必要な人
私はあなたを愛している。
今、あなたのことを想うと、身が千切れるぐらいに。
それでも私はあなたと別れることを選んだ。
別れ際に、もっともな理由を様々並べ、そしてそれは至極真っ当で、嘘ではなかった。
しかし、別れたかった本当の理由はわからない。
今、あなたのことを想うと、私の心は震える。
不安で、寂しくて、心細いとき、私はあなたを想い出す。
誰かに支えてもらいたい。
誰かに抱きしめてもらいたい。
誰かに必要だと言われたい。
あなたを想いながら、そして疑う。
「誰か」は誰だ?
「誰か」はあなたか?
私はあなたを愛しているのか。
不安を和らげ、心の支えになり、側にいてくれる人なら、誰でも良かったのか。
あの時、手近にいて私になびく人なら誰でも?