昔話(2)
久しぶりです!!
あの日から1年、拾われた先はとても幸せな家庭だった。
父がいて、母がいて、義姉と義妹もいる。
両親は現役時代に有名だったバトラーらしく、<<疾風の夫婦>>などと呼ばれていたらしい。
それを聞いて知らない人が「二つ名なんてつけられて恥ずかしくないのか……」と嘆いていたのはまた別の話。
僕はそれからいろいろな戦闘訓練を受けた。
朝起きると訓練、昼からは義姉や義妹と遊ぶ
そんな幸せな日常だった。
---------しかし、幸せはそう長くは続かない。
ある日突然、父が失踪したのだ。
当然探した。ありとあらゆる手段を使って……
近所の人にも聞いた。父の友人だったバトラーのおじさんにも聞いた。
しかし、見つからなかった。
僕らは絶対に強くなって父を見つけ出すことを誓った。
---一人を除いて……
母はその日から男嫌いになった。
曰く、「男なんて信用できない!!」らしい。
もちろん僕だって男だ。
炊事、洗濯、掃除はもちろん自分でするハメになった。
それどころか、目を見ただけで「その反抗的な目が気に食わない!!」とぶたれた。
何度も何度もぶたれた。
しかし、その度に義姉さんが助けてくれた。
そして、ひとつの約束をしてくれた。
その約束とは、「これからどんなことがあろうとも、私はあなたのそばにいるからね。」というものだった。