第64話ー決闘 後半ー
遅くなりました!3日ぶりの更新です!
1時ピッタリ。
「これより決闘を開始する!はじめっ!!!」
ギルドマスターである梓乐の声により、ヤオとアギトの決闘が始まった。周りにはたくさんの野次馬が群がっている。
アギトはこの前のようにいきなり突っかからず、戦斧に魔力を込めてじっと相手を伺う。ヤオも全身に魔力を行き渡らせて相手の隙を伺う。誘って、誘われて、誘って。時間にして数分、呼吸が一致した瞬間、間合いが詰まる。
「うおおおお!」
とアギトが赤い魔力をまとった戦斧を振りおろす。
縁は、
「動きが昨日よりかなり早いな。恐らく斧がマジックアイテムで、その効果か…。」
と呟く。ユエは、
「だからあの時ごねたのね、まじダッサー。」
と手をヒラヒラさせた。ヤンガは、
「それなら、このアギトって人、かなりマジックアイテムに依存した戦い方するんだろうね。」
と冷静に分析する。
ヤオは、バックステップで避け、地面に突き刺さった戦斧を足で抑え、アギトの頭を殴る。
「ぐふぉっ!!!」
アギトは吹っ飛ばされるが、意地でも戦斧は離さない。体勢を立て直したアギトに、またもヤオの拳が迫る。
「しゃらくせぇ!!!」
アギトは戦斧から斬撃を"飛ばした"。ヤオは一瞬目を見開くと、素早く跳躍して避ける。
「マジックアイテムか…。」
とヤオは呟く。アギトはヤオが引いたと見るや、一気に間合いを詰めて斬撃を繰り出す。ヤオはそれを全て避け、アギトの懐に入り込む。
「なっ!!」
「こんな感じかな?!」
ヤオはアギトの服を掴むと、縁と同じように後ろに転がり、巴投げをした。さすがに縁が行ったほど威力はない。が、アギトは、
「ハギャ!!」
と言って頭から地面に叩きつけられた。もろに頭から打ちつけ、アギトは目がチカチカする。
「おい、まだやるか?」
ヤオは間合いを撮って、指で煽る。
「くっそおおぉ!!!」
アギトは絶叫しながら、また斬撃を飛ばしてくる。ヤオは拳に金色の魔力を纏わせ、斬撃を叩き壊した。群衆からどよめきが起こる。
「うん、寸勁なら可能か。」
ヤオは笑顔で言った。アギトは言葉を失うが、
「まだまだぁ!!!」
と戦斧に魔力を込める。すると戦斧から
「バリバリバリバリ!!!」
と音が響いてきた。ショートしたかのような音に、弾ける魔力。アギトは、
「これを食らって、生きていられるかぁ?!!」
と叫びながら突進してくる。
審判の梓乐から
「おいまて!それはいけないっ!!!」
という声が聞こえてくる。だがアギトは、マジックアイテムの力か、格段に素早い。ヤオは、
「上等!!」
と自分の魔力を解放する。金色の光が周りに溢れ出る。
赤い雷光と金色の拳。重なり合ったその瞬間、
「バキッ!!!!!」
とヤオがアギトの顎を殴りきった音が響いた。赤い雷光の戦斧は光を失って、
「カラン」
と地面に落ちた。アギトは白目を向き、大の字になって倒れた。ヤオは自然体に戻り、
「おーい審判。終わったぞー。」
と言った。
梓乐は、
「アギトは、死んでないよな…」
と言いながら近づいてくる。
「アッパーしたぐらいだから、死んではいないさ。」
とヤオは言った。梓乐はアギトの脈を確認すると、
「よし、死んでない。」
と安堵の息を着いた。そして、
「この決闘!勝者はヤオ!勝者はヤオだ!!!」
と宣言した。
「わーーーーーー!!!!!」
と野次馬から歓声があがる。
縁は、
「まぁ私の弟子なら、勝って当たり前といつところかな。」
と頷いた。
「そりゃそうよ。あんなザコに負けちゃあ陰陽の化身失格だわ。」
とユエ。ヤンガは、
「ヤオ相手にアギト?だっけ、よく頑張ったよね。 やっぱりマジックアイテムだよりだったけど。」
と笑顔で言った。そこにヤオがやってくる。ヤオは
「どうですか?師匠の真似してみたんですけど。」
と頭を掻きながら尋ねる。
「あれは巴投げという柔道の技なんだ。よく再現できていたぞ。やはりセンスがすごいな。」
と縁は褒めた。
「ありがとうございます!」
とヤオは満面の笑みを浮かべた。ユエは、
「あーあ、私にも決闘が舞い込んできたら白金貨10枚手に入ったのに…。」
と愚痴をこぼす。そこに梓乐が、
「アギトがマジックアイテムの奥義を使ってきたから焦ったよ。まぁ、君は傷1つ付いていない訳だが。これが賞金だ。納めてくれ。」
と小袋を持って言った。そして、
「アギトは素行不良が酷すぎる。ランクを落とそうと思っている。君たち3人のランクは思い通りになると思うから、まだ時間がかかるが安心して欲しい。」
と縁に告げた。
「「「イェーイ!」」」
と弟子3人はハイタッチする。縁は、
「ギルドマスター、色々迷惑をかける。ありがとう。」
と軽く頭を下げた。
「いや、うちの冒険者が迷惑をかけてすまない。この決闘にもし縁殿が出ていたらと思うと、胃がキリキリするよ。お弟子さんでよかった。」
と梓乐はおどけて言った。
「はっはっはっはっ!運が良かったな。」
と縁は笑った。
群衆の中では賭けを行っており、悲喜こもごもが混じっているのだった。




