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怪物幼女と呼ばないで  作者: 雪月花VS花鳥風月
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婚約破棄

今回は婚約破棄の話です。

「私はカノンとの婚約を破棄する」

学園創立百五十周年記念パーティーでランバが婚約者のカノンとの婚約を破棄すると宣言した。

カノンはサファイア王国を訪問中なのに。

「理由は真実の愛に目覚めたからだ」

理由は真実の愛とかいう、馬鹿馬鹿しい内容だった。

「そしてピンクと新たに婚約を結ぶ」

そしてピンクと新たに婚約を結ぶという戯れ言を吐いた。

「ランバ様、嬉しい」

ランバの隣に居た桃色髪の少女が歓喜に満ちた表情でランバに抱き付いた。

「カノン、隠れていないで出て来い」

カノンがサファイア王国を訪問中とは知らなかったみたいだ。

「ランバ皇子、カノン様は隣国サファイア王国を訪問中です」

側近候補の一人が説明した。

「隣国サファイア王国を訪問中だと。アイツは何をやっているんだ」

馬鹿なアンタの尻拭いだよ。

側近候補は心の中で呟いた。

愚弟め、やらかしおったな。

「愚弟、血迷ったのか」

兄上、何を考えているんだ。

「兄上、乱心したのですか」

「そなた達、騒々しいぞ」

威厳に満ちた声が会場に響き渡った。

「「陛下」」

「父上」

「・・・・」

ラネージュとラミルは直ぐに臣下の礼を取ったが、ランバとピンクは呆けたままだった。

「ラネージュ、ラミル、余の執務室に来い」

二人は皇帝の執務室に呼ばれ、詳しい事情を説明した。

ランバがカノンとの婚約の意味を理解していなかったとはな。

皇帝は事情を聞いて、ランバを完全に見限る決心をした。

「ランバの処罰についてラネージュとラミルの意見を聞かせてくれ」

皇帝が仕方なく二人にランバの処罰についての意見を求めた。

「去勢はどうですか」

「皇籍の剥奪はどうですか」

「重すぎないか」

「陛下は愚弟に甘過ぎます。それなら皇位継承権の剥奪はどうですか」

「ラネージュの意見を採用しよう。衛兵、ランバとオチメ男爵家令嬢を連れて来い」


「ランバの皇位継承権を剥奪する」

「父上、何を言っているのです」

「黙れ。反論は認めぬ。ランバ、お前には失望した。ランバとオチメ男爵家令嬢は直ちに退出せよ」

ランバが文句を言い出したが、皇帝は撤回しなかった。

「父上、御再考下さい」

「皇位継承権の剥奪なんてランバ様が可哀想です」

「もう決定した事だ。衛兵、ランバとオチメ男爵家令嬢を退出させよ」

ランバとピンクが再考を願い出たが、皇帝はあっさりと却下した。


「帰国は暫く延期になったわ。報告ではランバ皇子が私との婚約破棄を宣言したのよ。その為に皇宮内が混乱しているらしいのよ。罰としてランバ皇子は皇位継承権を剥奪されたわ」

「カノン様が不在なのに婚約破棄ですか。本当に愚かですね」

「真性の馬鹿ですね」

「二人共、不敬罪になるから止めなさい」

これで馬鹿皇子から解放される。

カノンは平静を装っていたが、内心は歓喜していた。


報告によると本国ではガールズラブとボーイズラブと婚約破棄が流行っているらしい。

ガールズラブは女性同士の恋愛で、ボーイズラブは男性同士の恋愛だ。

「キモい」

「変態」

「おぞましい」

トワ達は嫌悪感で、身体が震えてしまった。

特に婚約破棄が大問題のようだ。

貴族の派閥関係が破綻する可能性があるからだ。

皇宮内でも混乱が始まっている。

原因は皇宮の書庫で同人誌という薄い本が発見されて、愚か者が複製して、皇宮内にバラまいたのだ。

愚か者は即日処刑された。


「正当な理由無く婚約破棄を行った者は重い罰に処す」

皇宮内の混乱を鎮める為に皇帝が重い罰に処すと宣言した。


次回はラネージュの覚醒の話の予定です。

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