いざ塔極へ
「あそこにそびえ立つ塔は邪神を封印している場所、通称塔極と言われる塔です」
次のターゲットの情報が判明する。
心の奥底からぐつぐつと戦闘魂が煮えたぎるのを感じ始める。
「なるほど・・・次の敵は神様かぁ。相手したこと無い相手だけに腕が鳴るねぇ!」
姫さんが隣でぐらりとよろける。
「大丈夫か?」
「はい大丈夫です。ごめんなさい。あそこからとてつもなく邪悪な気配を感じます。危険です罰様!!勇者でもあれに挑むのは」
「助けるって言ったからには女としていや男?として・・・やってやる以外の選択肢はあの時から無い!」
「でも!」
「罰さんは死なねぇし。安心しな。ちゃーんと後で世界も救ってやるから安心してろって」
私なりの余裕の笑みを浮かべる。
「なら私も着いていきます。回復魔法を使い貴方様のお役に立ってみせます!」
彼女の強い意志を感じ、好きにしたらいい。と答えた。
(別に一人で大丈夫なのに)
口を尖らせる、でも少し心強い・・・・なーんて
こんな甘いこと言ってたら仲間に笑われてしまうなぁ・・・まっ私には関係無いけどさ。
自虐気味に笑った。
――――塔極前――――
「うぅ!やっぱり凄いキツいです!!」
「じゃあ何で着いてきたんだよ」
「だって!!私だけお留守番なんて嫌ですし!!」
はぁ・・・・何かハンデ貰ってる気分だなぁ。
ジト目で見つめた後
コツコツ
仕方なく
先に塔へ入って行く。
「罰様お待ちください!」
エルフも後に続き出す。
「わ・・・私も負けられません!世界のために私も出来ることをする!罰様の強さに負けたくない」
と強がりと嬉しい事を言ってくれている
姫様は、無理をしすぎて、這いつくばる様な形で着いて来ている
正直そこまでなら、無理してまで来るんじゃねぇ、気持ちだけで十分なのにさ。
(てか姫さんがこんな姿、簡単に晒したらダメだろ)
やれやれ。
心配なメンバーでのダンジョン攻略が今始まる。
塔極を登っていく最中で、数々の罠にもかかり、姫様がギャグか!?と思うほどトロいから、結局私が担いで逃げたり、
何故か突然に始まる恋バナなど意外と女子旅は充実したものとなった。
はぁ・・・・ため息しか出ねぇ。
帰ったらおんちゃんに言いつけてやる、死にかけてるのにさぁ、急に恋バナ始まる事ってあるんだぜ?
って。
絶対引くね!分かるよおんちゃん!言っとくけど始めたの私じゃあ無いから!!
げっそりとした私達 (姫様以外)は、やっとの思いで塔の最上階へと辿り着く。
荒れ狂う気候の中で、雲から一筋の闇の瘴気が流れて込んでいる。
「はっはっは!!!!!!良く来たな下等なエルフ共と勇者とミネル!!」
「ふっ誰だこの声は?弱そうな声だな。私の名前は罰!世界を嘲笑する勇者であり、てめぇを倒しに来た存在とういう事でよろシックス♪」
煽りからの自己紹介、そしてよろシックスの三連コンボ。決まったな!
大鎌を生成し構える。
さぁお手並み拝見と行こう。