第12話:パンイチの反逆!? だいちゃん、最強装備を手に入れる
■ ログイン直後
「……なあ、俺そろそろ服着たほうがいいと思う?」
唐突に真顔で問いかけるだいちゃん。
その姿はもちろん、今日もパンツ一丁である。
「なに急に自我芽生えたみたいなこと言ってんの」
「だってさ、俺、そこそこ火力出すじゃん?」
「そこそこ出してるのは攻撃じゃなくて肌面積だからな?」
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■ だいちゃん、ついに装備を拾う
初心者村の隅っこにある、
“誰も拾わないゴミ箱”みたいな宝箱。
カイトが開けようとして、「うわ、装備1スロかよ」とスルーしたそれを――
だいちゃんが拾った。
《【伝説の変態装備:裸王のマント】を入手しました》
説明:着用者の羞恥心がゼロである場合、全ステータス+100%。
ただし見た目はパンイチにマント。
「……お前それ、俺に装備されるために存在してんだろ……」
「ついに世界観に認められたの!? パンイチを!?」
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■ 効果、バカみたいに強い
試しに野良モンスターを殴ったら、
ユイの必中矢より早く敵が消し飛んだ。
「ちょっ!? なにその爆発力!? 魔法使いだっけ!?」
「いや、ただのパンチ」
「パンツだけに!?」
「黙ってろよもう」
(ツッコミ:カイト)
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■ ボス戦:怒れるゴブリン将軍
中型ボス。普通に戦えば5分くらいはかかる強敵――
だったはずが。
「いけ、裸王の拳!」
――ゴブリン将軍、即死。
《特殊効果:変態の貫禄が敵の威圧を無効化しました》
「なんだその説明文!? どういう理屈!?」
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■ パーティ、困惑
「これ、正直一番バランスブレイカーじゃない……?」
「私、必中矢習得するのに5話分かかったんだけど!?」
「先生の†黒歴史†、全部霞んだわ……」
「パンツ一丁が最強って、どういう世界なのよ……!」
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■ だいちゃん、ノリノリになる
「おい、次の町って“ファッションショップ”ある?」
「あるけど、どうせ服買わないんでしょ?」
「違う、マントを染色する。俺だけの“裸王カスタム”を作るんだ!」
「無駄な努力ーーー!!!」
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■ 最後に
《裸王のマント》の隠しスキル
【羞恥心が芽生えるとマントが爆発】
という一文を見つけたカイトは、そっと胸の内にしまった。
「……よし、誰にも言わんとこ……」




