなりました」
「こちらこそ急に呼び出してすまない。今、海軍では大急ぎでアドリア海に向けての出港準備が進められていてね。私も西の海に出ることになった。その前の段階でいろいろ聞かねばならないことがあったんだ」
せかせかと動く作業員や工兵といった者たちを尻目に、宮本司令から謝罪される。
こちらの敬礼に対し、彼は海軍式の敬礼で応えた。
アドリア海への航行は約20年ぶり。
先の大戦で小規模艦隊を派遣して以来の出来事である。
しかもこれ以降、本来の未来では艦隊の出動は行われていない。
まさに未来を切り開いたと言えるかもしれない。
海軍としてはユーグでの開戦後の予行演習をかね、地中海での洋上訓練の実施も視野にいれ、訓練についての承諾を周辺各国からとりつけていた。
当然にして向かうはBIG7の中軸を成す、旗艦長門と陸奥を中心とした主力部隊。
軍縮条約を配慮し、新鋭艦は最小限に留め、あくまで表向きは軍拡をしていないよう装う配慮をとった編成としたものの……
現在における主力部隊であることに違いはなかった。
この艦隊には王立国家製の金剛も混じる様子だという。
皇国内には扶桑型や伊勢型が残ることになり、他にも多数の新鋭空母が待機する事となったが、加賀や赤城などは当然にして参加する。
つまり海軍にとって最も優秀な航空部隊はアドリア海まで行くというのだ。
俺からするとこれは異様な光景とも言える。
軍艦にもし魂なる存在があって、会話が可能だというなら、今の心境を是非聞いて見たい。
どう答えるだろう。
地中海は荒かったとか感想を述べるのだろうか。
このように空母だけでなく巡洋艦など、それなりの艦種が出揃うものの、全体の規模としてはやや小ぶりではある。
ただ、戦争しに行くわけではないので十分とされた。
おそらく空母が少ない背景には艦隊派や大艦巨砲主義者に華をもたせる代わりに、即位式の陛下の参加を認めさせようという魂胆があったとみられ、海軍は即位式承諾の条件として艦隊派遣を統合参謀本部に提案し、これを認めさせている。
その程度で認めるなら安いものだと西条もこれを認めたが、一方でこの艦隊は洋上訓練を行う上で重要な装置を搭載している。
レーダーである。
最新鋭艦を中心に王立国家から空輸されたレーダーを急いで搭載したため、スエズを通過してアドリア海へと臨む主力艦隊は全艦が現時点で最新鋭のレーダーを所有。
洋上訓練の最大の目的は、自国の艦載機を飛ばし、これを捕捉して対応したり、現時点では敵国ではない艦隊を洋上で捉え、仮想敵国としてシミュレーションを行うという、宮本五十六らしい考えもあってのことであった。
海軍のレーダー嫌いについてはキ47によって克服されつつあったが、大艦巨砲主義者達も目視に頼らずの遠方射撃の精度が上がる可能性が高い事などから、レーダーを搭載しての洋上射撃訓練に前向きだという話を統合参謀本部の会議内での海軍将校の説明から聞いている。
ただ、その改装については中々踏ん切りのつかぬところ、その間に王立国家から最新鋭のレーダーが届いたため、式典に合わせて急遽積み込む事となったのである。
現場はさぞ大変だったことだろう。
後で聞いた話では設置のために夜通し作業をしたとのことだ。
呉や横須賀の造船技師達には敬服せざるを得ない。
ただ、彼らの仕事ではそれだけではないようだ。
「信濃君。カタパルトの実証機を譲ってくれ。加賀に取り付けて洋上試験を行いたい」
「えっ!? 今からで間に合うんですか」
「間に合わなければ海上で設置改修工事を行う。レーダーの調整もあるから多くの技師達にも同乗してもらう予定だ。せっかくなので十二試艦戦とキ43、キ47を飛ばす。8tまでなら問題ないというなら、爆装せぬなら問題ないな?」
「え、ええ……」
なんてこった。
宮本司令は最新鋭の試作機をアドリア海まで持っていくつもりか。
