闇の中で
私が目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。周りに大きな窓は見当たらず、少し高めの天井を見上げて、光りが射し込む程度の小窓を脇に見つけた。しかし鉄格子でおおわれたそこは手が届かない。
――私は、いったい何処に連れて来られたのだろう。
――レオは…心配している?
そう思ったら、無性にレオが恋しくなって本当は彼の側を離れたくなかったんだと自覚する。同時に涙が溢れてきた。
「ずいぶんとお早いお目覚めですね…」
何処かで聞き覚えのある声のする方に顔を向けた。
――やっぱり…
「君とは前に一度、逢っているよね」
私は硬い表情のまま、部屋の鉄のドアを開けてこちを見つめる相手を見た。
「あの時の君がまさか本当にアマドーラの雫だとは!あっぱれだよ」
少しずつ近づいてくる彼に恐怖を感じて体が震える。しかしそれを覚られまいと、私は両手に力を入れた。
「そんなに怯えなくても、私の言うことを素直に聞けば、可愛がってやる」
咄嗟に片方の腕を掴まれ、私の体は硬直した。その瞬間…弾き飛ばされた男の鈍い声が聞こえた。
「うっ…な、な何をしたのだ‼この私をシールドで弾き飛ばすなどっ!」
私は身動きがとれないながら、レオのシールドに守られた事を理解した。少し体が温かくなる。
――レオ、ありがとう。
その後、タクシンは私に触れられない事が分かると罵るような捨て台詞を言って部屋から出て行った。
――レオに…会いたい。
自分から城を飛び出しておいて、こんなことを思うのはおかしい事だと分かっていても、私は静かにその場に座りこんでしまった。
――レオ…。




