第74話ー朗らかな朝ー
話のストックが無くなってしまいましたー!
頑張って書きます!!
川沿いに設置された野営地に、朝日が差し込む。それぞれパーティーごとに、目覚めたりまだ少し…といったように朝を迎えている。
1番外側で野営していた縁たちは、1番にヤオが起き出していた。ヤオが種火に手をかざし陽の気を送ると、炎が再び立ち上がる。欠伸をしながら小枝を放り込み炎を大きくする。
「ふあぁぁ。」
欠伸をしながらユエが起き出してくる。
「おはよう。」
とヤンガの声もする。
「師匠が最後か。珍しいな。」
ヤオが言った。
「仕方ないよ。昨日師匠は何体リザードマンを倒したと思うよ?朝ぐらいゆっくりしたいさ。」
とヤンガが手をヒラヒラさせて言った。
「確かに。…えげつなかった。」
とユエ。3人の脳裏にはリザードマンキングとの戦いが思い出されていた。
「あれだけ気配を消せる人ってそうはいないよね。僕は魔法使いだから、気配を上手く消せたら有利だよね…。」
とヤンガ。
「そうだな。気配を消すのはどのジョブでもできて損は無い。」
とヤンガの耳元で縁が囁く。
「ひぇっ!!!」
ヤンガが目を丸くして飛び上がった。
「師匠、ヤンガをいじめないでくださいよ。」
とユエ。ヤオとユエはたまたま目視で縁が見えていたから気づいたものの、気配は全くしなかった。
「師匠、前から思っていたんですけど、1回生い立ちとか教えてくれます??SSSになった理由とか、すごく興味があるんですが。」
とヤオがジトっとした目で縁を見つめた。
「あーーー、今度な。また今度。何しろ昔の話だからね。」
と目を泳がせて縁は言った。訳ありなのはわかっているが、これほどの高みに至った理由を3人は早く知りたかった。
「師匠、絶対教えてくださいよ!」
ユエが念押しする。
「わかった!わかったから!」
縁は降参のポーズをとって言った。
ー私の正体を知ってもなお、弟子でいられるかどうか…おそらく大丈夫なのは分かってるんだが、気が重いな。ー
と内心は嫌だなぁと思っている縁であった。
そこに俊宇の声が聞こえてきた。
「各自朝食をとったのち、テントを1箇所に集めてくれ。受け渡したところだ。それが終わったら、馬車に乗ってくれ!」
縁は空間術式からレーションと干し肉を取り出して、3人に渡した。
「みんなと行動となると、いつもの豪華なご飯が食べられないのが苦痛よねぇ。」
ユエはレーションをモショモショ食べながら言った。
「仕方ないよ。僕らだけシチュー!とか、焼肉!とかやってたらやっかみがすごいことになる。」
ヤンガもモサモサとかじりながら言った。
「俺はけっこうこのレーション好きだけどな!ナッツとかドライフルーツとか入ってるから美味しいし。どこで売ってるのか知りたいよ。」
とヤオ。
「ん?これは私のお手製だぞ?」
と縁は言った。
「え?そうなんですか?!ぜひ作り方を教えてください!!」
とヤンガが目をキラキラさせていった。
「混ぜて焼くだけだから、料理初心者のお前たちにもできるだろう。瑠璃鎮についたら、厨房を借りて作ってみるか!」
と縁は微笑んだ。
「楽しみ〜!」
とユエが笑う。
「料理なんて俺にできるのか…?」
と不安そうなヤオ。
前日の殺伐とした空気からは、想像もできない、朗らかな朝だった。
時は少し流れる。
馬車から瑠璃鎮の城壁が見えてきた。先頭を白曜と共に行く縁と、ヤンガは、大きく手を振る城門の憲兵が目に入る。視力が優れる縁は、守備隊長の建平がイカつい顔を綻ばせているのが見えていた。
ーまたひとつ、人の笑顔を守ることができた…。ー
縁は感慨深い思いにかられた。内心で、ふと歩んできた道筋を振り返る。長い長い時間。喜び、悲しみ、多くの出来事があった。感情を"抱かない"そんな時間も、長くあったのは確かだった。
ー私の身の上について、黙っているのは得策ではない…。ー
縁は自身の身の上について、話す覚悟を決めるのだった。
少し冷たい秋の風が縁の髪を揺らしたのだった。




