昔話(1)
遅れてすみません~
皆様は今年のクリスマスをどうお過ごしでしょうか?
私は相変わらず一人です(T_T)
少しだけ昔話をしよう。
昔、ある所に一人の少年がいた。
いや、正確に言うと捨てられていた。
なぜなら、『僕の名前は〔***〕です。どうぞ、拾って行ってください。』と書かれた段ボールの中に入れられて、人通りの多い道におかれていたのだから……
少し前までは珍しがってジロジロと見てくる人もいたが、そんな人達も数日前に来なくなった。
ある日のことだった。
その日は空が黒く染まり、雨が降っていた。
しかし、少年の眼の色はもっと黒い、言うなれば〈絶望〉の色に染まっていた。
そんなとき、「どうしたの?」
そんな声が聞こえた。
見ると、少年より年上、年下の少女が二人、彼を見ていた。
大人達は、自分ではなく、自分の哀れな境遇に同情していたにすぎない。
しかし、彼女達の目に哀れみは見えない。
もしかすると二人は哀れみという感情さえ知らないのかもしれない。
しかし、それでもよかった。
自分自身を見てくれている人がいる、と分かっただけで十分だったのだから……
その後も予想外なことは続いた。
なんとその少女たちが「この子と一緒にいたい!!」と父親に掛け合ってくれたのだ。
父親は笑みを浮かべながら一言、「実は私は男の子もほしかったんだ」と。
その一言が僕の運命を変えた。