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双蛇ノ縁ーソウダノエニシー  作者: 環林檎


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35/62

第35話ー外界との交流ー

白曜と黒曜相手に善戦したヤオとユエは、着物が砂だらけになり、「ゼーハー」と荒い息を着いている。一方白曜と黒曜は久しぶりに体を動かせられてスッキリキラキラしている。稲ちゃんといえば、

「ほんに!良い戦いでございましたね。特にユエ殿のシャドウガーデンは汎用性が高くでいいですね。ヤオ殿は陽気をそのまま拳に載せられるのがとても有利です。相手の体の芯まで打撃が当たりますので!」

と戦いの講評をしている。

「黒曜様はシャドウガーデンに普通に隠遁(いんとん)して激しく波状攻撃されましたけどね…。」

疲れきったユエがブツブツと言う。

「白曜様にはどこに当てても、陽気で陽気を相殺されて有利さなんてゼロでしたけどね…。」

ヤオはゲンナリした表情で言った。


「お前ら〜なかなか良かったぞ〜気配探知の距離といい、さっきの体の動きのキレといいすばらしいぞ。護衛部隊の奴らでは相手にならんな!」

後ろから突然2人の縁が肩を抱いた。

「「びっくりした!!!」」

縁はニコニコしている。背後を見ると、組手で絞られきった中堅クラスの見るも無惨な姿がある。

ー南無阿弥陀仏ー

二人は心の中で手を合わせた。

縁は、

「稲ちゃんの講評のように、シャドウガーデンで辺りを陰気で覆えることと、陽気を直接体の芯に当てられるのはシンプルに有利だ。まぁ、私の式神に勝てるものは数限られるさ。えーと、あと、2人とも、お願いがあるんだがいいか?」

と冷静に分析した。

「「お願い?」」

ヤオとユエの声が揃う。

「いや、まだ10月15日に出発することを私からは伝えてないから、それをふたつの家族に伝えたいんだ。あとぉ…。」

「あと??」

「アリクイダックのつくねが食べたいですぅ…。」

……絶対そっちがメインだろ!!!……

縁の発言に二人で内心激しく突っ込む。

「わかりました。どの日がいいか今日中に聞いておきます。」

「私も聞いておく。早い方がいいからね!」

ヤオとユエは呆れつつも答えた。


「ありがと!じゃあ今日はこれにて解散!気をつけて帰れよ〜。」

訓練場から里へ分かれ道で、縁たちは解散した。もう夕方、山に日が沈もうとしていた。



次の日の朝、縁は食パンとハムエッグを作り食べた。もちろんハムエッグはカリカリに。パンはサクサクに。今日は縁はやることがあった。婆様のところへ行くことである。


「イュイ〜おはよう〜。いるか〜。」

縁は10時頃イュイのもとを訪れた。

「はいはい〜。今お茶を入れますのでお入りください〜」

縁は勝手知ったるで、扉を開け、席に着いた。

「今日はどうされました?なにか困り事でも??」

婆様が優雅な手つきで茶をいれてくれる。縁は言った。

「前にガロが言っていたんだが、悠淵は外とあまり関わらないと言っていた。ガロいわく、『婆様は時が来たらわかる。と仰っていた』と言っていたから。何かあるのかなと…。」

「あぁ、それでしたら、時は来ましたじゃ。今です。」

「今?どういう意味だ?」

「ヤオとユエの封印がとかれ、正しく導かれた今、外との関わりを積極的にしても良いと思っておるんじゃて。今までは我らの里は"陰陽の化身"という大きな秘密を抱えておった。しかし、それも無くなった。これからは大きく外に出る時期。今護衛部隊を鍛え直しているのもそれゆえ。」

「なるほど。今までは大きな弱点を抱えていた、いや、秘密を抱えていたわけだ。それが私という保護者付きで世界に出ることになって、秘密を抱える必要が無くなった。と、言うわけか。」

縁は納得した。また更に婆様となったイュイに関心をしていた。よく考えてある。

「安心したよ。ガロ達にカレーをご馳走したら大喜びだったもんでな。外との物流がなぜ滞っているのか分からなかったんだ。よく考えているな。」


縁はこれでこの里に対しての懸念がひとつ無くなった。懸念はあと一つだけ。

「この里に残る問題はあと一つ、魔族の襲来があるかないかだな。」

婆様の顔が険しくなる。

「縁様はどう思われますか?」

婆様は茶をひとくち飲む。

「私はないと思っている。副官のキュレーのゴトムルへの忠誠心はあつかった。復讐はしたいだろうが、陰陽の化身のいないこの里を、わざわざ襲う必要が無い。まぁ、嫌がらせでという点はなきにしもあらずだが…。それなら気配のわかる陰陽の化身自体を叩いた方が早い。」

縁は指を組んで言った。

「私も似たような考えですじゃ。陰陽の化身を攫うのに5人、多くはありませぬ。もっと多くの人をさけば、結果も違ったはず。激甚のコキュートスはそれほど大きくない組織とみました。そして魔族は大陸の奥に住む者達。またこちらへ来ることはなかなかに苦労するじゃろうて。」

婆様は微笑む。

「こればかりは私も分からんな。もしもの時のために、ここを大規模転移の位置にマーキングしておくぐらいしかできん。あと護衛部隊の強化ぐらい。すまんな、イュイ。」

縁は婆様の目を見つめた。


「ところで縁様、アリクイダックのつくねがご所望だということで?」

唐突に婆様が話を変える。

「なんだよ、地獄耳だな。名物って聞いたんだよ。気になるだろ?」

縁は照れながら返事をする。

「それなら、縁様も一緒に取りに行ってみては?他にもモンスターを狩ってくださると助かりますじゃ。」

婆様はニカッと笑って言った。

「おっし、今日早速ヤオとユエと、誰か暇そうな護衛部隊の奴らつれていくか!」

縁はやる気満々で言った。婆様は楽しそうな縁の様子を幸せそうに見ていた。



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