闘士歴:1時限目
「まず、常識の復習だが、この町は<始まりの町>と呼ばれている。
理由としては、この町には唯一の<戦闘科>と呼ばれる学科が存在しているからだ。
そして、この世界には<魔力>と呼ばれる不思議なエネルギーが存在する。
<マナ>という言い方をすることもあるがな。
また、魔法とは魔力を消費することで起こる世界の歪みの事だ。
歪みは消費する魔力の量や消費する際に頭の中でイメージした事象によって変化する。
人や動物には魔力の許容限界量が決まっている。
魔力は空気中に存在するため、許容限界量までは自然に回復する。
魔力の許容限界量は努力次第である程度は伸びる。
魔力を許容限界量以上に回復してしまうと、人は魔人、動物は魔物、と呼ばれる存在に堕ちる。
魔人、魔物には例外を除き、自我がなく、何かを破壊することしか頭にない。
ほかにも、魔物は自然発生する。
ここまでで何か質問は?」
「「「ありません。」」」
まぁ、当然だろう。
これぐらいのことがわからなければ、試験で落ちているだろうしな。
「そうか、なら続きだ。
メイジの大半が杖を持っているが、なぜだ?」
先ほどの少年……佐山、だったかな?に答えさせよう。
「えっと……魔法は杖を媒体に発動させるからですよね?」
「ハズレだ。」
「えっ!?」
……答えられないのはコイツだけだと思っていたんだが、ほかのやつらもさっきの答えが正しいと思っていたみたいだな。
だが……
「なら、杖を持たないで魔法を使っているメイジはどうなる?」
「あっ……わかりません。」
まったく……
「杖は魔法の威力を高めるからだ。メイジとはいっても、杖で魔法を強化してやっと使える程度でしかない。
杖を使わずに魔法を発動できる奴は、おそらく相当な腕前の奴だ。
もっとも、お前たちには卒業するまでに、そのようになってもらうがな。
今回の授業はここまでだ。」
……さてと、この程度のレベルではスケジュールを変えないとついてこられないな。
今夜も徹夜するか。