第201話:航空技術者は既存の概念を根底から覆すエッジAIとエッジデバイスについて検討を開始する
皇歴2602年1月5日。
不思議な体験から目覚めた翌日の事。
俺は朝から技研にて普段の業務の傍ら計画を練っていた。
現状で把握できている事は1つ。
予想通り与えられた情報の技術分野は偏っている。
医療やバイオに関する情報が存在する一方、毒ガス、生物兵器等に関する技術情報は一切渡ってきていない。
大量破壊兵器に関してもだ。
応用すればそのような物に化ける可能性はあるが、化けさせる道筋1つ示されてはいないのだ。
そういうのは他の技術者、そして研究者に任せておけという事なのだろう。
他方で材料工学、構造力学等の分野には多くの技術情報が"可能性の未来"より届けられており、これらを活用すればこれまで以上の性能を持つ航空機を開発する事は不可能でないと言える。
そんな多種多様かつ多数の情報の中から俺が注目している分野が1つある。
エッジAIと、エッジデバイスだ。
AI……本来の未来において俺がやり直す直前頃においては、まだ途上も途上の段階で、とてもではないが形にはなっていなかった。
確かに、あの頃の時点でアルゴリズムを用いたプログラムによる設計は既に行われ、こと航空機や高速鉄道等では流体力学に即したより理想的な胴体構造とするために活用されてはいた。
それこそ将来的には人が設計する時代は終わるなんて言われだした時期ではあった。
だが、これらはアルゴリズムを用いたプログラムでしかなく、AIとも呼べるような自己学習可能なものではなかったのである。
AI研究自体は盛んに行われていたようだが"可能性の未来"の情報を確認する限り、俺がこちらに渡った時期から10年の間にブレークスルーが相次いで発展していった様子だ。(あくまで可能性の未来においての話なので本来の未来がどうなったかはわからない)
ただ、一連のAIの中でもクラウドAI等と呼ばれるニューラルネットワークを利用した高性能な汎用型AIというのは正直言って現時点ではあまりにも非現実的で未来的な話であり、これらを開発しようとしてもライト兄弟に向かって「超音速で飛んで成層圏を目指せ」――と無理を強いるようなもので、とてもではないが俺の話に乗ってくる者はいないであろう。
他方で、今からでも十分目指せるのがエッジAI及びそれらを利用したエッジデバイスだ。
エッジAI。
これは広義の上ではいわゆる組み込み式AIであり、汎用型AIでもパーソナルコンピューターなどのような汎用コンピューターに組み込んで独立可動させるならばクラウド方式とAIプログラムが同一でもエッジAIと呼称する事になる。
内部で完結して独立して可動し、学習を重ねて動作することが可能で、高速処理が可能であることが長所であるのだが……
"可能性の未来"において盛んに開発され、工業分野で用いられているのはそういうデスクワーク的な業務に用いるものではなく、マイコン等の制約だらけで極めて限られた環境下の中で動作する組み込み式AIだ。
これがどれほど凄いかというと、AIを構成するプログラムは数百KB単位の容量しかなく、オンデバイスで学習可能で、学習データも数百~数千キロバイトで済むような極めてコンパクトかつ動作するために必要なプロセッサの性能も低性能で済むという特長を有している。(この手のエッジAIの場合、容量が少なければ少ないほど優秀とされ、開発者はよりコンパクト化したものを開発しようと鎬を削る状態にある)
例えば画像検知用のエッジAIなんかは、最低必要動作クロック周波数が32bit換算24MHzとかであり、80Mhzもあれば超高速処理可能という、そんな状況だ。
画像検知用ですらこんな状況なので、それこそ感圧センサーと組み合わせた場合などはもっと必要となる動作クロック周波数は下がる。
32bit換算で4Mhzとか、そんなもんでいい。(それでも処理速度はミリセカンド単位)
これがどれほど革命的かというと、航空機のアビオニクスを大幅に省力化、単純構造化して早い時代において未来の最新戦闘機と並ぶ性能とできうる可能性がある事だ。
従来までの航空機というのは、メインコンピューターが全てを担っていた。
フェイルセーフのために並列にハードウェアを組んだメインコンピューターは、ソフトウェアによって統括され、それぞれ並列に動作するような構造とさせているOSを通して機体の各状況を診断。
機体に張り巡らされたように点在する各部のセンサーからもたらされた情報をもとにメインとなるコンピューターが超精密制御して機体を制御する。
これは会社で例えると社長が社員の1つ1つの作業全てに目を向けて指示を出すのと同じ。
それこそ呼吸するタイミングや瞬きするタイミングすら社長が決めているような状況。
