人身売買組織壊滅
今回は人身売買組織壊滅の話です。
「カノン様、お願いがございます。トワ様に子供専門の人身売買組織の壊滅に御協力して欲しいのです」
「子供専門の人身売買組織ですか。それは赦せないですね。トワ、協力してあげなさい」
「畏まりました。それでは組織の情報を教えて下さい」
「それは冒険者達が調査中ですので、暫くお待ち下さい。調査が済み次第その冒険者達と連携してもらいます」
「冒険者達と連携ですか。単独行動は駄目ですか」
「出来れば連携して下さい」
「ハッキリ言って冒険者とは連携したくありません」
「トワ、止めなさい」
「カノン様、申し訳ありません。私にも譲れない事があります。冒険者との連携は嫌です」
「とても優秀な冒険者達ですよ。エターナル様、カミル様、ローズ様、ベルン様の四人パーティーです。噂ではエターナル様は見た目は十二歳程の女性らしいですから、トワ様とは気が合うと思いますよ」
エターナル、カミル、ローズ、ベルンの四人パーティー。
エターナルの見た目が十二歳程の女性。
確か怪物王女の名前がエターナル。
同名だ。
仲間の名前がカミュラ、ローラ、ベルトだったよね。
似ている。
嫌な予感がする。
「申し訳ありません。絶対に嫌です。単独行動でなければ協力出来ません」
「そうですか。残念ですが連携は諦めます。単独行動でお願いします」
「カスミ、トワはどうして冒険者を嫌悪しているの」
「申し訳ありません。私の口からは話せません。本人に確かめて下さい。但し激昂するかもしれません」
何か複雑な事情があるみたいなので、詮索は止めておきましょう。
「ねぇ冒険者のエターナルって女性はもしかしたら怪物王女じゃないかな」
「言わないでよ。それはフラグよ」
言うな、喋るな、口にするな。
「王都を散策しようかな」
カスミが冒険者達からの情報を確認に行っているので、退屈だから王都を散策しようと思った。
「王都でも散策しましょう」
ベルン達が報告の為に王宮に行っているので、暇だから王都を散策する事にした。
「「美味しそう。この果物を一つ下さい」」
美味しそうな果物が露店に並んでいたので、一つ買おうとしたら、可愛い少女とハモってしまった。
美味しそうな果物が露店で売っていたので、一つ買おうとしたら、可愛い幼女とハモってしまった。
「お嬢ちゃん、お先にどうぞ」
「ありがとうございます」
可愛い少女だったな。
そういえば名前を聞かなかった。
あんな妹が欲しいな。
可愛い幼女だったな。
名前を聞いておけば良かった。
トワもあんな可愛い子に育っていると良いな。
「組織の拠点は三ヶ所よ。東地区と西地区とスラム街にあるそうよ。私達の担当は東地区よ。冒険者達は西地区を担当。騎士団はスラム街を担当。午後九時に突入開始よ」
「組織の拠点は三ヶ所です。東地区と西地区とスラム街にあります。協力者は東地区を担当して下さい。俺達は西地区を担当します。騎士団はスラム街を担当して下さい。午後九時に突入開始します」
「私がエサとなって拠点に入り込んで、騒ぎを起こすから、カスミは隙を見て、拉致されている子供達を救出してくれる」
「任せて」
「見ろよ。ネギがカモを背負って来たぜ」
「今日はツイてるな」
雑魚がエサに喰いついて来た。
「お兄さん達は誰ですか」
「君のお父さんの知り合いだよ」
「パパの知り合いなの」
「お兄さん達と一緒に来てくれるかな」
「美味しいお菓子があるよ」
「行く」
自分ながら臭い芝居だ。
幼女の振りなんか二度としたくない。
「大人しく此処に入ってな」
「騒ぐなよ」
「触るな、病気が移る、雑魚の癖に生意気な」
「がぁあああ」
「ぐぇえええ」
雑魚達が私に触れようとしたので、腹に軽い一撃を喰らわせてやった。
「今の悲鳴は何だ」
「監禁部屋の方だ」
他の雑魚達が悲鳴を聞いて、集まって来た。
さてとお仕置きタイムの開始だよ。
「何の冗談だよ。俺達が幼女一人に壊滅させられるなんて、悪夢じゃないのか」
「残念だけど現実よ」
「もしかしてお前は怪物王女なのか」
「違うわよ。その二つ名を使うな」
「げぇえええ」
拠点の幹部を軽く蹴飛ばした。
拉致されていた子供達は無事に救出されて、人身売買組織の壊滅は大成功に終わった。
「結局トワの行方は分からなかった。もう諦めようかな」
エターナルは溜め息を付いた。
「ルビー帝国に怪物幼女と呼ばれる少女が居るらしいわよ」
「怪物幼女?」
「噂では物凄い身体能力の持ち主だけど、十五歳なのに八歳くらいの身体らしいわよ」
「それ本当なの」
「本当よ」
「ルビー帝国に向かうわよ」
次回は婚約破棄の話の予定です。