いや確かに、王国で実際に何かあったら、キ47や十二試艦戦でもないと航続距離的に往復できない。
全面的な公開訓練は海軍の秘密主義としてやらんとは思うから大丈夫のはずだが、あまりキ47は見られたくないな。
「安心したまえ。新鋭機の存在は最重要機密。我々は公開するつもりなどない。ただ、カタパルトは王立国家の空母がすでに搭載している。こちらも負けていられない。実証試験では問題なかったのだろう?」
「形はもう出来てるんです。ただ、安全装置などの類を装着するのに手間取っている感じで、人為的ミスが起こった場合の対処が難しいというか」
すでにカタパルトは連続離陸なども可能なぐらいに完成していた。
問題は汚れたオイルの清掃をどうするかとかの整備面と、フェイルセーフのための安全装置の導入。
一応は形になっているが、現場で運用するにあたり、清掃のためにいちいち解体するなどの手間があったのである。
「整備のために現状では1度オイルタンクなどを解体せねばなりません。使い込むほどオイルに汚れが多く混じるんです。1度の利用で100機ほどの射出は可能で、その時点での不具合は出ません。ただ、そのまま連続使用すると汚れやゴミが悪さをして、射出パワーが落ちたり、最悪詰まって破損する事故も起こしています」
「なるほどな。構造上一番難しいのは簡単に整備できるようにするための構造部位か」
「ええ。現状ではマンパワーに頼る事になります」
「動くんだね?」
「オイルのゴミにさえ神経を尖らせれば間違いなく完璧に動きます」
俺の自信をもって胸を張る姿勢に宮本司令は肩に手を乗せる。
「ならば海軍の全力でもってどうにかしよう。頼めるな?」
「すぐに立川から送るよう連絡致します」
「頼む。先に連絡をとってくれ。申し訳ないが我々も大急ぎでどうにかせねばならんのだ」
「はっ!」
敬礼した後はすぐに電話のある場所まで走って向かう。
出航は1月後。
恐らく茅場や芝浦製作所の者たちは加賀に乗り込むことになりそうだ。
俺も首相補佐という立場なので王国に向かう予定だったのだが、ヘタすると加賀でキ43などの調整を依頼されるかもな。
しかし海軍も思い切ったことを。
カタパルトがあればやや大型の機体も飛ばせるとはいえ、翼が畳めず艦内スペースを独占しかねないキ47を搭載するとは。
整備性の向上のためもあって翼は簡単に取り外し可能だが、現地で組み立てて飛ばすのだろう。
こっちで運用しててそれに気づいたからこそ載せるつもりなのだろうが、きっとキ47の搭載をしたい理由はもう1つある。
レーダーを搭載する航空機は現在こいつだけ。
洋上訓練においては偵察訓練もやりたいのだ……恐らくは。
だから試作機を持ち込んでまで地中海、そしてアドリア海を目指すんだろう。
といっても海軍に貸し出している1号機は単座機なんだが……
まあ、とりあえずは飛ばせればいいのだろう。
立川に連絡をとった俺は、実証試験機の4号機と5号機を取り寄せた。
ほぼ形になっていて、後は運用上の整備性を確保する構造を組み込むだけとなっているタイプである。
互いの違いはそれぞれ別個の構造部位を一部採用しているだけで、整備性がどちらの構造部位なら向上するかを試していて、もはや飛ぶというのは当たり前となっており、信頼性は常に整備を心がけるということで担保できていた。
どちらも連続射出は120回程度可能。
ただし、マニュアルには100回射出したら解体清掃するようにとは記載してある。
この解体と清掃に8時間ほどかかる。
俺はこれを4分の1程度としたいんだ。
マンパワーで短縮できたとしても、6時間程度だろう。
1回出撃したら6時間は次の出撃が出来ないというのは運用上支障がありそうなので、今大急ぎで改良を加えている最中だったのだ。
◇