現実の人間にはそんなの不可能な話であるが、コンピューターや機械類にはそれができる。
だが、当然にしてプログラムを通して処理する上で全ての制御をメインのコンピューターに頼ったのでは、主軸となるコンピューターが必要とするスペックは極めて高くなければならず、機体の制御システムをより高精度化させるためにはより高性能なプロセッサーが必要となってくる。
もちろん、現実の航空機はそんな無茶苦茶な設計ではなく、各部でそれぞれ独立させた部位ごとにある程度処理して必要となる情報のみメインシステムへとネットワークを通して送信し、中央での負担を減らすようにしてはいる。
ただ、それも結局プログラムなので処理を高精度化させようとすると自ずとそれらの部位ごとに高性能なプロセッサーが必要となってしまうという欠点まで解消できていない。
エッジAIの恐ろしさというのは、一重にこの負担を大幅に緩和することが出来るという点だ。
エッジAIで構成される全く新しいアビオニクスにおいては、動翼やその他全てAI判定になるので、普段の動作は部位ごとのAIに任せきりにしてしまっていい。
フラップも、エルロンも、エレベーターも、エンジン関連も、全て操縦桿やスロットル等から与えられた指令をもとにそれぞれ自分たちが独自に判断して可動する。
各部との連携は必要であるためににネットワークを組む必要性はあるが、必要な部位だけでネットワークを組めばいいのだ。
後はそれを統括制御する別のシンプルかつコンパクトな木構造AIと、その様子を監視し、コンピューター言語に置き換えて動作させるOSがあればいい。
会社に置き換えると、社長は部下に現場を任せつつ自分は部下の様子を把握しながら最低限の指示を出すというような、そんな状況だ。
AIでは必ず曖昧な判定というのが存在するため、主として社長の立場である木構造のAIはそのような判定を貰った時などに判断を下すという、本当の意味で法人化された組織のような動きに出来る。
こうすれば当然にしてアビオニクスに必要なメインプロセッサーの求められる性能は大幅に低くてもいい事になる。
緊急時においてですら「この時はこうすればいいのだ!」――という単純な命令を送り出せばいいからだ。
ハードウェア的な構造を説明するならば、木構造AIが大脳等に相当し、エッジAIは脊椎や臓器そのものといっていい。
人間が自分の意思で心臓を動かしているわけではないが、運動等を行ったときに心臓の心拍数が上がってある程度以上の段階で危険と判断して動きを緩めたり休憩を行うように、木構造AIというのは何か問題が起きた時などに所定の指令を各部へと下す。
従来型のアビオニクスのようにこうしてああしてそうして――みたいな事をメインとなる木構造AIはやらなくていい。
必要なのは、機体の状況が今どうなっているかを把握する事だけだ。
人が五感や感覚神経等で体調を把握するように、エッジAIを経由してもたらされた情報によって状況を把握する。
しかも各部のAIは緊急時すら想定できるので、ある区画から普段もたらされている情報が無い場合は、故障かどうかを独自判断して稼働させる事も可能。(基本は故障かどうかをコアとなるAI側に一旦情報送信してから判断する事になるが、最悪の場合は独自に判断させる事も出来る)
つまり緊急時においてですら、エッジAIの信頼性が高ければ任せきりに出来ると言う事なのである。
では、信頼性やAIの精度はどうなのかというと、AIというのはそもそも単純作業であればあるほどミスが減るため、エッジAIの精度はプログラム方式と並ぶか凌駕し、"可能性の未来"においては既に工業分野で実用化されて大々的に活用されるほどに至っていたようだ。
それこそ最新のエッジAIは構成次第で経年劣化の状況すら把握してPID制御できるので、むしろプログラム容積が肥大化してしまう一般的なプログラムによるPID制御より優れているとすらされる。
例えば右側のエルロンを制御するエッジAIが「最近なんだか自分が担当するエルロンの動きが鈍いな」――と思ったら、それに合わせてエルロンを可動させる油圧(電動であれば電圧)量を調整できるので、常にその状況下において最大の性能を発揮させる事が可能なのだ。
こういう制御は、プログラムでやろうとすると、ありとあらゆる状況下を想定してシステムを組まなければいけないのでコンパクト化や単純化が極めて難しい。
しかしAIであればその場で学習しながら補正していくので、あたかもアナログ制御で全く電子制御が及ばぬ航空機を人が五感や経験によって操縦方法を微調整するかのように、電子的に機体を微調整して制御してしまう事が出来る。
