恋愛物で誤字脱字って怖いよね?
とあるレストランの一角で二人の女が話してる。
「ヤバいわ……。我ながらマジヤバいわ…。」
「どうしたん?そんな焦った顔して。何やらかしたの?」
「いやぁ………ほら私小説書いたりするの好きじゃない?
この前酔った勢いで恋愛ファンタジー書いてサイトにアップしたんだけどね。
後日読み直したら我ながら誤字脱字の多さと内容のヤバさに慄いた。
笑いを飛び越えてもはや恐怖よ。しばらく誤字脱字が怖くて書けなくなりそう!」
「あんたの誤字脱字なんて今に始まった事じゃ無いじゃない?
学生時代の恩師へ宛てた感謝の手紙を超える間違いなんてあるんか?
『本当に、本当にありがとうございました。
お世辞になりました!』
マジ吹いたわ!!アハハハハ!!!」
「やめて!!それ黒歴史いいいい!!!!」
若気の至りを知り尽くした友人の怖ろしさよ。
「あーあーそれで?どんな誤字脱字やらかしたのよ?
一緒にチェックしてやるから見してみな。」
学生時代からの友のありがたさよ!
「うん、それがさぁ、普通の誤字ではあるんだけどジャンルが
【恋愛】だった場合の致命傷が深くてね。
たった一文字で愛も恋もストーリー全てが吹っ飛んじゃうんだよ。」
例えばココ!コツンと画面を指さす。
『返事をして下さい姫様!姫様!姫嶋!』
「いや!急に知らん奴混じってきた(笑)!!!」
「あと語尾が間違った時のヤバさが半端ない。」
『こ、これが本当の姿だお!?』
(こ、これが本当の姿だと!?)
「オタクが突然正体バラシに来たみたいになってるよ(笑)!!!!」
「ねっ!ヤバイでしょ(ドヤッ)。」
「なんでドヤってんの。まあこんな誤字見つけちゃったら【恋愛】部分は吹き飛んでいくかもね。
まだ他にもあんの?」
「あるよ!酷いよ!自分でもビックリの誤字が!」
『ブスの素人が戦地に行くだと?』
(ズブの素人か戦地に行くだと?)
「急にディスりだしたよ!!!」
『帰って来た〇〇はすっかり頬が肥えてしまった。』
(帰って来た〇〇はすっかり頬が痩けてしまった。)
「戦場行ってなんで太って帰ってきてんの!?」
『愛してる!愛してる!私は本当に愛してるの?』
(愛してる!愛してる!私は本当に愛してるの!)
「何で最後の最後で自分の愛に疑問もった!?」
「ほらね最後のなんてマークが『?に』変わっただけなのに何もかもが台無しになってしまっている………恐ろしい。」
「いや台無しにしてんのはアンタだから!
ってかちゃんと最後に確認すればいいだけでしょが!」
「何度確認しても私の脳は間違いを認識してくれない!」
間違いを間違いとして認識してくれない脳に文句を言いたい。
「凄まじい脳内変換!」
「感想に『これはコメディですか?』ってコメント来た。」
「そりゃこんだけ間違えてたら、わざとかと思うわな!」
「ディスりが激しい奴がいて腹立って返信したら
『私は真面目に嗅いでます!』
(私は真面目に書いてます!)
って書いちゃってた。」
「完全にお前がふざけてるじゃねえか!(笑)」
「私、恋愛小説書くの向いてないかも……。」
「いや恋愛とかの問題じゃなく、全般的に誤字脱字は駄目でしょ。
いっそ開き直って誤字脱字コメディでも書いたらいんじゃね?」
「でも書きたいのは甘〜い恋愛なのよーーー!!!」
おろろろろろろと泣き机に突っ伏す。
「あーあーまったく!泣いたって解決しないでしょうが!
一杯奢ってやるから元気だしな!」
長年つづく友情の素晴らしさよ。
「ありがとう!ヤッホー!じゃあワイン飲みたい!ちょうど解禁日だし!」
テーブルに置かれたボジョレー・ヌーボーのメニュー表
「ヤッホーっていつの時代よ。まったく現金なんだからなあ…。奢んの嫌になってきたわ。まあ良いや、店員さーん!」
「ロゼロゼ!赤じゃなくてロゼがいい!」
「ハイハイハイ。すいませーん、んっ?これ……。」
メニュー表に書かれた表記
「「ボン・ジョビヌーボー!!!?????」」
「ここでも書き間違いいいいいい!!!!」
誤字脱字の恐怖はどこにでも転がっているらしい(笑)
誤字脱字が多くいつもご指摘下さる誤字脱字キラーの皆様に感謝を込めて書きました。
いつもありがとうございます。
この場にて再度御礼申し上げます。
『こんな爆笑誤字脱字あったよ』なんて話をもし聞かせてもらえたら嬉しいです。