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召喚士の世界へようこそ!  作者: 光晴さん
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第5話 ギルド登録と町の石像




宿屋の『大和亭』で一泊した次の日、俺はサポート妖精を連れて冒険者ギルドへやってきた。

ただ、冒険者ギルドの朝は混雑しているから昼近くにしなさいというリリの助言通りに昼近くになってやってきたのだが。



お昼近くの冒険者ギルドは、閑散としていた。

ギルドに入ると、職員と思われる制服を着た人以外はいないようだ。


「すみません、ギルド登録お願いします」

「はい、ようこそ冒険者ギルドローレンド支部へ。

ギルド登録ならば、こちらの紙にご記入ください」


受付嬢から渡された、登録用紙に必要事項を記入していく。

名前、職業、得意武器、得意魔法……記入できない、知らない項目は嘉数に受付嬢に提出する。


「では、ステータスカードを提出してください」

「ステータスカード?」


そこに、今までおとなしく俺の頭の上にいたリリが口を挟んできた。

『ちょっとマスター、ステータスカードを知らないの?』

「すまない、教えてくれリリ」


『マスターは、名前が表示されていたカードを持ってなかった?

フレンド登録したことあるなら、その時使用したカードなんだけど?』


リリの言葉を聞いて思い出し、俺はアイテムボックスからカードを出した。


「リリ、このカードか?」

『そうそれよ、そのカードがステータスカードっていうのよ。

ギルド登録の時は勿論、フレンド登録や身分証明にもなる便利なカードなんだから無くしちゃだめよマスター』


「教えてくれてありがとう、リリ」

『……こんなのサポート妖精の仕事よ』

そう言って、照れたのかプイッと顔をそらした。



ステータスカードをギルドの受付に提出すると、受付嬢がクスクス笑っていた。

何か、恥ずかしいな……。


「フフフ、サポート妖精を連れているということは召喚士の方で間違いないですね。

ステータスカードをお預かりしますね」

「サポート妖精って、召喚士しか連れてないんですか?」


すると俺の頭の上のリリが、俺の頭をパシパシ叩いて抗議してる。


『マスターはなんて質問をしているのよ!

私たちサポート妖精が、召喚以外で地上にいるはずないでしょ!』

「痛いぞリリ、そんなこと言われても知らないことは聞かないと分からないだろう?」


『それはそうだけど……ああ、もうっ!』


……どうやら俺の無知っぷりに呆れてしまったようだ。


「神崎様、こちらがギルドカードです。

お預かりしたステータスカードと一体化しておきましたので、無くさないようにしてください。

それと、こちらの冊子に冒険者ギルドの細かい規定などやギルドランクについて載っていますのでお読みください」


俺は返されたギルドカードを見ると、ステータスカードを一回り大きくしたカードになっていた。

そしてカードには『鉄ランク』と記されていた。

なるほど、これがギルドカードなのか。


「神崎様、さっそく冒険者ギルドの依頼を受けてみますか?」


「俺のランクで受けられる依頼って、どんなものがあるんですか?」

『ちょっと待ちなさい!』


俺の頭の上のリリが、割って入ってきた。

『マスターは、まず自分を守れる武器を手に入れなきゃダメでしょ!』

「わかってるよ。

でもどんな依頼が受けられるかで、この後の買い物で何を買うかが分かるだろ?」


『そのために聞いていたの?』

「そうだよ? リリ、俺だって武器も無しに依頼なんて受けないって」

『……なら、教えてもらって買い物に行きましょう』


そんなリリとの会話を側で聞いていた受付嬢は、やっぱりクスクス笑っている。


「あの?」

「ゴメンなさい? お二人の会話が面白くてね。

そうそう、どんな依頼を受けれるかでしたね」


受付嬢の提示してくれた『鉄ランク』で儲けれる依頼は…。

まずは異世界物の定番、薬草採取。

町の周りの草原で比較的安全に採取できるとのこと。


次が、いろいろな町の中のお手伝い依頼。

そして、これまた定番の討伐依頼だ。


「どうです? どれかお受けになってから買い物に行かれますか?」

『……ダメね、買い物の後もこの町でやることはあるんだから』

「リリ、何かあったか?」


『何言ってるのよ、この町にある石像との契約巡りよ!』







結局俺は、依頼を受けることなく冒険者ギルドを後にした。

受付嬢からは、この町の石像はいくつかありますからそれがいいかもしれませんね。

と、リリに賛同し俺は町中で石像を探すことにした。


「それでリリ、まずはどこに行けばいいんだ?」

『そうね、この町にある石像は四つ。

ここから一番近い場所は『教会』ね、まずは教会に行ってみましょう』


こうして俺たちは教会へ歩いて行った。

ただ、場所がよくわからなかったので、近くの屋台のおばさんに聞きながら行くことになった。




『ここが教会ね』


俺の目の前にある建物は、想像していた教会と違いこじんまりとした村の教会って感じだった。


「この教会の中に石像があるのか?」

『いいえ、石像はこの教会の裏手にあるわ』

「裏手?」


ということで、教会の周りを歩きながら裏手に到着。

確かに、教会の裏手にある井戸の側にその石像はあった。


石像の形は『犬』だ。

どこからどう見ても犬だろう、これを狼とは言わないだろうな。

でも、動物の召喚なんてものもあるんだな……。



『犬の石像と契約しました。スキル「気配察知」を習得しました』


さっそく契約をすると、いいスキルが習得できた。

これで不意打ちや強襲は避けることができるはずだな。


『どうやら、いいスキルが習得できたみたいね』

「ああ、気配察知を習得できたよ」

『へぇ、そのスキルには派生もあるから今後が楽しみね~』


「次の石像はどこにあるんだ?」

『次は、職人街よ!』









第5話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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