もちろん、この時にAIはありとあらゆる状況を想定するため各部からもたらされた情報を活用し、それがグリスの劣化なのかベアリングやサーボあるいは電動モーターの劣化なのか判断しながら動作しているわけである。
この時に油圧量や電圧量の変化だけで十分動作してさらなる変化……すなわち状態悪化が生じず、そのまま飛行継続可能であるなら、後で飛行状況のログを提出するときに問題点を指摘しつつ、その場では問題無しということで警告を出さずに飛行させるなんて事が可能だ。
万が一危ないというなら警告を出し、近隣へのダイバートを提案したりエマージェンシーをコールしたりすればいい。
この辺りは特段従来方式のアビオニクスと変わらないが、伝達方式や制御方式、検知方式が異なるというわけである。
当然にして各部はネットワークによって接続されているわけなので、エッジAIを組み込む場合は機体全体で構成されるネットワークに接続されたセンサーであるエッジデバイスも必要となる……というか一般的にはエッジデバイスそのものにAIが組み込まれるという状況になる。
そしてネットワークを介在して各部との連絡を行うためにはAIが蓄積するデータだと、概念化されていてそのままでは扱えないのでC言語などのプログラム言語化する必要性もある。
この時に活用されるのがリアルタイムオペレーティングシステムことRTOSであり、AIからもたらされた情報のプログラム言語化(またはその逆に外部からの指令を概念化してAI側に送信)と、各部との情報伝達はRTOSを行い高速処理する。
すなわちエッジAIを活用する場合、エッジデバイスとRTOSの併用は必要不可欠となる。
そしてこれら3つが実現化し、標準化する事で戦闘機のアビオニクスというのは根底から覆される事になる。
どういう事なのかというと、エッジAIというのはそれぞれ互いの情報のやり取りは非常に簡便かつざっくばらんとした情報でいいのだ。
つまりこれは複雑怪奇な戦闘用アビオニクスを組み上げる必要性というのが無くなると言うことを現わしている。
なぜなら、兵装側にもエッジAI(あるいはそれに対応したプログラム及び回路)を組み込めばいいからだ。
互いの情報については接続された互いのAI……またはプログラムがRTOSを通して認識される。
ゆえにアビオニクス内にいちいち細かい情報をインプットする必要性が無い。
例えばミサイル1発でも重心位置は変わるし、ミサイル自体にも発射するためには電子的なプログラムを通して行わなければならないのが従来の方式。
ゆえに従来方式のアビオニクスにはミサイルの諸元とそのミサイルが特定のパイロンに搭載されたときの状況を全て想定したデータを予め戦闘機の制御用のアビオニクスにインプットする必要性がある。
アビオニクス側には搭載したミサイルのデータだけでなく攻撃システムやら何やらもインプットされ、自身が持つ戦闘システムと連動させなければいけない。
という事は一度独自に組んだプログラムでは、対応するミサイル以外は装備できず発射すらできないという事になる。
これは従来の認識では当たり前のことだったし、ごく一部のコンピューターやプログラムを知らぬ一般人だけが「なんで?」――などと首をかしげるだけだった。
だがエッジAI時代のアビオニクスはこれらの苦労が消える。
ミサイル側は最低限必要な性能諸元をアビオニクスたる木構造型AIに情報を送る。
後はその状態から各部のエッジAIが判断してミサイルを制御すればいい。(もっと言えばミサイル自体もエッジAIで制御されるのが理想だ)
パイロンに吊るせばパイロン側に設置された過重センサーなどを通して動翼がそれに対応した動きを示す。
しかも木構造AIはミサイルを「空対空ミサイル」としか認識しておらず、どのミサイルでも最低限同じような仕組みのものであれば対応できてしまう。
諸元等を送れるような仕組みになっていればいい。
後は諸元の性能に合わせてロックオンできる距離等を変化させ、パイロット側から発射の信号が放たれたら発射するだけ。
従来方式のように「今AIM-9を装備している」「搭載したAIMの仕様はこうなっている――」みたいなめちゃくちゃ面倒な構成のプログラムはすべて不要。
擬人化して簡単に説明するならば、従来機がベラベラと状況を語りながらSF作品宜しく発射しようとする発射シークエンスの最中、エッジAIで構成された戦闘機はこう述べるわけだ。
「――いちいちうるっせえな。こんなもんなあ、撃って当たりゃいいんだよ。勉強になったなあ旧世代機!(この後即座に射出音が響く事だろう)」
こんなノリで冗談抜きで発射できてしまう。
AI側がPID制御も可能なため、搭載した状態での飛行も最初はモタつく可能性があるかもしれないものの学習すれば改善されていくし、そもそも兵装側からの情報に合わせて制御方式を変更することだって可能だからだ。