「実証機が2機。本日中に届きます。搭載スペースなどは海軍方で検討していただければ」
「任せてくれ。造船技師と相談してどうにかしよう。それでは私についてきてくれ」
宮本司令に促されるままについていくと、横須賀海軍工廠の水流試験装置と、そこに浮かぶやや大型の模型の姿があった。
X字の後部操舵翼、艦橋の水平翼。
逆キャンバー角を付けた後部の形状。
見事にスケールダウンしたまま再現されている。
「君の意見を参考に、君の基本設計を踏襲した模型で実験してみた。見事な安定性だ。潜水艦建造に関わる技師も計算上22ノットは可能と評価した」
「ありがとうございます」
「実はな、これにレーダーを搭載したい。搭載場所の空間をどうするか検討したのだが、どうも上手く行かんのだ」
そういうことか。
確かに、俺の現状の構造で妙な位置にレーダーをつけたら、抵抗が増加して大変な事になる。
レーダー設置は艦橋。
それも折りたたんで使わない際は艦橋内に仕舞い込むしかない。
その分、艦橋が拡張しても全体構造で調整できる。
「でしたらこのようにやや艦橋を拡張し、普段はレーダーアンテナをしまいこむようにすればよろしいかと」
「この構造ならばほとんど抵抗などは増えぬのか?」
「ええ、位置などを整えましたので。この拡張具合でしたらアンテナが収容できるスペースが生まれるかと」
王立国家がこの時期に実用化したレーダーは骨組みのようなアンテナであり、パラボラアンテナではない。
そのため、折りたたんで収納することも可能。
アンテナは受信用と送信用の2組で構成されており、王立国家の艦隊は艦橋よりも高い部分にマストを立て、そこからレーダー波を照射している。
この方式は皇国でも採用されており、長門、金剛双方共にマストの真上に装着される。
潜水艦の場合もシュノーケルなどと同様、基本的に潜行中などは艦橋内に収納できるデザインが好ましい。
そのために艦橋はやや大型化するものの、抵抗力をそこまで増やさずに収納できるスペースを設けた。
多少艦橋の全長を長くしても形状を整え、配置をズラさなければ大きな抵抗力とはならない。
これだけのスペースがあれば後に登場する新型レーダーも搭載できる。
といっても潜水艦はその性質上、さほどレーダーは使わなかったりするのだが。
逆探知されるようになるとソナーと同じで使いづらくなるためだ。
ただ、受信用レーダーが使える性質上、相手のレーダー波を逆探知できるのが強み。
そのため、第三帝国の潜水艦なんかは逆探知のみの受信用アンテナだけ設けたケースもあったほどだ。
まあ国によって運用方法は異なるのだから、まずは両方設置しておくのが好ましいはずだ。
王立国家のレーダーであるType79は、早期警戒レーダーとしてType279に改良されて使い続けられ、対空監視網を担当することになる。
その後は、射撃管制用だとか複数種類のレーダーが追加されていくことになるが、初の水上専門の回転するアンテナを装着したレーダーは来年。
この大戦期標準となった水上レーダー用のマグネトロンを開発したのはG.Iなのだが、そのG.Iの開発促進となった要因が皇国にいる。
分割陽極マグネトロンを開発した岡金治郎である。
皇暦2596年。
彼が世界へ向けて発表した分割陽極マグネトロンを世界で始めて実用化して公開。
試作品自体は皇暦2587年に完成しており、その理論も出来上がっていたのだが……
実用化のためにある2つのメーカーを頼って製品をこさえた。
1つはすでに単極マグネトロンを実用化し、生産して国外に輸出していた芝浦電機、もう1つは常陸製作所である。
後にこの2社がマグネトロン開発では国内を先行。
後者は皇国初となる純国産電子レンジを販売する。
この時点でわかると思うが、皇国はレーダー開発において後進国ではなかった。
応用する発想がなかったのだ。
