第19話:神々の領域を超えて
カイトたちの前に現れた最後の試練は、まるで天を突き刺すような巨大な塔だった。周囲には異様なエネルギーが渦巻き、まるで何かが生きているかのように空間が膨張している。
「これが最後の試練か……」
ユイが顔をしかめながら、塔を見上げる。
「なんだか、どこかで見たことあるような……」
だいちゃんがうなり声を上げながら呟く。「確かに、何か違和感があるけど……ま、今は気にしてる暇ないしな」
「だな。ここを乗り越えれば、試練をクリアしたってことだ。みんな、準備はいいか?」
カイトがそう言うと、パーティ全員が頷く。
「よし、行くぞ!」
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■塔の中へ
塔の中に入ると、最初に現れたのは巨大な魔法の結界だった。空間が歪み、進むたびに自分たちの位置がわからなくなるような感覚に襲われる。
「こ、これって……どうすれば?」
「進んでも戻るだけだってことは、どうやらこの中で何かを解かなきゃいけないってことだな」
先生が冷静にそう言う。
「わかった。ユイ、だいちゃん、先生、周囲を見渡してみよう。何か手がかりがあるはずだ」
カイトが指示を出し、メンバーはそれぞれ周囲を調べ始める。すると、ユイが一枚の古びた絵画を見つけた。
「これ……なんか気になる」
「その絵は?」
ユイが絵の中を指差すと、そこには不明な文字と共に、塔の中にある「神々の試練」の像が描かれていた。
「これ、私たちの試練と関係がありそうだ。もしかしたら、これを解かなきゃいけないんじゃない?」
「お前の直感、結構当たるな」
だいちゃんが笑いながら言う。
「よし、じゃあその絵に従って進もう」
カイトが道を決め、皆はその通りに進むことにした。
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■試練の答え
進んでいくと、巨大な扉が開かれ、試練の答えを示すかのような場所に出た。
「これは……」
そこには、巨大な石像が並び、目の前に不明な文字が浮かんでいた。文字は、古代の神々の言葉のようだ。
「この言葉、どこかで見たような……」
先生が小声で呟く。
「おそらく、これを解くことで先に進めるんだろうけど……」
その時、カイトが目を閉じて考え込む。
「ラグ……!」
カイトの体に再び青白いオーラがまとわりつき、無敵状態に突入する。周りのメンバーが驚きの声を上げる。
「またラグか!? でも、今はそれが役立ちそうだな!」
「うん、行け! カイト!」
カイトは無敵状態のまま、石像を突き破り、浮かび上がった文字に手を伸ばした。すると、文字が光を放ち、正解を示すかのように形を変えていく。
「うおお、これは……!」
カイトが手に取ると、文字が解け、扉が開いた。そこから現れたのは、巨大な神の姿をしたボス、ヴァルハラの守護神だった。
「来たか……最後の試練だ!」
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■決戦の時
守護神は巨大な槍を構え、凄まじい速さで突進してきた。
「くっ、ただの雑魚とは格が違うな!」
カイトが無敵状態で槍をかわしつつ、隙を突いて攻撃を放つ。だが、守護神の防御力は並みの敵ではない。カイトの攻撃が弾かれ、反撃が来る。
「うわっ!」
その刹那、カイトの目の前に盾を持っただいちゃんが飛び込んできて、攻撃を防ぐ。
「俺に任せろ! 行け、カイト!」
だいちゃんが盾を構え、守護神の攻撃を受け止める。その隙に、ユイが矢を放ち、先生も魔法を使って援護する。
「これが、私たちの力だ!」
ユイの矢が守護神の胸を貫き、先生の回復魔法がカイトの体力を回復させる。
「みんな、行くぞ!」
カイトが叫ぶと、無敵状態が再び発動し、猛然と突進を開始。守護神の槍を弾き飛ばし、一気に間合いを詰める。
「うおおおおおっ!」
カイトが一撃を放ち、守護神の体勢が崩れる。次の瞬間、全員で集中攻撃を加え、守護神はついに倒れた。
「やった……!」
「みんな、よくやった!」
「これで、試練をクリアしたんだな」
カイトたちは力を合わせて、最後の守護神を倒したことを喜び合う。そして、長かった試練が終わりを迎えた。
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■ヴァルハラの扉が開く
その瞬間、カイトたちの目の前に巨大な扉が開き、青白い光が差し込んできた。
「これで第1部は終わりだな」
カイトが息をつきながら言った。
「でも、次の冒険が待ってるはずだ。これが終わりじゃない」
「うん、また新たな冒険が始まるね!」
ユイが笑顔を見せながら言った。
「さぁ、次はどんな試練が待っているんだろう?」
だいちゃんが興奮気味に言うと、先生が穏やかな笑顔で答える。
「どんな試練でも、私たちならきっと乗り越えられるわよ」
カイトたちは、新たな冒険に向けて歩き出した。