AIM-7だのスカイフラッシュだの、関係が無い。
エッジAIを駆使した最新の状態で構成されるアビオニクス側が認識するのは「空対空ミサイル」、「空対地ミサイル」、「爆弾」、「誘導爆弾」、「ロケット弾」等、概念的な理解であり、後はそれらの大まかな仕様を把握していればいいだけ。
アビオニクス側に大量の情報を打ち込んで搭載時や射出後の状態についての重量・重心変化に合わせた難解なプログラムを仕込む必要性が無い。
エッジAIは単純明快に済ませてしまえるわけだ。
これは本当に革命だ。
アビオニクス側の開発予算というのは莫大なものとなるが、エッジAIというのはその多くが汎用性を有しているのでやるべきは初期学習だけ。
つまり従来まで大きな負担としてのしかかっていた開発費や人件費を根こそぎそぎ落とすことが出来る。
大幅なコスト削減が可能。
具体的にどれぐらい費用が落とせるかというと、工業用ロボットアームを事例にしてみよう。
ロボットアームというのは制御用のプログラムとロボット本体の価格のバランスがどのような比率になっているかご存じだろうか?
なんと制御用プログラムが8で、ロボットアーム本体の製造コストは2だ。
未来において自動車工場のラインを担う1つのロボットアームは、その値段の大半がプログラムの開発及び改修費用なのである。
ではこれをエッジAI化すると価格はどこまで落ちるか。
従来の7割引きである。
つまりこれまで8を担っていたプログラムの開発・改修費用は、エッジAI化すると1/8に落とせるのだ。
大体どの分野でも同じレベルに一気に値段を大幅に引き下げる事が出来る。
だから"可能性の未来"では工業分野での実用化が相次いでいったという事なのだろう。
ロボットアーム自体の製造コストは変わらないので、価格は従来の30%少々となる。
軍用戦闘機においてもアビオニクス側の開発費用は尋常じゃない。
本来の未来におけるF-22は製造費のうち約25%がアビオニクス関連の費用だったという。
つまりF-22の価格はエッジAI化させるだけで約22%ほど落とせるという事になる。
しかもこれは製造価格だけだ。
実際には新しい武装を搭載するためにアビオニクスの改修が必要になったりするが、この費用も尋常じゃない。
高額な予算……すなわち人件費等の費用が必要とされ、改修する事すら憚れる事態に至る事も少なくない。
実際、F-22はいくつかの兵装を新たに装備させるためのアビオニクスの改修が高額な予算に見合わないとの理由で見送られた。
これがエッジAIなら「おう、訓練飛行で何回か射出して感覚を機体に覚えさせとけ」――で済む。
実際には覚えさせたデータを他の機体にも学習データとしてインプットした方が効率はいいだろうが、それだけだ。
いちいちスパゲッティコードのように複雑極まりない状態となっているアビオニクスの改修なんていらない。
覚えればいいんだ。機体が。
搭載した状態での飛び方も、発射の仕方も。
まるでもはや機械生命体の如くであるが、高度な思考は有していない。
知能としては昆虫程度のモノしかなく、意識というようなモノもないだろう。
それでも従来の概念を吹き飛ばす技術であることに変わりはないだろうな。
実現化した"可能性の未来"では、エッジAIによってIoT分野などに革命が起きつつあるとされ、軍用も行われ始めているという。
やらない手は無い。
いや、出来るんだからやるべきだ。
エッジAI、エッジデバイス、そしてRTOS……これら3つは現段階から開発すれば10年後にはすべて実用化可能な技術なのだから。
そのためにはまず、3つの同時並行で開発せねばならない事になる……
10年での実用化は絶対だ。
できるビジョンが見えているからやる。
ただ、これだけでは足りない。
35式主力戦闘機は単純計算で約30年程で完成させねばならない。
しかし要求された性能をすべて満たすにあたっては、上記の仕様を持つ各デバイスの大幅な小型化が必要となる。
技術的に10年、20年程度の前倒しが起きても従来方式の基板によって構成されるデバイスだと所定の性能を満たすのは不可能というのが俺の中での認識だ。
そこで、4つめの概念を新たに見出して開発を行う。
それが三次元構成の基板レス方式の積層チップ。
それも近距離無線通信を利用した三次元設計のチップだけで構成された積層チップ型コンピューターというものを開発し、大幅な小型化を達成する。
積層チップ型コンピューター。
NUPの国立大学等を筆頭に各国が開発していた分野であるが、俺がやり直す直前ではきちんと動作する程のものはまだ完成していなかった。