岡金治郎はその後も改良、強化を続け、その製品は2社によって販売される。
だが、アンテナ関係の技術について思うようにいかなかった皇国は、2605年まで完璧なレーダーを実用化できなかった。
そのアンテナですら、研究開発と称して大学レベルでは完璧なものが出来上がっており、皇国の一連のレーダー開発の失敗については……
この時期の皇国によくある"開発者や発明者が国内にいるのに彼らを活用しなかった事"に起因する。
また、常陸はともかく大量生産ができる芝浦電気こと後の京芝に対し、NUPとの関係性から情報漏えいなどを警戒し、積極的な関係性を構築できなかったというのも原因の1つ。
彼らは皇暦2604年にVT信管の特許を出願しながら、皇国はついにその存在に手を出すことなく敗北した。
俺は震えたぞ。
戦後の特許情報を見たときに。
実用化したかどうかは定かではないが、国外からなんらかの方法により、戦時の皇国の不思議とされるG.I特許によって、京芝がVT信管の特許を出願していたことを。
やろうと思えば作れたはずだ。
VT信管も、火器管制システムも、射撃管制レーダーも。
彼らは先月、皇国放送を利用してテレビ放映実験すら行っている。
五輪に間に合わせるために、NUPに先行してやろうとした。
万博の目玉でもあった世界初のパブリックビューイングだ。
皇暦2600年に、万博周辺でパブリックビューイングが行われる。
それを後一歩で成し遂げる所だったのに……
皇国の敗戦理由を工業生産技術とするのを俺は気に入らない。
足りないのは技術ではなく生産力。
茅場、芝浦タービンなど多くの企業が、皇暦2603年以降とならないと召集されなかった。
皇国精巧なども2601年から。
彼らによって多くの製品群の品質が安定化するまでは、町工場レベルの会社にばかり任せ、品質の悪さに喘ぐというゲームでいう縛りプレイをしていた。
それをやめれば当然にして戦力は整う。
後は集中と選択。
エンジンをハ33やハ43、そして本来のハ43たる新型エンジンだけに絞らせた四菱のように、エンジン1つとってしても集中と選択を心がければ、1つ1つの問題が片付いていく。
ハ43なんて今や長島がライセンス生産するほどだ。
量産が間に合わないための措置である。
だが、諸外国でも注目されるエンジンとなりはじめている。
工場見学にNUPの人間が多く訪れるようになったが、彼らは空冷エンジンか液冷かで迷っているので、現時点で1600馬力をゆうに超えるハ43に目を輝かせている。
丁度彼らは今、ダブルワスプを開発中。
ほぼ同じ性能のハ43のほうが小型なので興味があるのだろう。
実際、2000馬力までの星型エンジンの開発競争においては、皇国とNUPはほぼ同列の戦いを示していた。
ハ25やハ45なんかに拘らなければ……
皇国の敗因は強い先入観と柔軟性のなさ。
すでに実用化した溶接も海軍の古狸によって使用方法を限定されるなどしていたが、これらを全て効率化させれば、なんてことはない。
そこに気づきかけていたのが陸軍であったものの、レーダー開発では諸外国の方式の違いにより、早期にマイクロ波に気づきながらもパルスレーダーを開発してみたりと迷走が見られた。
抜本的な工業生産力の向上は必要だが、そのために必要となる人員の多くは華僑の事変が長引いたことにより、戦地へ投入されたことが大きい。
その華僑の事変をクリアしたという事はあそこで戦乱の火蓋が切られようとも、ギリギリまで工業生産力を高められる。
皇国は2604年まで、年15%ペースで生産力が向上した。
全てを吹き飛ばされたのは、ヤクチアに占領されて技術者の多くを奪われたためだ。
もう奪わせない。
「どうした信濃くん。そんな拳に力をこめて」
「あ、いえ……なんでも」
目の前の潜水艦の大型模型があまりにも先進的すぎたので、ついつい熱くなってしまった。
