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怪物幼女と呼ばないで  作者: 雪月花VS花鳥風月
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サファイア王国

今回はサファイア王国での話です。

「よ、良く似合っていますよ」

カノン様、そんなに可笑しいですか。

「馬子にも衣装だな」

ゼラス様、それは褒め言葉じゃない。

「お、お腹痛い」

カスミ、他人事だと思いやがって。

私は騎士団の正装をしている。

正装じゃないと謁見室に入れないからだ。

幼女体型なので少しも似合っていない。

まるで七五三だ。

絶対に罰ゲームだよ。


謁見室にはカノン様と私だけが入室を許された。

もちろん武器の所持は禁止だ。

まぁ、私は武器なんか不要だから、何の問題も無い。


「ルビー帝国ルンバ公爵家長女カノンです。この度は我が国のランバ皇子の非礼の謝罪に参りました」

「ルビー帝国パワフル辺境伯家四女トワです。カノン様の護衛を務めております」

「私はローズ公爵家長女リミアです。貴女は私達を救ってくださった御方ですね。あの時はありがとうございました」

???

私がリミア様を救ったと言われても、身に覚えが無い。

「リミア様、発言をお許し下さい」

「構いませんよ。何ですか」

「救ったと申されましたが、身に覚えが無いのですが、どなたかと勘違いされていませんか」

「勘違いではない」

突然男性の声がしたので、声のした方へ視線を移すと、見覚えのある騎士が居た。

「盗賊達に襲撃されていた騎士様」

「覚えていてくれたようだな。あの時は助かった。改めて礼を言う。私は第二王宮騎士団長のバンだ」

事実は小説より奇なりと言うが、こんな偶然があるなんて不思議だ。

「トワ、どういう事ですか」

「リミア様達が盗賊達に襲撃されていて、不利なようだったので、軽く盗賊達を討伐しただけです」

「そういえば貴族一行が盗賊達に襲撃されていたと報告されましたね」

「カノン様、貴女の護衛のトワ様に救われたので、ランバ皇子の非礼は不問とします」

「リミア様、ありがとうございます」

どうやら無事に謝罪の任務を果たせそうです。

「リミア様、簡単に不問にされてはなりません」

「バツラ伯爵、当人の私が決めた事です。余計な口出しはなりません」

「しかし」

「お黙りなさい。これ以上口出しするなら、処罰しますよ」

「・・・・分かりました」

バツラ伯爵とやらがカノン様と私を睨み付けたので、軽く闘気を放ってやったら、あっさりと卒倒してしまい、挙句の果てに失禁しやがった。

無様な奴だな。


バツラ伯爵が失禁したので、場所を移して謁見を続行する事になった。

「トワ様、バツラ伯爵に闘気を放ちましたね」

「何の事ですか」

どうやら闘気を放ったのを、バン様に気付かれてしまったようだが、惚けて誤魔化した。

「まぁ、バツラ伯爵の事はどうでも良い。トワ様、私と手合わせ願いたい」

「バン団長、失礼ですよ。お控えなさい」

「良いですよ」

リミア様がバン様を咎めたが、私はあっさりと了承した。


再び場所を訓練場に移して、私とバン様は対峙した。

「トワ様、武器はどうされますか」

「素手で構いません。私は格闘技が一番得意なのです。バン様はお好きな武器をお使い下さい」

「御言葉に甘えて、私は剣を使います」

「バン団長」

「リミア様、構いません」

「・・・・それでは試合開始」

バン様は騎士団長だけあって、鋭く斬り込んで来たが、私は軽く躱して、剣を握る手首に手刀を喰らわせた。

バン様は激痛に耐えられず、剣を放してしまった。

「それまで、勝者トワ様」

勝敗はあっさりと着いた。

「完敗です」

「バン様も鋭い斬り込みでしたよ。躱すのが大変でしたよ」

「余裕で躱した癖に良く言いますね」


歓迎の夜会を開いてくれる事になった。

「と、とても良く似合っていますよ」

カノン様、やっぱり可笑しいですか。

「やはり馬子にも衣装だな」

ゼラス様、だから褒め言葉じゃないですよ。

「お、お腹痛い。そんなに笑わせないでよ」

カスミ、後で覚えていなさいよ。

私に合うサイズのドレスが見つからなかったから、仕方なく少し大きめのドレスに着替えさせられた。

正装では駄目なのかと抵抗したが、夜会にはドレスじゃないと女性は参加出来ないらしい。

幼女体型なので完全に似合っていない。

やっぱり絶対に罰ゲームだよ。


「た、大変良くお似合いですよ」

リミア様、可笑しいのは分かっていますよ。

「馬子にも衣装とは正にこの事だな」

バン様、意味を分かって言っていますよね。


「投擲用のナイフか」

私は夜会で暗殺者に襲撃された。

どうやら私がお花を摘みに一人になるのを待っていたみたいだ。

「そんな馬鹿な。即死用の毒を塗ったナイフが掠めたのに、何故生きている」

「どんな猛毒でも私には効かないわよ」

「・・・・貴様は怪物王女か」

「うるさい。その二つ名は聞き飽きたわよ」

「ぎゃあああ」

逃げられないように四肢の骨を砕き、衛兵に引き渡した。


「申し訳ありません」

「すまなかった」

「気にしないで下さい。良い余興でしたよ」

リミア様とバン様に謝罪されたが、気にしないでくれと伝えた。


おそらくバツラ伯爵の仕業だな。

伯爵は関与を否定しているが、まず間違いない。

私に恥をかかされた事への報復なのかな。

逆恨みは止めて欲しいよね。

次回は人身売買組織壊滅の話の予定です。

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