基本的には理論構築が難しく、理論体系の構築に時間をかけていた状況の中、実証機がいくつか作られていただけ。
ムーアの法則等により二次元的な配置では既に限界にきていたハードウェアを、三次元に配置して並列処理させたら、これまでの性能の限界を突破できるだろうなんて話のもとに開発されていたのを覚えている。
こいつは磁界結合を利用した極近距離無線通信を活用する事で、従来の基板方式から大幅に低電力化しつつ、チップとチップの間に隙間を作れるので冷却効率を大幅に向上させながらチップだけで構成されたコンピューター、あるいはコンピューターデバイスとする事が可能という凄い技術。
一応、弱点としては磁界結合による通信が外的要因によって阻害されやすい事と、そもそも通信速度に限界があり距離にもよる数十μm程度にまで隣接した場合は30Gbps、ある程度離した場合は15Gbps程度が限界であって従来の基板方式と比較して処理速度が劣るという点があるのだが、エッジデバイスやエッジAIでの通信容量はそもそも大きくないから10Gbpsも出れば十分なので是非採用したいと考えている。
どちらかといえば、通信を阻害させないための防磁構造等を見出す必要性がある。
なお、チップ間を接続しなくていいという事は三次元的に組み上げる事も、チップの間に電波浸透性の樹脂を流し込むことで対衝撃構造とする事も出来るなど、デメリットよりもメリットが上回る状態だ。
まさに次の世紀の技術であるが、"可能性の未来"からもたらされた技術情報では実用化に成功しており、IoTデバイスやエッジデバイスに採用され、大幅な小型化に寄与したとの事である。
これを技術情報をもとに実用化できれば……所定の性能を持ちながらも大幅に小型化されたコンピューターを手にすることが出来る。
プロセッサ周りの製造能力が劣っていても、望む性能、望む重量、望む体積とできるはずだ。
それだけじゃない。
三次元にある程度自由に構造設計できるという事は、流体力学に即した胴体構造に合わせた形状にもできるという事。
内部スペースを無駄に消耗せずに済むようになる。
それを後30年ほどでやらないと、17m級で俺が知るF-15等を圧倒する戦闘機なんて作れない。
上手く行けば大幅に価格を落として、信じられないような製造価格での超高性能制空戦闘機の大量生産だってできるはず。
HUDではなくHMDを標準仕様とした、理想の戦闘機を送り出せるはずなんだ。
そのためには国内で技術者を集う必要性がある。
幸い、そのための情報は記憶として刻み込まれている。
"可能性の未来"において存在するSORYの創業者である伊深氏。
"可能性の未来"において皇国発のコンピューター開発を行った丘崎文次氏
他にも京芝や常陸などにも関連する技術者がいる。
これらの技術は軍用に転用するが、技術としては民間用として伸びて欲しい。
ゆえに西条を説得し、民生用として表向き開発しつつ、裏で軍と連携して軍用としての転用が出来るように計画を進める。
既に戦術データリンク等の一連のシステム開発計画を立案しているが、そこにこれらの技術もねじ込む。
戦術データリンクも最終的にはその通信技術は民間の分野でも活用される技術が満載であり、同様の体制で開発を行う。
俺としても……必要だと思うからこそやるだけで兵器にだけ運用されるような技術としたくない。
だが、インターネット等の軍事技術から民間に落とし込まれたような存在があるように、切り分けできない技術がある事も確か。
NUPがプログラム式コンピューターで体系を整えるというなら、皇国はエッジAIで勝負だ。
積層チップ関連の参考資料
https://www.jst.go.jp/seika/bt81-82.html
www.kuroda.elec.keio.ac.jp/modules/pub5/?ml_lang=jp
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AC%E3%82%B9TSV
ロボットアームの参考資料
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2303/06/news049.html
学習可能なエッジAI及びチップに関する参考資料
https://www.rohm.co.jp/news-detail?news-title=2022-09-27_news_ai&defaultGroupId=false
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07218/
参考特許
特許第6813231号
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