第47話ー頑張ったあとは(メシウマ回)ー
「浄めの炎!」
縁たちは自分たちに浄化の魔術をかけていく。
「あーさっぱりした!けど、ここまで体を使うとお風呂に入りたい!」
ユエがぼやく。
「次の街、瑠璃鎮まで我慢だよ。さてさて、晩御飯をどうするかな。」
縁は空間術式をゴソゴソする。
ー身体も精神も酷使したから、カップラーメンとはいくまい…。かと言って火は起こせないし、保温魔法ぐらいか、ならロックブルを使ったビーフシチューを出すか。あとはロールパンがあればいいだろ。ー
縁はいきなり寸胴を取り出した。
「晩ご飯ですか?!」
ヤンガが嬉しそうに声をかける。
「いい匂いだ!洋風の料理ですね。」
ヤオも目がキラキラしている。
「岩場に住むロックブルという牛の肩ロース、すね肉をふんだんに使ったビーフシチューだよ。このバスケットのロールパンと相性抜群さ!」
縁は食器を取り出しながら言った。
「師匠ってホントどれだけ食事のストック持ってるのやら。」
ユエは目を白黒している。
「覚えてない!こういう時に便利だろ?心も体も疲れきった時に、レーションじゃ味気ないからな。」
縁は感慨深げに言う。
ーそう、体や心の疲労を無視してはダメだ。いずれ心が死ぬからな…。ー
縁はこれまでの経験を思い出す。
「さてさて!食べるぞ!合掌、いただきます!」
「「「いただきます。」」」
みなは一斉にビーフシチューにぱくつく。
「ほいしい!!すごい濃い!」
ユエは喜びの声をあげる。
「濃厚で赤ワインの風味効いていて、美味しいです!お肉もホロッホロで、うーん!」
ヤンガは初めての味に感動している。
「うまい!おかわり!!!」
ヤオは早速おかわりである。
「はいはい、急いで食べなくても鍋は逃げないぞ。」
縁は笑いながらついでやる。
アオバの家族は興味津々でそれを見ている。
「すまないな、アオバ。さすがに私でもお前たちの分は無いな…。おチビちゃんも鍋ひとつ食べそうだしな。」
縁はすまなさそうに言う。
「いえいえ、かまいません。我らも進化し人化できるようなったら、その味を探して旅をするのもいいでしょうね。」
アオバは蒼穹を撫でながら言った。
「おお、夢があるな!その時は一緒に旅をしよう。」
縁は楽しそうに言った。
夕食後、縁は一つだけテントを出した。とても小さい。
「え、まさか師匠、1人だけテントで…?!」
ユエが絶句するのを、縁はポカっと叩いた。
「イテッ!」
「んなわけないだろ!特別なテントだよ。中入ってみな。」
縁は3人を促す。
「「「なんじゃこりゃー!!!」」」
「ふふふん。な!中は空間術式で拡張されてるから広いぞ!プライバシーはないけどな。」
縁は鼻高々である。
「ほんと空間術式って便利ですね。僕も使えるようになりますかね??」
ヤンガは興味深そうにテントを触っている。
「そうだな、そのうち3人にはレクチャーするつもりだ。まぁ空間術式は素質も必要だが、私は問題ないと思っている。ヤンガにはまだ思考共有を教えてないから、また教えるからな。」
縁は今後の教育方針を伝える。
「教わることが沢山あって、楽しそうです!。」
ヤンガは嫌がりもせず楽しそうに言った。
「じゃ、3匹とも、私達はこの中で休むよ!アオバ、コンザ、夜泣き対応頑張れよ。コンザ、ここで甲斐性みせないと、男がすたるからな。じゃお休み!」
縁はテントの幕を下ろした。
新しい命が生まれた竜の家族と、結成してまだ新しいパーティーの夜はふけていく。




