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第14話:ギルド勧誘は突然に。†奈落ノ焔†、襲来!

湯けむりの谷での激戦(と入浴)から数日。

島勢パーティはのんびりと拠点村で素材整理をしていた。カイトは今日もラグチェックを怠らず、ユイは風呂上がりに髪を三つ編みにしてご機嫌。先生は露出控えめな装備に着替え、そして――


「うぃーっす! パンイチ参上!」

だいちゃんだけはいつものマント一丁スタイルで元気にログインしてきた。


「こいつだけ時間が止まってるな……」


「昨日、バグでマントが虹色に光ってたよね?」


「バグじゃない。俺の進化」


「だいちゃんだけ独自ルートすぎるのよ!」


そんな他愛のないやり取りの最中だった。

突如、拠点村に爆音が響き渡る。


《イベント開始:ギルド戦予兆》

《参加資格:平均Lv20以上のパーティ》


「……あれ? これ、うちら対象じゃん」


「でもギルド入ってないし。ギルド戦って、無関係じゃ――」


その時、空が裂けた。


黒い雷とともに舞い降りたのは――

闇を纏ったような派手すぎる装備の一団。


「ふふ……ようやく見つけたぞ、†無敵のラグ使い†……!」


「……は?」


カイトが本気で困惑する。


先頭の男は、エルフ耳で漆黒のローブ。背中に赤い羽が生え、目元にはアイマスクのような紋章が輝く。

その名は――


「我こそは、ギルド†奈落ノ焔†のマスター、“冥夜くらや”……!」


「うわー出たーーー!! 恥ずかしギルド名大将!!」


「†焔†ってなんだよ……“ほむら”って読ませたいの? 漢字力暴走してない!?」


だいちゃんが笑いすぎて腹筋にダメージを受けている横で、冥夜は淡々と続けた。


「我々のギルドに入らないか。“ラグ”という異能……いや、“時を止める力”を持つ者よ」


「いや、普通に田舎の回線遅いだけだからね? 魔眼とかじゃないからね?」


「だが、君の“ラグ中だけ無敵”という能力、我々の目的に完璧に適合する……!」


「何目的だよ!」


「†神界の門†を開くことだ」


「知るか!!」



その後。強制バトルに突入した†奈落ノ焔†とカイトたち。

だいちゃんがパンイチで突撃し、先生が†祈り†を炎に変えて燃やし尽くし、ユイがギルドマスターの翼を串刺しにした。


結果、†奈落ノ焔†はきっちり全滅した。



「ふっ……これが“田舎の力”か……」


「いや、純粋にお前らのギルド構成が悪いから……!」


ギルド勧誘はあえなく失敗。

だが、その後冥夜からフレンド申請が届いていた。


名前:冥夜くらや

ひとこと:また遊ぼう。†夜の民†として――。


「ひとことのクセが強すぎるわ」


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