恥ずかしいとばかりに頭をかきながら誤魔化す。
「信濃君。それではドックにきてくれ。見せたいものがある」
潜水艦の艦橋部分の再設計案を示すと、俺は宮本司令に促されるがまま横須賀の大型艦用のドックに案内される。
そこにいたのは扶桑であった。
「どうされたんです? 故障ですか?」
「いや、以前君が出してくれた航空戦艦のアイディアがあったな。あれを試してみようと思うのだ。作業自体は呉で行う予定だが、状態を確かめておきたくてね。こっちへ来てくれ」
案内されたのは修理ドックに隣接された事務所。
中には黒板があり、3つの改修案が提示されていた。
基本的には幻の近代改修B案を基盤に、航空戦艦へと改造するもの。
すなわち、足りない速力を補うため、煙突を撤去して後部に移設。
さらに第4砲塔を撤去。
第四砲塔下部に新たに1万馬力級のロ号艦本式缶を2つ搭載。
航空機は後部煙突部分の左右から発進する。
ただし飛行甲板のデザインに迷いがあった。
第五、第六砲塔を残すアイディアと、第三砲塔以外は全て無くしてしまうアイディアである。
「今から呉で作業しても皇暦2600年までに間に合わせるには、完全な改装空母としない航空戦艦が理想。呉の造船技師の話では完成まで9月とのことだ。評判の悪い扶桑と山城の改装案について海軍内では現在話し合われているのだが、レーダー搭載も難しいこいつをどうにかしてしまいたい。今からやれば来年の夏までに間に合う。特に扶桑には個人的に思い入れもあってね……」
そうか。
宮本司令にとってもっとも可愛い部下が、しばらく前までこの戦艦の艦長だったものな。
ミッドウェーに参戦させた理由も、その辺の関係性があったとは言われるが……扶桑はたしか本来の未来では本年9月頃から改装を受ける予定だ。
その改装案に俺の意見が採用されたのか。
また大胆な改装になったな。
「第五、第六砲塔を残した場合は22機となっている。ただ、甲板上に乗せての22機で、内部には8機か9機ほどしか入らん。しかもこれは十二試艦戦の話で、離陸させたら陸地に着陸させるか、他の空母に着艦させるしかない。水上機を開発するという手もあるが……」
「第四砲塔まで全て撤去した場合の甲板長は約110m……ちょっとした軽空母ですね」
2つ目の案が一番優秀だ。
着艦フックを搭載するから、搭載機数はさておき大型機にも対応できる。
カタパルトが実用化しつつあるからこそこんな大胆な改修案ができたのだろう。
ダブルアングルドデッキとも言わんばかりに2本V字に甲板が突き出しているが、アングルドデッキに繋がる重要な布石となるかもしれない。
さすがに左右非対称にはできないな。
重心の調整が難しすぎる。
扶桑は重心位置が前より。
だから第四まで撤去してしまえば大きな飛行甲板を設けられる。
おまけにこの飛行甲板は装甲甲板か。
役に立たないとか、失敗作とかいろいろ言われる扶桑だが、生まれ変われそうじゃないか。
「司令。私は断然2つ目の案を押します」
「君もそう思うか?」
「こちらならば水上機は必要ありません。キ47も最低限の装備ならば使えそうですしね」
「水上機は今後限定的存在となるだろう。使い勝手はいいのでハ43……我々が木星と呼称する存在でもって現在高速水上機を思案中だ」
もしや瑞雲のことか?
完成度が上がって500km台を目指せるかもしれないな。
「よし、君の案を採用しよう。多少改装費用は上乗せとなるが……西条首相に裏を通しておいてほしい」
態々俺を呼んだのはそういうことか……今後も航空戦艦化が加速するなら多少は認めねばならない。
改装空母も欲しいが2年近くかかるから間に合わないだろう。
9ヶ月で扶桑と山城が生まれ変われば、次いで伊勢、日向も生まれ変わるはず。
護衛艦隊に新たな戦力が増えることとなるだろう。




