初授業
みなさん、インフルには注意を~
「それでは、改めて自己紹介をする。
今日からこのクラスの副担任になった川田 優希だ。
お前らには他に覚えるべきことがたくさんあるだろうから俺の名前なんて覚えなくていい。
それから、俺は<戦闘学>と<闘士歴>を教えることになった。」
時間割を確認して……
「よし、一時間目は闘士歴だな。
今から授業を行う。全員準備しろ。」
「闘士歴ってあのバトラーの歴史とかそういうのだよな……」
「あれ嫌~い……」
そんな中で、ついに現れてしまった。
「先生!! 僕の名前は佐山 遼といいます。
僕たちは今を生きているんです!!
昔のことなんてどうでもいい。
闘士歴なんていらないので、はやく戦闘学を教えてください!!」
こういうバカなやつが……
「お前たちはバトラーについては知っているな?
バトラーとは、この世界に存在する<魔物>を倒す者のことであり、また、<迷宮>と呼ばれるダンジョンを攻略していく者の事でもある。
そして、バトラーには<ジョブ>と呼ばれるいくつかの戦闘スタイルと<スキル>と呼ばれる技がある。
たとえば、<ジョブ>についてだが、
ソルジャーは、その名の通り近接系の武器を使用するアタッカーだ。
レンジャーは、様々な銃器を用いて遠距離からソルジャーが攻撃するためのスキを作る。
メイジは、魔法に精通しており、ほかの仲間の能力を上げたり、レンジャーと同じ役割を行ったりする。
つまり、バトラーは自分の戦闘スタイルを見極め、それにあった仲間と<クラン>と呼ばれるチームを作って戦っていくことになる。
戦闘スタイルを見極めるということはとても難しいことだ。
しかし、昔の偉大なバトラーと戦闘スタイルが似ていたとしたら?
いろいろなことが一気に楽にならないか?」
「うっ……で、でも!!」
「まだわからんか……
なら、お前はどうやって<スキル>を会得したんだ?」
「そんなの決まってるでしょう!!
書物から学び、実践して、やっと手に入れました!!」
「はぁ……そこまで言ってわからんか?」
「なにがです……あ……」
「そうだ。お前は昔の人によって伝えられた情報によって<スキル>を会得した。
ということはだ……お前は少なくとも<スキル>を会得する時は闘士歴という学問に興味があったんじゃなかったのか?
ちっぽけな<スキル>さえ会得したらもういいのか?
もっと強くなりたいと思わないのか?
思わないやつは俺の授業なんて受けなくていい。
せいぜい魔物にでも喰われるといい。
俺は戦闘学と闘士歴は同等なものと思っている。」
こういうときは言いたいことを言ってやればいい
すると……
「……申し訳、ありませんでした。」
こうなる
キーンコーンカーンコーン
こうして、俺の初授業は終わったのだった。