第13話:ダンジョンで温泉!? 田舎勢、癒やしの休息回へ!
■ 新マップ「湯煙の谷」発見!
「見て見てカイトくん! “探索者の隠れ湯”だって!」
ユイが地図を広げてはしゃぐ。
「それ、絶対なにかあるヤツじゃん……」
「でも温泉だよ!? 温泉!!」
「お前、ゲーム内で癒やされに来てんの?」
「リアルでは癒されてないから……」
「やめて! ユイちゃんの現実を直視しないで!!」
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■ 温泉、発見!
一行がたどり着いたのは、蒸気がふわりと立ちこめる自然の露天風呂。
手前には小さな脱衣所まである。
「ゲームでここまで作り込む!? 開発スタッフ正気か!?」
「よっしゃー! 風呂! パンイチの俺がついにパンツを――」
「それ以上脱ぐなァァァ!!」
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■ 男女別に分かれて入浴タイム(のはず)
「じゃ、私たちはこっちね」
先生とユイが女湯へ。
「カイトー、混浴じゃないのー?」とユイ。
「VRでそれやったらBANだろが!!」
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■ 男湯サイド
だいちゃん、堂々のフリチンスタイル。
「いやぁ~やっぱ湯けむりはロマンだねぇ……」
「マジで1ミリも恥じらいないなお前……」
カイトはそっと自分のラグ体質が発動してないか確認する。
《接続安定中》
「……よし、安心して入れる……」
「ラグったら無敵で風呂に突撃してたんだなお前……」
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■ 女湯サイド
「ふぅ~、現実の温泉よりリアルかも……」
「先生、その†蒼刃の祈り†の刺青、湯に映えるよ……」
「違う、これは温泉用のアバターじゃないのよ。戦闘用なの」
「いや、全身に蔦の紋様とか完全にリラクゼーション用よそれ」
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■ そして事件が起きる
突然、周囲の温泉が紫色に染まりはじめた。
《警告:毒属性の温泉スライムが出現しました》
「でたーーーッ! 温泉ダンジョンあるある展開ーッ!!」
「よりによって温泉で!?」
「誰だ“癒やし回”とか言ったやつ!!!」
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■ 湯けむりバトル開始!
湯の底から出現する巨大なスライムたち。
だいちゃん、素手で殴る!
「お湯でもパンチは効くんだよおおおおお!!」
先生、素っ裸に†黒炎†を宿す!
「蒼刃よ、温泉ごと蒸発させろ!」
ユイ、バスタオルで矢を射る!
「今だけ“必中湯けむりショット”!!」
カイト、ラグる。
《接続中…》
――ゴゴゴゴ……
「裸のままラグるなぁぁぁぁ!!」
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■ 結果:撃破
《称号「湯けむりの戦士」獲得》
※戦闘中に服を着ていなかった場合、ステータス+5%
「完全に俺得じゃんこれ……」
(by だいちゃん)
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■ 最後に
カイト、そっと温泉に残るラグ影響を確認。
《ラグデータが温泉に蓄積されています》
「……え? ラグって蓄積するの?」
「ラグ温泉って何!? 流すなよそんな厄介なもん!!」




