表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双蛇ノ縁ーソウダノエニシー  作者: 環林檎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/64

第63話ー決闘 前半ー

久しぶりの更新です。

こんな感じで3日ごとぐらいに更新したいと思います。

結局図書街ではヤンガの思いどうりにならなかった。なぜなら3人とも、

「お腹減った〜」

と言い始めたからである。

「晩飯にするか〜。」

と縁も同意し、瑠璃の小箱亭で晩御飯を食べることになった。


晩ご飯では、

「明日の決闘だが、大した決まりは無い。とにかく殺さないこと。致命傷を与えないことが絶対的なルールだ。あと、建物を壊すと修繕費を払わされる。地面は土魔法で何とかなる。」

と縁からレクチャーを受ける。当事者であるヤオは、

「つまり寸勁は使えないってことだな。なんか、相殺する力無さそうだしな〜。」

とレンゲをプラプラさせる。

「どうせ戦うなら噛みごたえのある相手がいいわよね。自分の成長に直結するような…。」

とユエ。

「それは贅沢ってものだ。なかなか自分が満足する相手とは巡り合わないさ。私たちぐらいともなるとな。」

と縁はお茶を啜りながら言った。

「3人はいいですよ!僕がもし決闘の指名されてたらどうするんですか?!魔法使いに前衛の拳闘士とか最悪ですからね。」

とヤンガが文句を垂れる。

「なんだよ。魔法で雁字搦めにしたらいいじゃないか。」

とヤオがたけのこを食べながら言う。

「まぁ僕も考えは同じだけど。開始と同時に無詠唱で茨で縛っちゃうかな。」

とヤンガ。

「うわ、見栄えしねー。」

とユエが渋い顔をしながら言う。

「ヤオ、明日はせめて周りを楽しませる決闘をしろよ!」

ユエがヤオに言った。

「うーん、あいつAランクであれぐらいしかできないんだろ?どうシュミレートしても5分以内に終えてしまうんだが…」

ヤオが面倒くさそうに言った。

「ま、もしかしたら相手は武器を持ってくるかもしれないし、楽しんでやれ。」

縁は笑顔でヤオの背中を叩いた。


翌朝、縁たちはギルドのピーク時間を過ぎた時間帯に訓練場を下見に来た。広さは結構ある。体育館ほどある。

「これなら思う存分動き回れるな。」

とユエ。

「後は黒龍のアギトっていうパーティーのことをギルドに聞きますか!」

とユエ。

「そうだな。それがいい。」

と縁は頷いた。

受付には相変わらず芷瑶(ヂーャォ)がいる。

「おはよう、芷瑶さん。黒龍のアギトといつAランクパーティーについて少し聞きたいんだが。」

と縁。

「おはようございます。黒龍のアギトですか?近接戦闘のアギトさんを筆頭にアーチャーのハルさん、タンクのフユキさん、剣士のハルクさん、魔法使いのツヅキさんが所属するAランクパーティーです。」

とスラスラと返事をする芷瑶。

「全員Aランクなのか?」

とヤオ。

「そうなのですが…アギトさんだけ条件付きになってます。何かと素行が荒い人なので。」

芷瑶の言葉に、思わず4人で顔を見合わせる。

「「「「ぷぷぷー!!」」」」

と4人は思わず笑った。芷瑶は疑問の顔を浮かべる。

「いやな、ヤオがな、そのアギトに今日の1時からそこの訓練場で決闘を申し込まれてるんだよ。」

縁は笑いを堪えながら言った。

「な、なんですって?!」

芷瑶が血相を変える。

「条件付きとは言えそれは実力が低いからじゃありません。Aランクですよ?ヤオさんBランク申請ですよね?決闘はやめた方が…。」

と芷瑶は説得にかかる。縁は、

「昨日、もう1回ぶちのめしてるんだよね。この件、一応ギルドマスターに伝えておいてくれる?加点になるかもしれないし。」

と言うと、カウンターを後にした。


「さてと、決闘前に腹ごしらえと行くか!」

縁はグーグーなる腹を抑えた。縁たちは屋台で串焼きや肉饅頭を買って、片っ端から腹に詰め込んでいった。縁は気に入ったものを大量買いして空間術式に格納していく。それを見て屋台街の店主たちは黙っていなかった。

「姉ちゃんこっちこっち!」

「うちの串焼きもうまいよ!」

「うちはさっぱり系のスープだよ!」

とより姦しさが増すのであった。

「腹ごしらえも終わったし、訓練場で少し体を慣らすか?」

縁はヤオに声をかける。

「はい!ぜひお願いします!」

ヤオは嬉しそうに言った。


12時過ぎ、ギルドの訓練場で向かい合う縁とヤオ。

「私には寸勁使ってもいいからな。いくぞ。」

縁は腰を少し落として言った。

「はい!では!」

ヤオは返事とともに、滑るように走り出す。そして空気を切る蹴りを繰り出す。縁はそれを片腕で受け止める。そして左手で掴みヤオを倒そうとする。ヤオはそれを見越して体をそのまま回転させ、腕を振り切った。

