表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双蛇ノ縁ーソウダノエニシー  作者: 環林檎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/62

第24話ー鉄拳制裁ー

ヤオとユエは縁からの通達により、それぞれ結界の中心地である装置の場所に向かっていた。

「ユエ!」

初めに声を上げたのはヤオ。

「ヤオ!」

それに気づいたユエが嬉声をあげた。

「よし、穢れを探知して叩こう。」

ヤオが提案する。ユエは早速気配探知をおこなう。すると、結界の西の方で何やら、"気に障る"気配がある。ユエは首を捻ったが、

「穢れというより、それより小さなものだけど、西の方に3人分何かある。とにかく行ってみよう。」

とだけ言い、走り出した。民家の扉の隙間から、住民の不安そうな視線が刺さる。ヤオとユエはよりスピードを上げた。


西側の竹林でヤオとユエは出会った。瘴気を放つ3人組、ガロン、キース、ヤンガである。

「あんたたち!なにをしている!というか何されてんだバカ!」

ユエのイライラした声が辺りに響く。

「まさか護衛部隊長の息子がここで操られているとは。ガロが聞いたら血を吐くぞ。」

呆れた様子のヤオ。それを聞いて3人は、

「お前らのせいだ!陰陽の化身なとどともてはやされる人生は、さぞかし気分がいいだろうなぁ。俺だってお前らが封印されていたあいだ、鍛錬に励んだんだ。今回は外の守りから外れろだァ?バカにしやがって!!!」

「お前ら調子乗ってんだよ。陰陽の化身だぁ?そんなの適当に因縁つけただけじゃねえかよ。ちょっとつえーぐらいで調子に乗りやがって。」

「このバカどもと一緒にされる僕の気持ちがわかるか?突出した陰陽の力を持つものと、比べられる俺たちの世代の気持ちが、おまえらにわかるか!」

と口々に叫んだ。


ヤオとユエは思考共有で、

…なんかこれ、思ってたのと違うぞ??魔族側がなんかしたんだよな?…

…私も思った。なんか、魔族っぽい邪気がないというか、ただの僻みだよね。…

と困って顔を見合わせる。そこに、

…おふたりともーすみませぬ。魔族の呪禁は私が解除しましたです。ただ、本人の志向に合わせた、強い暗示がかかっているため、ひとつ、ヤオ様とユエ様で鉄拳制裁をして頂きたく!まぁバカは叩いた方が早く治りますので〜!…

と稲ちゃんから思考共有がはいった。

「はぁぁ?!だっるぅ〜。そういうことかよ。」

ユエは額に手を当てる。ヤオに至っては、

「とにかく1回気を失わせたら大丈夫そうだな。サクッと行くぞ!」

と屈伸と伸びをしている。


「おらぁかかってこいやぁ!!!」

キースが叫ぶ。

「言われずとも!」

瞬きの間にキースの懐に入り、みぞおちに1発。

「ごふぅ!!!」

「はい、1人。」

「見くびるなよ。ヤオ。」

長剣を構えたガロンがヤオと正対する。

「あんた、あたしを無視するっていい度胸ね。」

ヤオの背後から両手に暗器を持ったユエが跳躍し、長剣を受け止める。そして、

「陰気逆流」

自身の膨大な陰の気を逆流させ、耐性のないガロンの意識が吹っ飛ぶ。

「「残りは…」」

ヤオとユエが見つめる先。

額に脂汗をかいたヤンガは必死で唱える。

「我、混沌の蛇。我が名において、命ずる。竹林よ我が命に従え。」

突如竹林がうねりだし、ヤオとユエの足を竹の根が拘束する。

「ほぅ中規模魔法を用意していたか。」

ヤオが目を見張る。ヤオとユエは拘束されているが、別に逃げようと思えば1歩踏み出せば逃げ出せる。ただヤオとユエは、ヤンガがこの2人に着いてきたことが気になるのだ。

「ヤンガ、聡明なお前がなぜこの馬鹿どもど共謀した。叡智ある流浪の魔術師の子であるお前は、誰よりも優秀だ。」

ユエが尋ねる。ヤンガは口を固く結ぶと、

「俺は純血の蛟ではない。そう蔑まれてきた。この里は血統こそが絶対。こいつらにどれだけ苦しい思いをさせられてきたか…」

低く唸るように話した。

「ヤンガ。お前は神に誓って蛟だ。人と交わってもお前の母はちゃんとお前が蛟であるように定めた。現にお前は長く生き、蛇体化できるし、父の叡智を受け継いでいる。」

ヤオは真剣な顔をして説く。

しかし…

「それでも!俺はここで力を示さなければならない!ーー竹葉よ、千の万の刃となりてこのものらを肉片とかえよ!竹葉刃嵐!」

追い詰められたヤンガは大規模魔法に移行する。ヤオとユエは声を合わせる。

「陽気・南風迅」

「陰気・凩の渦」

2人の陰陽の気は全てを相殺し、ヤンガを吹っ飛ばした。

問題児3人組はこれで全員気絶した。


「え?私たちこれ持って帰らなきゃダメ?」

心の底からウザそうにユエが聞く。

「んー。私も遠慮したい。こういう時は、師匠だな!」

東をむくと朝日が射してくる。

…師匠、終わりました。このバカども3人を運びたいので誰かよこしてくれませんか?…

ヤオが縁に思考共有をする。

…遅かったな。私はキュレーにまんまと逃げられたよ。そちらには白曜と黒曜を向かわせよう。…

縁は若干疲れたような声色で返答する。

…さようですか。では、処罰の件もありますので、後ほどこのバカ3人と東の村の入口に向かいます。…

ヤオは素直に答えた。

「キュレーって副官だったよね。逃がしたの、絶対わざとだよね…師匠の考えそうなことだもん。」

思考共有を聞いていたユエは、ヤオに語りかける。

「で、あろうな。なにかしら手を打って逃がしたんだろう。ま、もう当分は魔族に怯える心配は無いだろうさ。」

ヤオは倒れた竹に腰を下ろして言った。

「朝日だね。」

ユエがぽつりという。

「長い…夜だったな。」

ヤオがこたえる。2人は拳を合わせて、グータッチをした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