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双蛇ノ縁ーソウダノエニシー  作者: 環林檎


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第67話ー訓練所にてー

昨日は体調不良により更新できませんでした。

申し訳ありません。

次は金曜に更新予定です。

翌日、4人は朝ごはんを取りながら一日の予定を確認していた。

「今日は午前中はギルドの訓練所で修行だ。あ、すっかり忘れていたが、リザードマンの件も聞いておかなければな。午後は黒い布を買いに行ってから、暁東(シャオドン)の所へ、お線香をあげに行く。」

と縁は言った。

「黒い布はなんのためにいるの?」

とユエが聞く。縁は、

「弔いの印さ。冒険者は渡り歩くものも多いから、服を荷物にしないようにしている。だから、弔意を示すために、何かあったら黒い布を左腕に巻くのさ。」

と説明した。3人は、

「「「なるほど!」」」

と頷いた。縁は、

「まぁ今日はのんびりやっていこう。朝イチのギルドは人がいっぱいで大変だからな。」

と言って粥を啜った。


10時頃、4人の姿はギルドにあった。相変わらず受付には芷瑶(ヂーャォ)が居る。縁は、

ーなんで私たちが受付にいく時は芷瑶なんだ??ー

とふと思ったが、どうしようもないのでスルーした。縁は、

「芷瑶さん、一昨日、弟子3人が瑠華鈴蘭のクエストを受けただろ?その時にリザードマン7体に襲われてるパーティを助けたんだ。Eランク4人のパーティだったから、リザードマン7体は危機的だった。他にそういう報告はあがってないか?」

と芷瑶に聞く。

「リザードマンに襲われた…ですね。私にもそういう報告は来てます。他のギルドスタッフにも同じような報告が来ていないか確認します。」

と芷瑶は答えた。縁は、

「報告数が多ければ、リザードマンの集落ができつつある可能性がある。訓練所を使った後に寄るから、また結果を聞かせてくれ。」

と告げ、弟子3人を引き連れ訓練所へ向かった。


訓練所にて、縁は、

「さーて、初めは準備運動がてらに、全員で私にかかってこい!」

と言った。ヤオは、

「上等!1発入れて差し上げますからね!」

と腕をのばしながら言う。

「私だって少しは成長してるのよ〜」

と笑みを浮かべるユエ。

「この杖使うの初めてなんで、どうなっても知りませんよー!!」

と半泣きのヤンガである。

「さぁて…はじめっ!!!」

縁はギルドから借りた刃を潰した剣を構え、開始の掛け声をかける。

この声とほぼ同時に、

「月影!朧!」

ユエの影魔法が炸裂する。シャドウ・ガーデンの上位互換である、月影・朧は、全体効果として、互いの気配を分散し攪乱、魔力を視認できにくくするといった効果があった。ユエ自身には、その濃い影に隠遁できるという、高い秘匿性のある技である。デメリットとして、味方の気配も撹乱されてしまうのだが。

ヤンガはこの影を利用し、気配を消す。そして菩提樹の杖を地面に突き立て、無詠唱で魔法を放った。

縁の足元から無数の茨が突如として出現した。縁を絡め取るようにして、茨は伸びていく。

ー捕まえた!ー

そうヤンガが思った時、

「ポン!」

と何かが弾ける音がした。視界が悪く何も見えない。すると、

「隙あり!」

と真横から縁が突っ込んでくる。

「つっ!?」

ヤンガは咄嗟に茨で盾を作った。それをすり抜けるものがいた。ヤオだ。金色の魔力を纏わせた拳、寸勁で縁の腹を狙って、

「はっ!!!」

と拳を叩き込む。縁はそれを剣で受け止め、後ろに跳躍する。そこに待ち受けていたのはユエである。暗器に魔力を通し、縁の首筋を狙う。

「キンッ!」

高い音をたてて、金属同士がぶつかり合う音がする。ユエは弾かれた反動を利用してまた、影に滑り込んだ。

縁は、

「みんな、なかなかのコンビネーションだ。ヤンガ、私は陰陽師だから符術使いでもある。惑わされるなよ。」

と剣を構えながら言った。ヤンガは、

「なるほど、さっきのは符か。」

と納得した顔をしている。その頭の中では、

思考共有(リンク)が僕ができたらいいんだけど、上手くできる自信が無い。となれば…ー

と目まぐるしい頭の回転をしている。そして、

「茨よいでよ、かごめかごめ、聖なる紋章の籠となりて、この空間を包め!六芒の茨!」

と詠唱した。すると、影のふちからカゴメ紋に茨が蔓を伸ばし、訓練所を囲った。

「ヤオ、ユエ!僕は四方八方から蔓を伸ばすから、その間に師匠を!」

とヤンガは叫んだ。濃い闇と茨の籠の中で、攻防が始まる。

縁は気配を極限まで消し、影の中を走る。そこにユエの影の牙が迫り、

「キンッ!」

と音がする。その場所に向かって、籠の蔓が四方八方から伸びてくる。縁はそれを魔力を纏わせた剣で強引に叩き切り、一回転して飛び出す。そこにヤオが飛び込む。

「せいやっ!!!」

強烈な右足の蹴りである。縁は数センチ体をずらし、ヤオの足首を掴む。

「なに?!」

思わず声に出したヤオを対角線上に投げる。

「ヤオ!」

と声を上げてヤンガは無数の蔦で受け止めた。それを足場にし反動を利用して、ヤオは縁に向かって蹴りを繰り出した。縁は咄嗟に避けようとするが、足にユエの影が絡みつき一瞬の隙をつかれ、剣で防御する。

「バキッ!!!」

ヤオの渾身の一撃を食らい、剣は砕けてしまった。縁は大きく後方にジャンプすると、

「一旦ストップ!」

と声をかけた。


ユエは月影・朧をとき、ヤンガも六芒の茨をとく。

「あっちゃー、剣、壊しちゃった…。」

と縁は頭をポリポリとかく。そして、

「お前たち、素晴らしい連携だ。思考共有も使わずによくあれだけできたもんだ!誇らしいよ。」

と笑顔で言った。

「やり始めて思ったけど、やっぱり思考共有は必須ね。ヤンガもできるようにならないと…。」

とユエ。ヤンガも、

「僕もそう思った。いつも思念を拾ってもらうばかりだったから、糸電話のイメージでこれからやってみるよ。」

と頷いている。

「実戦で役に立つからいいよな。師匠は盗聴できるから、あんまり意味ないけど。」

とヤオは言った。

縁は真っ二つになった剣を隅に起き、

「連携はまぁいい感じだ。今度は1人ずつ稽古をつけてやりたいんだが…来客だな。」

と訓練所の入口を見た。


すると芷瑶が走ってきた。

「縁さん!お弟子さんを連れて至急ギルドマスターのところへお願いします。」

と息を切らせながら言った。

ーリザードマンの集落があったのか、他に私に頼みがあるのか…ー

縁は考えつつ、

「今すぐ行く。でも、ギルドの備品壊しちゃって、これいくらのやつ?」

と頭を掻きながら言った。

芷瑶は、

「それはあとから考えるので!とにかく来てください!」

と目を白黒させながら言ったのだった。



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