瞬きを許さない攻防に、ユエとヤンガは釘付けになる。他で模擬戦をしていた冒険者も、次第に釘付けになっていく。

「はっ!!!」

「はぁっ!!!」

2人の闘気がぶつかって乾いた音が鳴る。

一瞬の隙をついて縁が懐に入る。そのまま殴るのではなく、服を掴んで巴投げをする。

「バコっ!!!」

あまりのスピードにヤオは受身を取り損ない、地面に凹みができる。

「げふっ!!!」

とヤオは唾を吐く。

それを見ながら縁は、

「おっと、やりすぎたか。ウォーミングアップは終わりだな。ヤンガ、アクア・ヒールをかけてやってくれ。」

とヤンガに声をかけた。

「は、はい!ヤオ大丈夫?!」

とヤンガが走ってくる。

「全然何が起こったか分からなかった。」

とヤオ。

「アクア・ヒール!」

とヤンガは全身にヒールをかける。

「僕も全然わからなかった。やっぱり師匠の底は知れないね。」

とヤンガは苦笑いした。

「ヤオ、ヤンガ、あんまり喋らない方がいいわ。私たち注目の的だから。」

とユエ。ヤオが見ると入口から訓練場の奥の方まで、多くの冒険者達がこっちを見ていた。縁も、

「ちょっとやりすぎたな。衆目を集めすぎた。」

と地面の凹みを土魔法で直しながら呟いた。


群衆の中から、

「おい、おめぇ。逃げずによく来たな。」

とどこかで聞いた声がする。黒龍のアギトのアギトだ。手には戦斧を持っている。

「おやおやアギトさん、パーティーの皆さんは?お連れでない?」

ユエはアギトに向かって言った。アギトは顎をしゃくったので背後を見ると、青い顔をしたパーティーメンバーが立っていた。

「あいつら、相手がSランク冒険者の弟子だからってビビってやんの。」

とアギト。

「あー、ご愁傷さま。お気の毒に。」

とヘラヘラしながら笑って言うユエ。

そこに、

「縁さーん!アギトさーん!この決闘、ギルドが審判を行います!」

と芷瑶が走り込んできた。後ろから、ギルドマスター梓乐(ズーラ)が入ってくる。

「どういうことだ。ギルドマスター、説明してくれるか?」

縁は眉をひそめて言った。

「話は聞いた。この決闘の結果を加味してランク申請を考える。ユエの方は相手がいないから、ヤオの試合を参考にさせてもらう。」

と梓乐。縁は、

「ヤオ、ユエ、ヤンガ、こういう理由だそうだ。ヤオ手加減しなくて良さそうだな。」

と面倒くさそうに言った。ヤオは、

「寸勁は?」

と縁に聞く。縁は

「使っていい。ただし武器に対してだけな。」

と言った。

「おい、俺抜きで何話してるんだ!?」

とアギトが青筋を立ててがなり立てる。

「アギト、この決闘はギルドがもつ。勝ったら白金貨10枚だ。」

と梓乐は冷ややかに見つめて言った。

「お、それは気前が良いねぇ。」

早くも勝った気になっているアギト。ただ白金貨10枚はヤオの闘争心にも火をつけた。

「白金貨10枚?!それは俺も貰えるんだよな?」

と梓乐に聞く。

「もちろんだ。勝てば君の取り分でもある。」

と梓乐は言った。

「よっし!俄然やる気が出てきたぞ!」

とヤオ。

「では1時より、ヤオとアギトの決闘を行う。ルールは致命傷禁止。ギルドのものを壊した場合は弁償。アギト!その戦斧は刃を潰したものと交換だ。」

と梓乐。

「あ?冒険者は命懸けだぞ?そんなんで決闘になるかよ。」

とアギト。

「致命傷になったらどうするつもりだ!だから〜」

梓乐は頭にきたように言う。それを、

「かまいませんよ。その戦斧使ってください。」

とヤオが遮った。

「お前、こんな所で怪我をするのは蛮勇だ!」

と梓乐は怒鳴った。

「構わない。戦斧があろうとなかろうとヤオが勝つ。」

と縁が言った。辺りはシーンとする。


梓乐は、

「わかった。三者合意ならいいだろう。もう勝手にしろ。」

と梓乐は言った。

「審判はギルドマスターである俺と、俊宇(ジュンユー)で行う。もう1時だ。用意しろ。」

と改めて梓乐は言った。


ギルドの訓練場にこれ以上ない緊張感が漂う。ヤオ対アギト、これからプライドをかけた戦いが始まる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