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怪物幼女と呼ばないで  作者: 雪月花VS花鳥風月
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隣国サファイア王国訪問

今回は隣国サファイア王国に向かう話です。

面倒だよ、かったるいよ、ヤル気が起きないよ。

仕方なく馬鹿皇子の監視をしていたら、相変わらず令嬢達を侍らせている。

特に親密なのがオチメ男爵家令嬢ピンク様だ。

男爵家令嬢なのに馬鹿皇子に密着している。

これは報告すべきか、しないべきか、悩んでしまった。

それにしてもピンク様は馬鹿皇子の何処が良いのだろうか。

私には理解出来ない。


「ランバ皇子が男爵家令嬢と密着していました」

結局カノン様に報告する事にした。

「そうですか。ランバ皇子は相変わらずですね。あの万年発情男、発情期の猫モドキ、去勢してやる」

カスミが報告すると、カノンの表情が般若のように変化した。

「カノン様、落ち着いて下さい。公爵家令嬢なのにハシタナイですよ」

「カスミ、何か言いましたか。貴女は何も見ていないし、何も聞いてもいませんよね」

カノンがカスミを冷たい視線で睨み付けた。

「何も言っていませんし、何も見てもいませんし、何も聞いてもいません」

カスミは恐怖のあまり金縛り状態になった。


「謝罪の為に隣国サファイア王国を訪問する事が決まりました」

馬鹿皇子が隣国の公爵家令嬢にセクハラ行為をして、国際問題になりそうになった。

馬鹿皇子が謝罪の為に隣国を訪問しても、両国の関係を悪化させるのは分かりきっている。

だから婚約者のカノン様が訪問する事になった。

もちろん私も護衛として同行する。

それにしても馬鹿皇子をマジで始末したくなった。


「隣国を訪問か。私も同行したいな。そうすれば馬鹿皇子の監視をしないで済むのに」

カスミが羨ましそうな視線で見つめてきた。


「カノン様、ありがとうございます。トワもありがとう」

カノン様と私の推薦で、カスミも同行する事になった。


数日後、私達は隣国に向かって出発した。

近衛第一騎士団が護衛として同行する。

「トワ嬢、頼りにしているぞ」

「こちらこそ頼りにしています」

騎士団長のゼラス様とは時々一緒に訓練する仲だ。


「トワ、ソワソワし過ぎよ。少しは落ち着きなよ」

「だって初めて国外に出るんだよ。ソワソワくらいするよ」

カスミの指摘通り、確かにソワソワし過ぎだ。

反省しよう。


「気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い」

カスミが馬車に酔ってしまい、気持ち悪いを連発している。

鬱陶しい、黙っていろ、寝てしまえ。


「カノン様、ゼラス様、剣戟の音と血の匂いがします」

前方から剣戟の音と血の匂いを感知した。

「私が様子を見てきます」

「単独行動は危険です」

「いや、トワ嬢なら単独行動の方が良い」

「駄目です。トワは止める者が居ないと暴走してしまい、事態を悪化させるのに決まっています。それが危険だと言っているのです」

「決して暴走しませんから、一人で殺らせて下さい」

「・・・・やらせて下さいが違っていませんか」

「気のせいです。それでは行って来ます」

トワは全速力で剣戟の音のする方へ駆けて行った。


騎士達と盗賊らしい一団が戦っている。

どうやら貴族一行が盗賊達に襲撃されているみたいだ。

しかも騎士達が不利のようだ。

騎士なのに無様だな。

それにしても盗賊達の動きが統一され過ぎている。

単なる盗賊達じゃないな。

取り敢えず討伐しよう。

「ぎゃあ」

「ぐぁ」

「がぁ」

盗賊達を正拳突きで次々と倒してやった。

「騎士の方々、御無事ですか」

「助かった。感謝する」

「大丈夫そうですね。それでは失礼します」

面倒だから、脱兎の如く、皆の元へ戻る事にした。

「おい、待ってくれ」

絶対に待ちません。

ごめんなさい。

「あの幼女は何者なんだ」

「分かりません。しかし物凄い強さでしたね」

「確かにな。おそらく私より強いだろう。おっと、それどころかじゃない。リミア様、御無事ですか」

「私は大丈夫です。それよりもお助けくださった御方はどうされたのでしょうか」

「おそらく面倒事を避けたのでしょう」

「そうてすか。お礼を言えませんでした」

「それより先を急ぎましょう。謝罪の使者より早く王都に戻らねばなりません」

貴族一行は王都に向かって出発した。


「カノン様、ゼラス様、戻りました」

「トワ、暴走しませんでしたか」

「大丈夫です」

「良かった。暴走しないか心配していたのですよ」

「御心配を掛けまして、申し訳ありません」

「無事で何よりだ。それより何があったのだ」

「貴族一行が盗賊達に襲撃されていたので、盗賊達を討伐してから、面倒事を避ける為に速攻で戻ってきました」

「うむ、良い判断だ。それでは我々も出発しよう」

トワ達も隣国の王都に向かって出発した。

次回はサファイア王国での話です。

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